うむ、この忙しいのに、秋が深まっていきます。焦る。
焦った私は、先日紅葉を求めて、一路、馬路村へと行ってみたのですが、もみじはまだ紅葉していませんでした。結構(というか完全に想定外な)時間がかかったのだが…。
まあ、しかし、ひとつ、県内星景撮影未踏自治体が埋まったので、良し。
帰り着いたら明け方5時でしたが…(笑)
今度、あといくつ未踏自治体があるのか、記事にしようと思います。
県内34市町村。山側がかなり残っていると思いますね…。半分はクリアしているでしょうか。高知は森林率84%、山が深いのです…。
ということで、サルベージ。
今回は、高知市土佐山で開かれている、彼岸花フォトコンテストで入選を頂いた一枚です。ありがとうございます。
夜に手向ける花
PENTAX KP レンズ DA 10-17mm FISH-EYE 焦点距離10mm
ISO3200 SS90秒 F6.3 パンフォーカス星景
朝を迎える薄明の時間帯、メインの被写体として星を撮る私にとっては、夜の終わりを意識する時間です。
まだ、朝焼けの来る前のこの冷え冷えとした薄明が、私は非常に好きな時間帯ではあるのですが、同時に、死や終わりを連想する時間でもあります。
そして、新しい一日が始まり、死は生に、終わりは再生にラディカルに転換されていきます。私はそれをこちらの夜の側から眺めているのが、好きなようです。思うに、メインの被写体が星なのも、この夜への強い親近感が根底にあるということのようです。
その死と生の交錯する薄明の時間を、写真という手段をもって、凝固させて取り出した一枚で、お気に入りです。完成度云々は置いておいて、テーマを体現できたという意味で、今のところ、今年一のお気に入りかもしれません。
この薄明への私の感情は、戦前のドイツ生まれの批評家ベンヤミンが、その批評を通して、がれきを積み重ねながら破壊の中を進む今――「進歩」という幻想の中に囚われた繰り返す今を、革命的な目覚めの中で乗り越えようとしたことにも、通ずるような気がしています。なので、この一年を通してベンヤミン関連の本を色々読んでいますが、読めば読むほど、親近感を感じます。
この写真、記録は5時9分とあります。
星景的には、この時期、オリオンをこの位置(ほぼ南中)にしようと思ったら、薄明の時間を狙うしかなかったのですが、雲が来たり、車が来たりして、10分程度の星が残る薄明の時間に、3枚撮れたんですが、2枚はイメージ通りにしあがりませんでした。難しい。
ISO6400に上げて、半分の露光時間にしたらもう少しアストロトレーサーブレが抑えられたのかもしれませんが、ノイズがどうだったろう…。
試す時間がありませんでした。一期一会。
表彰式
10日に、オーベルジュ土佐山でフォトコンの表彰式があり、いってきました。
実は、このフォトコン今年で3回目なんですが、なんとか3回連続で入選をいただいていて、非常にありがたいです。何とか続けていきたいところですが、来年も出すのは出したいです。入選するかはわからないですけどね。
その主催者あいさつで、フォトコンも含めた「彼岸花感謝祭」というイベントの名称について説明をされていたのですが、戦時中の食糧難に彼岸花の球根を食べる目的で、植え、それによって命がつながれた。その感謝の気持ちで感謝祭という名前にしたということでした。
球根を水にさらすことで、毒を抜いて、食用にしたようですね。(※なので毒があるので食べない方が良いです。お気を付けください。)
一般的に、彼岸花は「死」を連想させますが、こういう形で「生」を担っていたんですね。
それも何か示唆的だなと思い、生者が死者に贈るという意味で、「手向ける」という語で改めてそのお話を受けて、タイトルをつけなおしました。ツイッターで出した時よりもさらに短く改題。
オーベルジュ土佐山のロビーで11月いっぱいは展示されているようですので、ぜひ。
データ提出だったんですが、きれいにプリントしていただいてました。
オーベルジュは、お風呂だけ入ることも可能ので、秋の行楽と合わせてどうぞ。
オーベルジュ横のとんとんのお店の…豚?いのしし?オブジェ。
ではまた。