シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

レンズを見比べて星像の基準を知る

さて。梅雨になる前に撮らないといけないと思いつつ、今は、月が大きい。

ホタルと星を今年も狙わないといけない。昨日、(軽くのつもりだったのに全然軽くない)偵察に行ってきたところホタル飛び始めていますね。f:id:shironagassu:20190521210453j:plain

 うーむ。まあ、とりあえず、一枚、さそり座と木星の出をのせておきましょうか。

 

良い星像の条件

さて、さっそく表題の件ですが、星空撮影における良い星像の基準とは、どんなものだろうかとずっと気になりながら、手元にあるレンズで撮り続けているわけですが…。

前から読みたかった一冊「星空撮影&夜景撮影のための写真レンズ・星空実写カタログ」をようやく見ることができまして、その感想がてらレンズへの雑感を書いておきたい。私も限られたレンズでしか星空を撮っていないので、こういう本で、良い星像の基準が見られるのはありがたい。というか、ほとんどの人が自分の持っている限られたレンズでしか撮りませんよね。無限にレンズが持てるわけではないし。だから、こういう企画の本は面白いです。

残念ながら、2月に発売したばかりの11-18mmは、この本には載っていなかった。こわごわですが、評価を見て見たかったような、…なくて、まあ無駄に緊張しなくてよかったような…。

 

うむ。では、私が、いくつか気になったレンズを、(PENTAX・Kマウント版がないのが多いけど、)ピックアップして、残しておきたいと思います。

大体、どのレンズも真ん中の星像は比較的良いわけです。そうなると、周辺部の星像がどうなるか、というのが、星撮影に向いているかどうかのひとつの基準になります。

スターテストは、レンズの光学系に実に厳しい試練となりますね。逆に言えば、端まで星像が良いレンズというのは、収差が抑えられているわけで、やはり日常的に使っても良い結果を出せそうですね。

 

そして、ひとつ安心したのは、広角レンズで、開放からコマ収差がないというレンズは(この本を見る限りは)ないということ。安心した。世の中そんな甘くない。

ただ、F2.8に「絞った」時に、ほぼコマ収差を消してくる広角レンズはあるんだなということ。うーむ。

 

レンズ・ピックアップ 

105のレンズが居並ぶ中、まずは、一番、こいつはやばいなと思ったレンズ。

カールツァイス Otus 1.4/28 ZE。やばい。

F1.4開放のレンズ、28mmなので「超広角」とは言えませんが、それでもフルサイズ用なので充分広角の範疇でしょう。

これがF1.4だとさすがにコマ収差があるんですが、F2.8に絞った時に、中心から端っこまで、完全に星像が丸くなる。丸いというか、本の中でも書かれていますが、針でついたような鋭い星像が中心から端まで続くという恐ろしいレンズ。当然、色収差なんてものは皆無。

そして、値段も50万円をゆうにこえてきて、げに恐ろしい。こうなると、Kマウント版がなくて助かった(笑)いや、いくつかKマウント版のツァイスはあるにはありますが、もうディスコンですね。デッドストックはどこかにありそうですが。

しかし、何にせよ、ここが、最高峰ですね。なるほど、これは覚えておこう。

ツァイス…最高峰…。

 

そして、現実的に、Kマウント版が欲しいなあ、と思わされたレンズは、これ。

シグマ  14mm F1.8 DG HSM Art

これも開放F1.8では、コマ収差がありますが、やはりF2.8に絞った時には、端まで星像が安定して、素晴らしい画質になる。

これは、欲しいなあ。値段もさっきのツァイスほど無茶なことはいわない。

しかし、シグマももう長いことKマウント版のレンズは出してくれてない。無念。

良いレンズだ。

 

あと、D FA15-30mmがなかなか良い。ズームレンズとしては、トップクラスの出来ですね。画角を調整できるというのは三脚に据える風景撮影では、アドバンテージになりえます。

正式には、HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR。か。

値段も改めて見るとやはりそこそこしますが、これとK-1(無印なら)という選択肢は私の中にもありえたかもしれないという意味で、ずっと大変気になってきたレンズでもありました。今回、じっくり星像が見れたのは良かった。

タムロンの15-30mmと基本設計は同じだといわれていますが、この本だと、なぜかPENTAX版の方が性能が良い。レンズの個体差かもしれませんね。

逆に、タムロンと同設計といわれるもう一つのレンズD FA24-70mmの方はタムロン版の方が良かったので。

 

APS-C用でいくとFIJIFILMの、XF16-55mm F2.8 R LM WR、がなかなか良い。

F2.8開放のレンズですが、開放からなかなか端までシャープな星像をたたき出してきます。35mm換算で24mmの広角で、かつズームで、この星像ならなかなか良いですね。お値段もまあ安くはないですが、高すぎるということもない。

 

TOKINA AT-X 14-20 F2 PRO DXというのも良いですね。

値段もちょっと、お手頃感が出てきました。このレンズもF2.8まで絞った時に、真価を発揮してくるタイプ。というか、世のレンズはどうもF2.8より明るいのは星を撮るという条件下ではベストの結果にはなりづらいようです。どうしても端の星像が崩れる。あのツァイスですら。

 

あとマイクロフォーサーズのレンズでもいくつか、面白そうなのがあったので、ぜひ、この本、見てみてください。なかなか、詳しく分析してくれていて星撮影をするなら勉強になる一冊です。

 

で、意外な評価をもらっていたのが、私も愛用するHD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited。星空風景撮影旅行などに好適とあります。なるほどそうか。そう来たか、なるほど。一本取られた。というのが正直な気持ち。

確かに、F4と暗めで、コマ収差も出るんですが、何より代えがたいのは35mm換算23mmの広角でありながら、ありえないほどのコンパクトさ。実に200gを切る。

この前、関西に行ったときに、星撮り用装備は重いので、置いて行ったんですよね。しかし、確かにこのレンズは持って行った。ならば、ミニ三脚も忍ばせておいて、何かしら星を撮ってしまえばよかったなと。

KPならカメラ内比較明もできるので、関西の明るい空でも星を撮ろうと思えば撮れた。

これは盲点を突かれた。

今度から、適材適所で、でもやっぱり旅先で星空を撮る一手を講じるようにしましょう。せっかくこのレンズ手元に残したので。

11-18mmばかりにこだわるのもそれはそれで面白くない。

 

うん。で、全体を見て、11-18mmを本の基準に照らして評価してみると。うーん。まあ、4スミのコマ収差はあるんですよね。あるんですけど、よく集光していて、星像の甘さはないので、まあいい線いってるんじゃないのかなという感触…。特に12mmは。11mmは闇の力なので、まあ、気合を入れて使いこなさないといけません。トップクラスのレンズたちと比べても、18mm側はなかなかのものとも思います。

shironagassu.hatenablog.com

 

と、とりあえず、機材のお話をして場をつなぐ。

撮りにいかねば。

しかし、また忙しくなってきております。がんばろう。

どうせ撮るのは夜だし、特に夜中なら関係ない。次の日が…まあ…ねえ。

アジサイがもう少しで咲くかなぁ。いかねば。

 

ではまた。


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