うむ…。
PENTAXのフィルムカメラプロジェクトが、具体的な製品開発の段階に入ったらしいとの報があり、今日はそのことについて書いておきたいと思います。
(扉絵用の写真を一枚)
PENTAXのフィルムカメラプロジェクト
PENTAXフィルムカメラプロジェクト(Film Project)とは、2022年の末にスタートした新規のフィルムカメラを一からつくるということを目指すという酔狂な計画です。
面白いことを始めたな、と思いつつ、実現可能性がどれほどなのか、ということで進捗を追っていました。最初の動画で言っていますが、K-1Ⅱ(デジタルフルサイズ機)の後継が出てこない中で、これをやっていくリソースはあるのか、確かに心配でした。
途中報告では、PENTAXに残されている図面や、引退した技術者の助言などを参考に若い開発者が開発に取り組んでいるということでしたが…、いよいよ大詰め。
まずは、1台目としてコンパクトカメラを設計していることが発表されていたのですが、とうとう、実機の製品化を目指す段階にきたとのこと。2022年末からなので1年とちょっとですから、随分早いですね。鉄は熱いうちにということなのかもしれません。
コンセプトは、何回も繰り替えし表明されているのですが、「若いユーザーが楽しめるカメラであること」らしい。
かつてのフィルムカメラを復活させようというのではなく、今の時代に合ったものをつくるということのようです。
フィルムを始める若いユーザーに中古のフィルムカメラが人気になっていますが、その若いユーザーに修理などの製品サポートができる新品のカメラをつくろう、そして、また、作る側としてもフィルムカメラを製作する技術を継承しようということのようです。
製品化フェーズへ
PENTAXの製品デザイナーTKO氏が、スポークスパーソンとして、フィルムカメラプロジェクトの動画を3つ公開しています。今回、かなり具体的に、カメラの仕様が明らかにされました。
いわく、縦位置(ポートレート)で撮影することが基本になるハーフサイズフォーマットのカメラになるとのこと。
縦位置が基本というのは、スマホなどのデジタルデバイスに合わせているというのがひとつ。
もう一つは、35mmフィルムを1枚に半分ずつ使うことで、フィルム代、現像代といったランニングコストを1/2にするということを考えているらしい。
一貫して、若いユーザーに向けてという話をしていて、そのターゲット層に、どういうカメラを届けるかというところで、製品コンセプトがしっかりと考えられているのがわかります。
確かに、スマホ時代になってから、縦位置の写真が増えているんですよね。
縦長のデバイスで表示するので、縦位置の写真の方が収まりが良い。
これは写真もそうなんですけど、動画の方がより顕著かもしれません。どのSNSを見ても、短い尺の動画は基本縦位置になっています。
そういう意味では、縦位置基本のデジタルカメラとかもっと出てきて良いと思うのですが、カメラは横位置が基本というのが、しみついていて、あえて縦位置基本で行くという今回の発表を聞いた時、目から鱗でした。
なるほど。ありだな。と。
コストも抑えられるし、時代に合っている非常に合理的な提案です。
ただ、作るのが大変な、手巻きの巻き上げ、巻き戻し機構を搭載するという趣味性も存分に盛り込んでいるようです。一枚一枚手動で巻き上げて、最後はちっちゃな取っ手をくるくる手で回して、フィルムを巻き戻す機構ですよね。いや、使ったことないかもしれない(笑)
ここら辺が、TKO氏らしいし、PENTAXらしい。こういう遊びの部分を、若いユーザーに楽しんでもらいたいということでしょう。
一方で、撮影には電子制御をしっかりと導入して、適正露出で撮りやすいようにするとのこと。ピントもゾーンで選べるという仕様になるとのこと(よくわかっていないが、AF機構ということではなくて、近距離、中距離、無限遠みたいな形で、いくつかのピントを選ぶ方式ということなのでしょうかね)。
遊び心と合理性のバランス感覚は、なかなか絶妙です。
手軽さとクラシカルな面白さ。
2024年の夏ごろの発売を目指して鋭意開発中らしいのですが、動画でTKO氏がいっていますが、実は、もうプロトタイプはできているらしく、それで撮ったであろう、2枚の縦位置の街並み(かな?)の写真が示されました。
ええ、もうほとんど、ゴールが見えているのでは…?(いや、ここから製品にするというのが色々、大変なのかもしれない)
後は、価格ですね。
若いユーザーが手の届く価格で、と最初の動画で言っているので、それほど、高価なものにするつもりはないらしい。そして、コンパクトカメラで、ハイエンド機ということでもないので、ある程度抑えめの価格なのでしょう。
製品化にあたっては、この辺りのコストとの折り合いもいろいろとあるのかもしれません。
今回の動画の最後、他社にもこのフィルムカメラのマーケットに参入してほしいと呼びかけているのも、大変、面白いなと思って聞きました。
同業他社は確かに最大のライバルであるのは間違いないのですが、フィルム写真という文化、またひいては、カメラという機械そのものが色々と過渡期にあるときに、このフィルムカメラという文化を次の世代に引き継ごうとすれば、同業他社もけして「敵」ではなく、同じ路をいく道連れということなのでしょう。
このプロジェクト、要注目ですね。
けして時代に逆行しようというのではなく、今の時代に求められるフィルムカメラを出す。
この製品がどういう形で世に出てくるか、楽しみに待ちたいと思います。
ではまた。
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