シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

第三の撮影法・20分長秒露光についての覚書

うむうむ。

忙しいです。

 

まあ、さておき。忙しさはどうにもならないのでおいておこう。

今日は、私の星景撮影第三の撮影法、20分長秒露光についての覚書を書いておきたいと思います。

 

20分長秒露光

とりあえず、長秒2枚と、普通の1枚。

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PENTAX KP レンズ HD DA☆11-18mm アストロズーム 焦点距離14mm

ISO100 SS1200秒 F2.8 

2019.11.1 高知県須崎市にて

(14mm、フルフレーム換算で21mmの画角で、オリオンにフォーカスしています)

 

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PENTAX KP レンズ HD DA☆11-18mm アストロズーム 焦点距離11mm

ISO100 SS1200秒 F4 

2019.11.1 高知県須崎市にて

(こちらは、11mmめいっぱいの広角、星の軌跡が離れていくように見えます。なお、これ撮影して気づいたんですが、これ23:59と記録があって、なるほど、シャッター開始した時間が記録されるんですね、終わった時ではないようです。)

 

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PENTAX KP レンズ HD DA☆11-18mm アストロズーム 焦点距離11mm

ISO4000 SS30秒 F4 

2019.11.1 高知県須崎市にて

(こちらが上のを撮影する直前に構図確認も含め撮った奴)

 

というわけで、長秒露光。

私は20分=1200秒で撮ることにしているわけですが、これは、外付けタイマー等なしに、KP本体で露光できる最長タイマー時間が20分なのが、大きな理由です。

ですが、20分間、星を流すと意外に長く描写されるので、まあ良いかな、と。

 

この20分長秒露光を私の第三の撮影法に位置付けたい、と。

いや、これまでもちょくちょく撮ってきたんですが、意識化するためにもブログでまとめておこうかと思い至りました。

 

なぜ、第三なのかというと、すでに二つの撮影法を使っているからなのですが…。

1つ目は、「ほぼ固定撮影」。

これは、アストロトレーサーを使い、固定撮影に近い秒数の露光をすることで、地上部のブレを抑えながら、星追尾させるという撮り方です。なので完全には固定撮影ではない「ほぼ固定撮影」。基本的にこれが、一番撮影枚数としては多い、基本技になります。

shironagassu.hatenablog.com

 

2つ目は、近景から遠景までピントを出す「パンフォーカス星景」ですね。

これは、DA10-17mmフィッシュアイズームを使い、過焦点距離でピントを出すことで、例えば近景の花から、星までピントを合わすという手法ですね。使える場面が限られるため、撮影枚数こそ少ないものの、独特の写真が撮れるので、撮れるときは結構頑張って使っています。

shironagassu.hatenablog.com

 

これらに続く第三の撮影法として、20分長秒露光を位置付けたい。 

 

撮り方

撮り方は、難しいものではなく、私は、ISO4000、露光時間30秒をカメラに記憶させて、基本の露出としているので、これで、適正な明るさに撮れるなら、そのままISO100にして、露光時間を40倍すれば、1200秒。つまり20分になるわけですね。

 

もちろん、最初の4000、30秒では明るくなりすぎる場面もままあるので、その時は計算しなおさないといけなかったり、場合によって、NDフィルターなどで露光を調整しないといけないんですが、まあ、そこは応用編です。

 

基本は、30秒、ISO4000で撮ってみて、どうかと。いけそうなら、そのまま20分長秒露光に移行できます。

上に出した2枚目の長秒露光は、左の遠くに街灯があって、その部分がF2.8では明るくなりすぎたので、F2.8→F4まで1段分絞って、露光を1/2にしています。

基本的にF値で調整すれば計算は楽ですね。

 

撮り方まとめ。

ISO4000、30秒で撮影して明るさを見る。

良ければ、そのまま40倍して、ISO100、1200秒。これが基本です。

そして。

ローパスセレクターTYPE2をON。(星のモアレを抑える)

アストロトレーサーはOFF。

 

長秒露光と比較明合成

同じように、星を流す撮影方法に、比較明合成という手法があります。

これは、インターバル撮影したものを、カメラ内なり、後処理なりで比較明、つまり明るい部分を重ねて合成することで、星が動いている様子を描写するものです。

長秒露光による撮影と同じように星が流れて似たような写真になります。

 

では、どこが違うのか、と。

 

長秒露光の特徴

1、ISOを下げられるので、ノイズが低減する。

長秒露光するということは、必然的にISOを下げるということなので、特に前景のノイズ感が低下し、ディテールが向上します。おそらくは階調も最大限になっているはず。KPは、ISO100が最低ISOなので、これ以上の画質向上は望めないですね。なかなかいい描写になります。これだけでも使う理由がある。

 

2、星の軌跡がつながる

比較明合成で星を撮ると、インターバルの間は露光をしないので、どうしても星の軌跡につなぎ目がうまれます。(後処理で消すことも可能ではありますし、プリントにすると途切れは出てこないとか問題ない場合も多いですが)

長秒露光なら、ずっとシャッターは開きっぱなしなので、間違いなく星の軌跡はつながっています。

付随してというか、付随する部分なのかどうか、星の色も良く出る…気がします。

 

3、多少の雲がある場合も使える

あまりに大量に雲がある場合は、使えないのは、比較明も長秒露光も同じですが、長秒露光だとある程度雲が流れるくらいならば、合成とは違い、なめらかに雲が描写されるので、使えるという点はメリットです。多少の雲ならば長秒露光は使える。

ふわっとした感じに仕上がり、なかなか得難い描写になります。

雲×長秒露光は、ねらい目です。

 

4、星がおとなしめに描写される

これは、場合によって、良し悪しですが、比較明に比べて、長秒露光の方が、星がおとなしめに描写されます。それを上品ととるか、地味ととるかは、人それぞれだと思いますが。私は、嫌いではありません。

 

5、ホットピクセルが良く出る

さすがに1200秒も、センサーに露光させ続けると、赤や青、緑のホットピクセルが無数に出てきます。最後の仕上がりに直結するので、ここは、手作業で、ひとつひとつ手摘みして、ホットピクセルを修正しています。

lightroomのスポット修正ですね。

これで、ポチポチやる。非常に地道な作業です。

他に方法があるような気がするのですが、まあ、手塩にかける感じでポチポチやっています。1枚20~30分ぐらいはかかります(笑)

 

という感じでしょうか。

 

お勧めの星

お勧めの対称は、形が良くイメージできる星座、例えば、オリオン座とか、さそり座、北斗七星なんかとは相性がいいですね。

それぞれの季節の大三角や、秋の四辺形などの大きなアステリズムにも好相性です。そして、もちろん北天も、北極星を中心としてぐるっと回るので良い感じになります。

 

20分露光となると、それなりに暇なので、双眼鏡を持っておいて、星を眺めているというのが、おつです。スマホいじっていたら、結構すぐ経ってしまいますが、それもなんだか寂しい。

 

というわけで、YFH、第3の撮影法、20分長秒露光。

チャンスがあれば、どんどん撮っていきたいところです。

 

ではまた。

 

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