シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

HD FA Limitedシリーズ フリートライアル感想 後編

というわけで、前回に引き続きHD FA Limitedのフリートライアル感想、後編です。

 

今回は、FA 43mm、77mmの使用感について。

 

焦点距離が違うので、当たり前ですが、それぞれに特徴が違い、撮る被写体も変わってくる気がします。

 

 

HD PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited

実は、Limitedレンズには、それぞれ、キャッチフレーズというか、コンセプトを一言で表した言葉がついているのですが、43mmは、「人の目で見たままを写す」。35mm判フィルムの対角長が43mmなので、真の標準レンズとして、この焦点距離になっているようです。

APS-Cで使うと66mmという聞いたこともない焦点距離になるのですが、この「人の目で見たままを写す」という特徴は、残っているようでした。

 

エアコンの上に落ちる植物のツルの影

良い影の出方をする。

 

水路に映る青空

まさに標準レンズという感じの一枚。

誇張やデフォルメはなく、見たままという感じ。

 

たばこ屋の看板に電柱の影が落ちる

 

青空と建物

こういう風に少し離れた被写体を撮るのも相性が良いように思います。

パンフォーカスで非常にミニマルな印象で撮ることができます。

パンケーキレンズと言われるほど小さいので、携帯性は非常に良いですね。43mmはスナップレンズとしてはベストかもしれない。

 

夕方の光に照らされる狛犬

光の当たった場所と、影のコントラストを印象的に描いてくれます。

 

薄緑色のあじさいの花

壁に映った撮影者の影

スクエアにしたくなる写真。標準レンズだからこそ奇をてらわず、中心に被写体を持ってきて、シンプルに構成するのも、それはそれでよい。

 

HD FA43mmの感想

HD FA43mmの感想は、キャッチフレーズそのままに、確かに日常をそのまま切り取れるスナップレンズという感じです。

実は、今回借りたHD FA Limitedシリーズの中で、一番、私と相性が良さそうだったのは、この43mmでした。

とにかく、自分の撮りたい距離感で撮れる。被写体との距離感。これは人それぞれでしょうけど、踏み込み過ぎず、かといってどこかに注目するということでもなく、フラットに撮れる気がします。それは、ともすれば散漫な写真になるんだろうと思うのですが、そこはLimitedレンズ、立体感やディテールはしっかり描写してくれるので、「良い感じ」の雰囲気をまとってくれます。

 

HD PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited

そして、77mm。これのキャッチフレーズは、「“白いワイシャツの貝ボタンの輝き”を描き出す」。なんだそれは、ということなのですが、ハイライトの描写に特徴があるんでしょうか。ワイシャツという表現からもポートレートを想定しているようですね。(そんな写真はあまり撮ってないのだけど)

 

赤い花とアリ

赤い花、アリが歩いているのが見えます。

実は、43mmの後、77mmを試すと、被写体との距離感がだいぶ変わってしまい、しばし、適応するのに時間を要しました。

最終的に、何か、中心的な被写体を決めて、フォーカスすることで、解決。

これは、花ですね。

本当は、やはりポートレート撮影等に好適なのだろうと思います。

 

葉のボケ

77mmという中望遠(APS-Cだと118mm)の上、開放F値も明るいので、良くボケます。絞りをこのボケ量のコントロールに使わないといけないですね。

これはF2.5。

 

射的をする親子

射的をする親子?かな。銃と指先のところにピントが合い、あとはなだらかにアウトフォーカス。

 

犬を連れて日曜市を歩く女性

蓋を開けようとする店員

芋天のお店で、芋を上げる男性

荷物を運ぶ宅配業者の女性

いつもは、DA70mmでMarketシリーズとして撮っている日曜市へも行っていました。

その時々で、テーマを決めて撮るのですが、今回は、"Person"でした。

これは77mmの性格とも合っていたようで、撮りやすかったです。

 

HD FA77mmの感想

HD FA77mmの感想。

ある程度、被写体を決めて、そこにフォーカスするような使い方が良い気がします。

被写体を浮き上がらす意味で、どこまでぼかすかというのも重要かもしれません。

開放だと大きくボケるので、そこをマキシマムとして、どのあたりのボケが良いのか絞りを変えて何パターンか抑えておくと、良いのかも。

私は、しかし、今回は、基本的にすべてプログラムモード(P)で撮っています。

カメラ任せでした。ここら辺、慣れて特徴を掴めれば、絞り優先モード(Av)で、絞りを変えながら撮るのが面白そうですね。

 

うむうむ。

3本のHD FA Limitedシリーズ、じっくり試せて良かったです。

どれも、それぞれ個性のあるレンズで、面白かったです。

光の特性を生かし描写することで空気感を演出する31mm。

対日常用スナップレンズで、アンチクライマックスな43mm。

被写体を決め主役を浮かび上がらせる77mm。

と、私としては3レンズの個性をこのようにまとめさせていただきましょう。

 

ではまた。

 

 

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