シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

書評

京都、古書店の街を歩く

うむ。実は、この週末、昨年の夏に行きそびれた京都にいっておりまして。 昨年の夏の古本市に行けなかったのが、心残りだったので、今回は、古書店=古本屋を中心に、まわってみました。 (去年のお盆休みに、コロナを患った記事。家族が京都に行く中、私は…

新年の始まりと本の修理の話/本=コモン論序説

明けましておめでとうございます。 今年も、また、あっという間に一年が過ぎていくかもしれませんが、なるべく有意義な年にしたいものです。(あと体調が良く合ってほしい!) いやしかし、年始から石川県周辺では、強い地震が……。まだ被害の全容は判明して…

書評「オウムアムアは地球人を見たか?」

オウムアムア。ハワイ語で、「遠方からの初めての使者(あるいは斥候)」という名がつけられた2017年に発見された、初の恒星間天体。 本書「オウムアムアは地球人を見たか?異星文明との遭遇」(アヴィ・ローズ著、松井信彦訳、早川書房、2022年)は、そのオ…

雑記2023.10.23

さて、また、雑記を書く季節がやってきております。 まあ、とにかく、異常に忙しい。 (なんとなく撮った一枚をサムネイル用に) 本を買ってしまう病 忙しい時は、動けないので、本を見つけては買ってしまうということなのですが。 これが、また、このひと月…

書評「新版アフォーダンス」

いや、表題の本、とても分かりやすくアフォーダンスを紹介している本で、ぜひ、書評を書きたいと、タイトルを書いたものの、私の理解度と、筆力で果たしてアフォーダンスの何たるかが伝わるのかは、激しく自信がない。 佐々木正人著「新版アフォーダンス」(…

【改題】「わかる」という特権性についての覚書

大変に、忙しい。 梅雨で、雨も降るのですが、それだけでもなく、撮影時間がとれておりません。 とりあえず、1回雑記でしのぎつつ。 次回は果たして撮れているのか…。どうか。 とりあえず、サムネイル用に一枚。 雑記 こういう忙しい時は、仕事以外は、基本…

書評「極端豪雨はなぜ毎年のように発生するのか」

さて。 いつ以来なのか、正直覚えていない…、ちゃんとした書評を書くのは…。 うちのブログは、星景写真と科学本のブログと銘打っていて、忘れたわけではなかったし、本は読んでいたのですが、写真論や実在論哲学など際限なく(節操なく)読む分野を広げた結…

雑記 2023.04.17

うむ。 今回もタイトルの通り、雑記です。 忙しさから押して測るに、最低、あと1回は、雑記です。 積読タワー 前回も言ったように、忙しい中、MPをたもつため、本を買うマシーンと化している私は、今、絶賛、積読タワーを育てています。 とりあえず、一部を…

雑記 2023.04.10

はい。 お察しの通り、撮れておりません。 大変な、忙しさ。あと2週間はこれが続きますかね。 昨日も4時寝とか、そういうあれです。 これで夜撮影にいくと、寝る時間がなく、もうだめなので、もう少し我慢です。 今年に入ってからの、長い繁忙期もようやく…

本との出会いは、時に人を救うという話

うむ。 今日は、実は、山岳写真で活躍する写真家の石川直樹さんが、高知に来て、高知蔦屋書店で、講演をするという催しがありまして、行ってきました。 昨年末に発表した写真集と、その元になった、昨年のヒマラヤ山脈での登山・撮影についてのお話でした。8…

書評「無人の兵団」

AI(人工知能)が搭載された「自律型兵器」が、攻撃目標を自ら判断・決定し、人を殺傷する――映画「ターミネーター」を彷彿とさせるその未来は、今、どこまで実現しつつあるのか。 自律型兵器の今を、軍事アナリストでもあり、過去には米陸軍の兵士としてアフ…

こんな時だから読みたいサイエンスノンフィクション5選

いやもう。 また、図書館「オーテピア」が閉まってしまいました。新型コロナの影響による二度目の休館。致し方ない。 新型コロナの影響は本当にいたるところに出ていて、自粛・休業に伴う実質的な補償がないと、感染拡大に歯止めがかからないフェーズに入っ…

書評「生命の歴史は繰り返すのか」

進化生物学のサイエンスノンフィクションにおいて、もはや古典と呼んでも差し支えないヒストリカルな一冊に、スティーブン・ジェイ・グールド著「ワンダフル・ライフ」がある。 この本で、グールドは、そのウィットに富んだ筆致で、バージェス頁岩で見つかっ…

書評「棋士とAI」

韓国、中国のトップ棋士を相次いで大差で破ったAI「アルファ碁」。 棋士とAIのたたかいの顛末を、日本棋院に所属するプロ棋士である著者が、囲碁ソフトの開発に携わった経験も踏まえながら、わかりやすく解きほぐしていく。 アルファ碁によって、何が起こり…

星景サルベージその70 星々の航路〈RE-EDITION〉

というわけで。 前回の記事で、お話した通り、とりあえずもう一度サルベージです。 一年間、準備してきた県展が選外でしてね。 うん。 まあ、それ自体はしょうがないのですが、なかなか、やはり受け止めるにはある程度の時間が必要でした。やはり、このため…

銀河の外れの町で

うむ。 平日、天気がよさそうだったの撮影に行ってきた一枚をアップ。この日は、平日ということを…忘れたわけでもないのに、実にナチュラルに全力で夜中まで、撮り切ってしまった、という。 しかし、また、台風が来て、天気が長期で崩れそうですね。平日行っ…

【書評】進化の法則は北極のサメが知っていた

法則。 生物学において、法則と呼べるものはほとんどない、と著者は指摘する。 著者は生態学者として、北極のニシオンデンザメ、南極のアデリーペンギン、オーストラリアのホオジロザメなど、世界各地で野生動物に小型の計測計を取り付けるバイオロギングと…

【書評】「盛り」の誕生

日本の女の子の間に、発生した「盛り」という行為。 プリクラやアプリなどで目を大きく加工した写真、多くの人が見たことがあるだろう「盛り」。 本書では、「盛り」を 一九九〇年代半ば以降のデジタルテクノロジーの発展により出現した「バーチャル空間」に…

レンズを見比べて星像の基準を知る

さて。梅雨になる前に撮らないといけないと思いつつ、今は、月が大きい。 ホタルと星を今年も狙わないといけない。昨日、(軽くのつもりだったのに全然軽くない)偵察に行ってきたところホタル飛び始めていますね。 うーむ。まあ、とりあえず、一枚、さそり…

【書評】ヒトはなぜ宇宙に魅かれるのか

「天からの文を読み解く」との副題がつけられた本書は、最も古い学問のひとつとしての「天文学」が、その長い歴史の中でヒトをどう変え、そしてどう変えようとしているのかを、わかりやすく解き明かす。 天文学の歴史を踏まえつつ、最新の宇宙探査や開発の発…

宙に散る花(兼【書評】ファースト・マン 上/下)

うーむ。 よしよし。 一日、一日と2/22が近づいてくる。 静かにカウントダウンだな。 というわけで、通常更新です。今回は書評も兼ねています。 宙に散る花 PENTAX KP レンズ smc DA 35mm 焦点距離35mm ISO2500 SS20秒 F2.4 アストロトレーサー使用 2019.2.1…

【書評】世界を変えた50人の女性科学者たち

ホモ・サピエンスとしての人類の歴史は、科学の歴史であるといっても過言ではない。この世界をよりよく理解しようという渇望にもにた欲求が、歴史を前へ前へと進めてきた。 その科学の世界から、女性が排除されていた時代というのは、それほど昔のことではな…

【書評】太陽系外惑星に生命を探せ

先日、オーテピアに入っている高知みらい科学館にて、理論物理学者の観山正見さん(元国立天文台台長)を招いて「宇宙に生命をさがす」と題したサイエンスカフェが開かれました。 このエントリーの表題の本は、観山さんが、2002年に書いたもので、その時点で…

【書評】日本の星名事典

星に名前をつけるという行為は、古今東西、人類の文化の中に深く根を張っている。この地球にまったく星が見えないという土地はない。 星の名には人が、自然と、そして人と関わり合いながら紡いできた暮らしのありようが刻まれている。星の名を知るということ…

星景サルベージその45 「おかえり、人類。」

うーむ。 災害列島・日本。本当に災害が続きますね。今度は、北海道で強い地震。道内全域で停電という未曽有の事態です。お亡くなりになった方々に心からの哀悼の意を表します。 本当に、この多発するありとあらゆる種類の災害へ、どう対応していくのか、日…

2018年下鴨納涼古本まつりにて

というわけで。 前回の記事でも書いたように、この間、京都へ行ってまいりました。 夏の京都は暑かった。 高知も南国土佐といわれるだけあって暑いとは思うんですけど、京都、さすがは盆地というべきか、何か質の違う暑さですね。 そして、夏の京都といえば…

【書評】時空のさざなみ 重力波天文学の夜明け

GW150914。 史上初めて、直接とらえられた重力波は、その歴史的・物理学的な重要性に比して、あまりに記号的な名称を与えられている。 2015年9月14日、アメリカのLIGO(レーザー干渉計型重力波天文台)が、かすかな時空のゆがみを検出して、新しい天文学の…

【書評】宇宙に命はあるのか 人類が旅した 一千億分の八

宇宙に生命を探すことは、人類のはてなき夢である。 この夢を現実にするために人類が歩んできた宇宙探査の歴史を、著者独自の視点で振り返り、未来を展望する。 この本は、NASAのJPL(ジェット推進研究所)で、火星ローバーの開発に携わるという、宇宙探査の…

【書評】偉大なる宇宙の物語 なぜ私たちはここにいるのか

「この世界はいかにして在るのか」。 この根源的な問いの答えを人類は探し求めてきた。 そして、たどり着いたひとつの到達点が素粒子物理学の「標準模型」という理論だ。 本書は、この「標準模型」がどのような道のりをたどって作り上げられたのか、物理学の…

【書評】科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?

地球外に生命を探す「アストロバイオロジー」(宇宙生物学)の分野が、今、盛り上がっている(ような気がする)。 本書は、そのアストロバイオロジーにかかわる研究者18人に、1、研究内容について、2、「生命の定義」について、3、地球生命はどこから来た…