うむ。実は、この週末、昨年の夏に行きそびれた京都にいっておりまして。
昨年の夏の古本市に行けなかったのが、心残りだったので、今回は、古書店=古本屋を中心に、まわってみました。
(去年のお盆休みに、コロナを患った記事。家族が京都に行く中、私は家で高熱にうなされていた…!)
いや、しかし、京都には古書店が非常に多い。大学などの教育機関が多いことも関係があるのかもしれません。
この日経の記事では、人口当たりの古書店数の多さが書かれています。
現在、丸太町通にあった古書店街は姿を消し、古書店は三条―四条間、寺町通、京大付近に分散している。だが古書籍商業協同組合の加盟店(2019年)から人口10万人あたりの古書店数(新古書店を除く)を算出すると京都市は7.3店で、東京23区の5.0店、大阪市の3.6店、神戸市の2.8店を上回って全国最多だ。
記事から引用すると、こういう感じです。ちなみに2020年の記事。
つまり、古書店は多いのだが、京都市内に分散しており、回ろうと思うと結構大変ということ。
古書店めぐり
行った順番で、書いていきましょう。
実は、今回は、予算の制約もあり、1冊800円以内という縛りで、それより高い本は泣く泣くスルーするという方針で行きました。
どう考えても、年始から、矢継ぎ早に本を入手しまくっていて、ちょっと、昨年からの本入手モードが抜けてない(志賀理江子氏の「螺旋海岸 notebook」をゲットした話はこちらではしてないですね。いずれします(笑))ので、少しずつ、ペースダウンしていかないといけないのです。
吉岡書店
まずは、京都大学の北側に位置する吉岡書店さん。
写真を見てわかるように、別の用事をしていて、すでに日が落ちております。
古書店は、大体お昼ぐらいに開いて、18時くらいには閉まるというお店が多い。
この吉岡書店さんも、閉まり際に滑り込んだ形。なので、実は1日目は、こちらにしかいけていない。
吉岡書店さんは、昔からある(であろう)古書店という感じで、よく整理されていて、ジャンル別に探せる感じでした。京都大学に近いということで、結構、しっかり目の本(と言って伝わるだろうか。ハードカバーの哲学書とか)も多し。
この隣に、姉妹店があり、岩波文庫はそちらに多いという案内を見て、移動。
そして、今回、一冊目の本をゲット。
ベラ・バラージュ「視覚的人間」の文庫本。写真論ではなく、映画論ですが、以前、図書館で借りたものの、全部読み通せていないので、いい機会と思いゲットしました。
マヤルカ古書店
日を改めて、2軒目は、マヤルカ古書店さん。
うーむ。この店構えが良い感じですね。
ここは新しい古書店さんなのかもしれない。アート系の図録や画集、写真集なども多く、かなり目移りをしましたが、書いたように、今回は、予算上限設定があり、泣く泣く諦めた本も。ここだったかな、アンドレ・ブルトンの「シュルレアリスム宣言」の良い感じの雰囲気の版のがあったのですが…。(実は、その後、別の版のシュルレアリスム宣言にも出会う。そちらも良かった)
店内は、こじんまりとはしていますが、ぐるっと本棚が囲み、中心に本棚の島があるという感じで、この本との距離感が心地よい。そして、リュックを背負っていては身体を回転できない(笑)
長島有里枝「背中の記憶」をゲット。フェミニズムなどがまとめられた棚に入っていました。2024年バージョンのしおりもいただきました。
文庫版になっているので、いつか買いたかったのですが、ハードカバー版で手に入りました。
長島さんと言えば、「女の子写真」を巡る言説を批判的に語り直したこちらの本もおすすめ。
アリバイブックス
次は、アリバイブックスさん。
どの古本屋さんもですが、外にワゴンセールをやっていて、こういうので、ディグるのも良いのですが、やはり、古本屋を訪ね歩くという趣旨なので、まずは、入ってみないといけない。
外から見えるところに置いている本なども、その店の雰囲気をつくるのに一役買っていますね。
こちらは、スッキリした店内で、スペースを広めにとってあり、本を見やすかったです。こちらもアート系多し。
私の目で見ると、小説やフィクション系が詳しくなく、あまり、わからないのですよね。逆にサイエンスノンフィクションや、社会学・人文学系、写真系、写真論系はよく目に入ります。
大島洋「写真幻論」をゲット。大島洋さんの本は、以前、「アジェのパリ」という、大島さんが、アジェの写真を見ながらその場所を撮り歩くという、面白い一冊を読んだことがある。こちらでも、しおりをいただきました。
萩書房
そして、萩書房さん。
こちら、実は、私は隠れ常連で、今回、ご店主に初めて話しかけたのですが、もう、4~5回は行っていると思います。
商店街の中にある、商店街になじんだ古書店。お話では、創業37年とのこと。
前回、京都に行った時も行ったので、前回の京都がいつだったか、思い出せないのですが、昨年夏はいけていないので、一昨年の夏だったか…。いや、…ということは、夏の古本市があって、そちらに萩書房さんも出店していたと思うので、前回は店舗には行ってないのか?
と記憶を手繰っているのは、実は、今回久しぶりに訪れたら、店内が、模様替えされていて、両サイドに本棚、真ん中に目線を遮らない高さの本の島という感じに整理されていました。ご店主に聞くと、コロナ禍で、お客さんが途絶えた時期に模様替えをしたようです。(ということは…2020年くらいに最後にいったのか?いや…?)
こちらは、SF系も多いし、サイエンスノンフィクションもありますし、アート系もあるという感じ。予算さえあれば、結構、選書のジャンルがはまっています。
萩書房さんの看板は、個性的。
以前は違うポーズのものだったのですが、この看板もずっとあるものらしい。古書店あるあるで、結構、古書店に初めて入るのにはちょっとだけ勇気がいるのですが、良いポーズで「心配御無よう」と言っているので、心配は無用です。
もう一冊別のと迷ったんですが、ダーウィンの「ミミズと土」をゲット。萩書房の名前入りカードももらいました。この「ミミズと土」は、以前、アフォーダンスの本を読んだ時に、ミミズの知性の話で出てきた奴ですね。出会うねぇ。こういう本のつながりは、嬉しい。
その時の記事。
紫陽書院
そして、一旦、休憩を挟んでの、紫陽書院さん。
実は、この時点で、かなりタイムリミットが近づいておりまして、相当急いで店内をまわりました。
こちらも図録など多く、もっとゆっくりみたら、掘り出し物があったかもしれませんが、いわゆる、古書店然としたたたずまいで、良い感じでした。
ワゴンセールの並べ方とかにも個性が出ますよね。時間があれば、この店先で一通りディグってから入るんですが、そんな時間はなかった。
今度、もっとゆっくりいきたいですね。
多木浩二「ヌード写真」をゲット。多木浩二じゃん!という感じで、スパンと目に入ってきたので、即決。お値段もリーズナブルでした。
欧文堂
欧文堂さん。
ここについた時点で、すでに、時間は残りほぼなし。すぐに出ないと、予定に間に合わないという感じでしたが、とりあえず、ぐるりと店内を一周してきました。
ここは、本がぎっしりつまった通路狭めの店舗で、これぞ古本屋という店構え。本当に時間切れで、ここでは、本ゲットならず。こんど、もう一度チャレンジしてみます。
実は、まじで時間がないので、「古書店の街を歩く」というタイトルの記事ではありますが、前の紫陽書院さんに来る前に、京都市内のシェアサイクルを急遽登録して、移動スピードを上げていました。徒歩では間に合わぬ!(急ぎ過ぎて、初回無料のクーポンが来てたのに気づかなかった)
余談ですが、京都市内は、自転車通行帯も車道に書いてあり、自転車で走りやすい街です。ただ、シェアサイクルのお値段は少しお高めか。というか、シェアサイクルを本屋の前に駐輪せず、一旦返して、また借りるという方式が正しい使用法なんだと思う。
でも、時間がなかったからな!次のために、覚えておこう。
絵本のこたち
そして、再び日を改め、最後に絵本のこたちさんへ。ここは古書店ではなく、新刊本を置いています。
実は、ここには、京都を訪れるたびに行きたいなあ、と思っていたのですが、いままでタイミングが合わずに来れていませんでした。ようやく、念願かなって、訪れることができました。
店内は、民家を改装した形で、昔ながらのいわゆる土間があり、靴を脱いで上に上がるスタイル。ミニチュア模型の展示や、季節がら節分のコーナーもあり、子どもはそちらの方に興味津々でした。
「絵本の」というお名前通り、絵本のラインナップ、児童文学などはもちろん多いのは当然ですが、ジェンダーやフェミニズムを扱ったもの、社会学・人文学系、平和についての本など、セレクトされていて、大人も楽しめる非常にここちよい空間。
また、寄らせてもらいたいです。
ここでは、斎藤幸平「マルクス解体」をゲット。しかも残り一冊のサイン本。最高!
当然、800円の縛りはなかったものに(何のルールだったの??)。というか、もう、いや、これは、一期一会で私を待っていた本でしょう?本が「買ってくれ」と言っていた(多分)。
ということで3日の滞在で、京都の古書店+新刊書店さんをまわってきました。
いやー、全然、周り切らない。
また、古本まつりにも行きたいですが、この自分から古書店に飛び込んでいくスタイルも最高に面白いですね。
さあ、読まねば。
ではまた。
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