うむ。
星ばかり撮り続ける私が、レンズを無理やり星用としてレビューするコーナー。
今回は、第3弾ということで。
HD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limitedについて。
目次
公式ページ
まずは、公式ページを引用しておきましょう。
今年7月頭に買ったこのレンズ。
上の公式ページから一部引用してみると…
非球面レンズ、特殊低分散ガラスを使用して歪曲収差や色収差を補正。シャープな描写の超広角レンズです。第1レンズ前面の曲率を抑え、円偏光フィルターに対応。スライド伸縮式の花形フードを内蔵しています。
となっています。
収差が抑えられていること、シャープな描写というのは、HDコーティングによるコントラストの高さやヌケの良さのことでしょうか。それとも解像のことでしょうか…?
円偏光フィルターのことも書いているので、風景撮影を念頭につくられていることがわかります。画角は86度です。
この4か月間、謎の執着心をもって、このレンズを使い続けてきたので、そろそろ記事をかけそうな気がしてきたのです…。
先に購入していたタムキューやDA35の方から書けるようになるかと思いましたが、しばらくこの15リミばかり使ったのでこちらの方が先にデータがそろいました。ということで、いってみますか…。
星撮影用としてのHD15リミテッド
PENTAX APS-Cの広角本命レンズは来年(2019年)発売が予定されている11-18mmなわけですけど、それまで手元に広角レンズがないのもなんとも寂しいなと思い、11-18資金を取り崩して買ったレンズ。(サムヤンの14mmを持っていたのですが、岩場でこけて砕いたという失敗談があります……それ以来広角レンズがなかった…)11-18、まじでいつ出るかわかりませんからね…!
そもそも中古で買えばよかったのに、探しても中古は黒しかなくて、KPとの兼ね合いから銀が欲しいという物欲の極みから、明らかに予算オーバーしつつ買ってしまったという経過も含めて、なんかもう買ってしまったので、使い倒すしかないというか…。私が使うということは、星を撮るということとほぼイコールなので…。
このレンズを買って以来、やたら星撮りに使い続けてきました。
長所
なので、まずは長所についていってみましょう。
①無類のコンパクトネス
長さ40mm足らず、重さは189gという、15㎜(換算23mm)の広角としては、冗談みたいにコンパクトなレンズ。
コンパクトであることの利点は、いつでも持っていけるという点。
持っていけるからこそ撮れる写真がある。持っていかなければ、撮れない。当たり前だけど、非常に重要な点です。ということで、この点は明確な長所。
特に、星景撮影は、三脚やら何やらと荷物がどうしても多くなるので、少しでも小さくて軽いということは、疑いようもなくメリットなのです。
②周辺減光
このレンズは、開放で撮ると強く周辺減光が出ます。これは短所でもあるんですが、非常に特徴的な部分ではあるので、それを理解して使えば長所にもなる。まあ、短所のところでも周辺減光について書くんですけど…。
強い周辺減光の何が良いのかというと、やはり、上の写真のように、ど真ん中に被写体を置いた時、トンネル効果的な視線集中が促されるという点。視線が集中するということは、一つの強みになるとは思います。
特に星景写真は、全体としては暗いトーンの写真が多くなるので、周辺減光はその暗いトーンを補強・強調してくれるとも言えて、それもまた雰囲気づくりにはありです。
周辺減光を嫌うなら(嫌う場合が多いかもしれませんが)、F5.6くらいに一段絞って使ってみるのも良いでしょう。多少軽減されます。
参考画像
上がF5.6で、下が開放F4。だいぶ周辺減光の具合が違う。というか、開放F4の減光が、ご覧の通りめっちゃ強い。
③フィルター径
49㎜のフィルター径は、Kマウントでは共用できるレンズが多いというのもありプラス評価です。私が持っているのだと、DA35mmと共通の径なので、ソフトフィルターの使いまわしができるのは良いですね。あと径が小さいので、比較的フィルターが安い。
④光芒が比較的きれい
絞り羽7枚で、光源を撮ると14本の光芒が出ます。ウニウニ。夜景と合わせての星景撮影時に、面白い効果が出せます。この場合、少し絞る必要がありますね。
でも、本当は、HD版にリニューアルされる前のsmc版の方が光芒はきれいらしい、のですが。
⑤歪みが少ない
歪み=歪曲が少なく、直線は直線で写る。人工的な建物と星を撮るのに向いています。
このレンズで、都市星景などを撮るのは面白いかもしれません。特に都市星景だと(地上が明るいので)必ずしも開放を使わなくていい(かもしれない)とも言えるので、F5.6程度で運用することで描写性能を上げることも可能です。
また逆にパースペクティブを効かせた撮り方もできる。
本当は純正なら12-24というもっとパースペクティブが強く出せるレンズがあるのですが、まあ、なぜか15リミテッドを買ってしまったので。
ただ、以前記事にもしましたが、構図微調整機能を使い、疑似的にシフト撮影することにより、このパースペクティブを強調することも可能です。(この機能で、強調しないことも可能なはずですが、現時点でうまくいってません…)
ただ、強烈なパースペクティブについては、本格的には、やっぱり11-18待ちですね。
⑥色収差はほぼない
色収差は、開放から気になることはほぼありません。
この点はプラス。
長所は、こんなところでしょうか。意外といろいろあったな、というのが率直な印象。もっと苦戦するかと思っていました。
写りに関しては、Limitedレンズらしい質の高い描写をしてくれます。不満はありません。
短所
では、短所に行きましょう。
①コマ収差
コマ収差は出ます。
周辺部分に明るい星を置くのは避けたいところです。
この写真は、ベガとアルタイルが写ってますが、星が細長くなってしまっています。
コマ収差の影響と、加えて広角レンズの端の光は斜めに入射してくるようで、特にソフトフィルターを付けると伸びます。
この写真は後者の影響の方が強いかもしれません。
②暗さ
開放F4というのは、やはり星を撮るには暗い。しかも、強く周辺減光が出るので、それを避けるならF5.6くらいまで絞る必要が出てくる。
開放F値が、暗いのは、明るいよりも、やはり制約が出てきます。
が、アストロトレーサーとKPの高感度の合わせ技でなんとかいけているというところです。
上のは小さな流星が写りましたが、なるべく明るさが求められる流星撮影用としても微妙ですね。
天の川のコントラストを出すのも、なぜかどうも苦手ですね。
③周辺減光
いやあ、周辺減光がとにかく強い。良くも悪くもこのレンズの強い特徴ですね。
さらに、これをLightroomで補正してしまうと、周辺が暗すぎて情報が足りないのか、過補正になって、その周辺部分だけ明るくなりすぎるということが起こります。
なので、あきらめて、周辺減光は基本的に生かす方向で頑張るしかない。
④組み込み式フード
組み込み式フードは、見た目もかっこいいし、普段使う分には取り付けの手間もなく便利なんですが、これが組み込まれていることで、フィルターワークが若干しづらい。
このフードが、干渉してステップアップリングなどもつけられないので、その点マイナスですね。
私は、一枚保護フィルターをかましてからステップアップリングを使ったりしますが、それはそれで、今度はケラれの可能性が強く出てきます。うーむ。
⑤逆光耐性
基本的に逆光耐性に定評あるHDコーティングなので、正面からの逆光には強いのですが、斜めから入ってくる強い光に対しては、どうしてもゴーストが出てしまいます。これは…広角の宿命か。
ここら辺は、撮影ポイントを調整しながら気を付けて撮るしかない。斜めの光に弱い…。
といったところでしょうか。
総評とギャラリー
やはり最大の欠点は、星景用としては、暗いということ。あえて、これで星景を撮らないといけないのか、というと、無理はするもんじゃないと。
ただ、撮ろうと思えば撮れるし、色々な特徴を踏まえて使えばLimitedらしい、芯のあるけど硬すぎない質の高い描写が出せて、それはそれで良い。
謎のこだわりをもってこれで星景を撮るというのも、お勧めはしないけど、ありなんじゃないでしょうか。いや、どうなんだろう…まあ皆さんの判断に任せます。
ただ、星景の写りとは何の関係もありませんが、見た目は非常にかっこいいレンズなので、その点は満足しています。
ということで星撮影用としての15リミでした。
ではまた。
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中古がなぜか黒しか出回っていない…。
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