シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

カノープスと天文台

さて。

この月のない週末、高知県は、良く晴れまして、一晩は撮影に、一晩は、芸西村にある天文学習館へ行ってきました。天文教室の一参加者として。

実は、いつかは行かねばとは思いつつ、芸西天文台を訪れるのは初めてでした。レジェンダリーコメットハンター関勉が観測をする施設としても有名ですね。

詣でるような感覚で、行ってまいりました。初詣(?)。

 

芸西天文台

f:id:shironagassu:20210315200427j:plain

外観。

ふむふむ。ステンレス製のドームが輝いています。

この日は、芸西天文学習館での星空観察会がありまして、まず室内で、季節の星空などの説明を受けてから、こちらの天文台で、色々な天体を眼視させてもらいました。

 

そして、内観。

f:id:shironagassu:20210315201026j:plain

芸西天文台の主鏡となる70cm反射経緯儀式望遠鏡

平成20年にこの望遠鏡が入ったとのこと。

大きな望遠鏡というのは、それだけでロマンを感じますね。私は、星はもっぱら星景写真を撮るばかりで、望遠鏡ではあまり見ないのですが、望遠鏡で宇宙を覗くというのは、本当に面白い経験だと思います。人類は、星とともに生きてきたと思うんですが、この先も、星を見ることは続いていくんだろうと…。

ドームが、ガコンガコンと音を立てて動くのも、メカ感があって、良かった。

この日は、子どもたちの参加も多く、子どもたちも楽しそうに望遠鏡をのぞいていたのが印象的でした。私は、ただの一参加者だったんですが、星を撮り続ける一人として、星に興味を持ってもらうのは嬉しいな、と密かにほほえましく見ていました。

 

f:id:shironagassu:20210315201508j:plain

芸西天文台と、星空。10分間だけ比較明合成してみました。

この日は、望遠鏡で星空を見るのと合わせて、カノープスを見ようという触れ込みだったのですが、あいにくと水平線のあたりが霞んでいて、肉眼では大変見えづらい状態でした。

一応、双眼鏡では見えたので、撮ってみたら、写真では写りましたね。おそらく、カノープスは、これ(矢印のところ)のはず。

最初、一枚撮りでカノープス天文台を撮ろうとしたんですが、あまりにかすかなので、急遽比較明に。

参加されている方々が動いた様子も写って、なんとなく臨場感があり、これもこれで、その場の雰囲気を伝えるにはありな写真ですね。

 

私自身は、この時期(3月)に、カノープス見るのは、初めてかもしれません。

行動パターンが、夜型を通り越して夜中型なので、20時くらいの時間帯に星撮影に出ていることは実はまれなんですね。

なので、カノープスといえば、冬場の夜中というのが相場でした。

 

カノープスは、南風が良く吹き、海上の雲が吹き飛ばされるような日に、よく見えるとのことで、これが見えると南風の影響を受けて天候が崩れると言われています。なので、漁師は、カノープスが見えると漁をやめて戻ってくる、という話があるとか。(北尾浩一著「日本の星名事典」より)

 

統計的に本当にそうなのかは、よくわかりませんが、漁師の知恵ですね。生業と結びついたこういう星の伝承が、たくさんおさめられている前述の本は、非常にお勧めです。

手元に置いておきたい一冊。

 

 

ということで、初めて芸西天文台を訪ねた話でした。

いやー、行けて良かった。うむうむ。

f:id:shironagassu:20210315203709j:plain

学習館の中には、関勉氏が撮った写真もいろいろと飾られていました。

定期的に星空観察会が開かれていますので、チェックして参加してみてください。

www.kochi-bunkyo.org

 

ではまた。

 

 

にほんブログ村 写真ブログ 星景写真へ
にほんブログ村


星景写真ランキング