シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

アストロトレーサーType2についての覚書

うむ。

そうですね。

とりあえず、PENTAX K-3 mark Ⅲを手に入れたからには、これだけは早めにレポートしておかないといけないという謎の使命感がありました。

早めに責任を果たしておきます。

 

ただ、アストロトレーサーに必要なGPSユニットO-GPS1ですが、現在、「調達部品の生産終了」ということで、ディスコンとなっているという…。

リコーイメージングはすでにO-GPS2の開発を発表しているので、少なくともアストロトレーサー機能は今後も存続させていくのだとは思うのですが、将来はともかく現時点が、大変、厳しい状況。

うーん、世界的な半導体不足のあおりでしょうかね。

news.ricoh-imaging.co.jp

 

という、アストロトレーサー史上最大の逆境ではありますが、とりあえず、K-3markⅢから新装された、アストロトレーサーType2をレポートしておきたいと思います。 

いや、私、去年、1台目のO-GPS1が不調に陥って、2台目を購入していたんですよね。ギリギリのタイミングでしたね…。O-GPS2まで待たねばならないところでした…。

 

アストロトレーサーType2

f:id:shironagassu:20210725232507j:plain

PENTAX K-3markⅢ レンズ HD DA★11-18mm アストロズーム 焦点距離 12mm

ISO1000 SS30秒  F2.8  ほぼ固定撮影

2021.07.19 高知県安田町にて

 

クリックをすると拡大表示できると思います。星の流れと地上のブレを見くらべてみてください。

 

なるほど、星の日周運動を半分の速度で追尾するというType2。確かに、Type1とアストロトレーサーなしの中間の効果が出ています。

 

Type1は見てもらうとわかるのですが、星がかっちり点像になっています。きれいに追尾できているわけですね。しかし、地上は、その分、ブレてしまっています。

逆に、アストロトレーサーなしでは、地上は、もちろんブレ無しですが、日周運動により星が流れてしまっています。

 

星を追尾しなくても星があまりブレずに写せる「固定撮影」。その固定撮影の大体の目安露光時間は500ルールで求めることが出来ます。

式としては

500÷焦点距離=X秒

となります。

 

この場合の焦点距離はフルフレーム換算なので、12mmを換算し(1.5倍し)18mmとなります。

つまり、

500÷18=27.7秒

という数字が出てきます。

なので、30秒の露光時間というのは、この固定撮影の時間にほぼ適合しているのですが、アストロトレーサーなしをみてもらうとわかるように、厳密には、その範囲でも星が日周運動で流れて写っています。

 

Type2と「ほぼ固定撮影」

なるほど。

ということで、Type2の効果は歴然としていますね。

完全な星追尾ほどは地上がブレず、しかし、星も完全な固定撮影ほどは流れない。

 

Type1と比べて、多少の星の流れは起こるのですが、「ほぼ固定撮影」の範囲にとどめる限り、許容範囲に収まる、と言えると思います。

つまり、私は、少し勘違いをしていたようです。

アストロトレーサーType2になると、露光時間が伸ばせるとおもっていたのですが、というよりも、より地上のブレを抑えられるという方がどうも正しい。

もちろん、露光時間を伸ばすのに使って、どこまで地上ブレが許容範囲に抑えられるかという使い方もなしではないと思います。

しかし、どちらかというと、これまでの「ほぼ固定撮影」を発展させて、ほぼ固定撮影時にさらに地上のブレを抑制できるという運用がベターなのではないか…と。

 

これまでのほぼ固定撮影は、まだ未完成だったということですね。

これまでは、つまり、Type1の状態でほぼ固定撮影を名乗っていたわけですが、これが、子細に比べてみるとそれなりにやはり地上がブレている。

対してアストロトレーサーType2は、地上のブレがかなり抑えられています。アストロトレーサーなしと比べるとわずかにブレているのですが、なるほど、しかし、かなりシャープです。

Type2、どうやら、私にとっては、ほぼ固定撮影を完成させるための最後のピースだったようです。

shironagassu.hatenablog.com

 

ただですね、SNSとか、ブログに掲載するサイズだと、それほど違いは判りません(笑)

f:id:shironagassu:20210725234305j:plain

f:id:shironagassu:20210725234332j:plain

f:id:shironagassu:20210725234357j:plain

上からType2、Type1、アストロトレーサーなしなのですが、まあ、拡大しないとあまり判別できないと思います。

 

ただ、しかし、そのわずかな違いが、プリントした時や、ブレが目立ちやすい被写体(例えば花や葉など)では、結構効いてくるのではないかと思います。

 

星景はType2で撮っておくというのは、私のように、基本的に1枚撮りで仕上げようという場合は、非常に良い選択肢になるのではないかな、と。

しかし、これからK-3markⅢを買って、Type2を利用しようとしても、O-GPS1が手に入らない…可能性が…高い…。困ったな。

 

普通に、高騰している(笑)いや、笑い事ではない。

く、O-GPS2を急いで……頼む…リコイメ……。間にあわなくなってもしらんぞーーーっ!!

 

ではまた。

 

関連記事

星撮影用としてのK-3markⅢについて、まとめてみました。

shironagassu.hatenablog.com

 

にほんブログ村 写真ブログ 星景写真へ
にほんブログ村


星景写真ランキング

K-3markⅢの星景用ユーザーモードを夜な夜な詰めている件

はい。

いや、本日、四国地方、梅雨あけ発表されたようですね!めでたい。

 

いやー、K-3markⅢは一度曇りの日に撮影に出て以来、撮影に出るチャンスすらなかった…がいよいよ始動できるか。

そろそろ月が、半月を越えて、満月に向かっていっている…。く、急ぎ撮りにいかねばならないじゃないか。

 

というわけで、この間、雨が降りしきる中、ユーザーモード星景撮影仕様にするために、色々いじったので、とりあえず、載せておきます。

まだ、使用はこれからで、使い勝手がどうなのかは…全くの不明です(笑)

 

夜な夜なユーザーモードを詰める

f:id:shironagassu:20210718201913j:plain

うむ…。サムネイル用にほぼ曇りの日、唯一撮影に行けた一枚を貼っておきます…。

 

以前KPのユーザーモードを記事にしているのですが、今回もこれがベースです。

shironagassu.hatenablog.com

 

ユーザーモード1=STARRYSCAPE

ISO6400、F2.8、30秒、

カスタムイメージ・風景、ホワイトバランス・蛍光灯W

2秒セルフタイマー

アストロトレーサーType2 ON

各種補正、ノイズリダクションはOFF

RAWファイル保存

 

基本の設定。「 ほぼ固定撮影」用。

ほぼ固定撮影というのは、アストロトレーサーを使いながら、星があまりぶれない秒数だけ露光する「固定撮影」をすることで、星と地上のブレのバランスを撮る撮り方のことです。ほんのちょっと星追尾するので「ほぼ固定撮影」なわけですね。実は、ずっと言ってますけど、特に広がりません(笑)(詳しくはこの項の末尾のリンク記事参照)

 

KPはISO4000を基本にして、ユーザーモードを組んでいましたが、とりあえず、K-3markⅢは6400で試行してみようかという…。

カスタムイメージがこれまで「フラット」でしたが、K-3markⅢはAdobe Lightroomのカメラマッチングの対象となっているため、疑似的にカスタムイメージが使えるということで、「風景」に設定して色味を見てみることに。

f:id:shironagassu:20210718210338j:plain

Lightroomの画面。左上から、「鮮やか」、「ナチュラル」、「雅」、「人物」、「風景」の疑似カスタムイメージ(らしい)。

ちなみに上のサムネイル用写真は、カメラ風景で現像しています。Adobeの風景より、黒が締まるのとマゼンタが少し混ざるのが特徴です。

 

アストロトレーサーについては、まずは新装されたType2を使いこんでみようと。

一度使ってみた感触だと、Type2は、露光時間を引っ張るというよりも、地上のブレを抑えることが主眼なんだなと言う感触。なるほど、それはそうだな。勘違いしていた。

星の日周運動ブレを多少許容して、その分、地上のブレを抑えるモードなわけだから…。

これは、だから、(今まで地上ブレをいかに抑えるかと考えていた)考え方を逆にして、どの秒数までなら、星のブレが許容できる範囲に収まるか…ということになりますね。

なので、露光時間は、今まで(上のリンクのKPは40秒でしたが、その後30秒に修正しました)と同じ30秒から、まずは試行していってみます。

 

shironagassu.hatenablog.com

 

ユーザーモード2=INTERVAL_ASTRO

ISO6400、F2.8、30秒、

カスタムイメージ・風景、ホワイトバランス・蛍光灯W

2秒セルフタイマー、インターバル撮影(撮影間隔・最短)

アストロトレーサーType2 ON

各種補正、ノイズリダクションはOFF

RAWファイル保存

 

これは、アストロトレーサーインターバル用の設定。

撮影間隔を「最短」に設定。

これ現場ではまだ試していないんですが、夜な夜な設定を弄り回して試した結果、「最短」、ほぼ間違いなく使えるだろう…と。試行では、ほぼ間隔なしで連続して、インターバルが回ります。

KPにも、実は「最短」設定あったんですが、ISOを上げ露光時間を伸ばすと、最短が4~5秒くらいに伸びてしまうという弱点があったのです。

もしかしたら、連写機として、連写バッファがKPからはかなり増加しているようなのですが、その同じリソースを使っているのかもしれない(違うかもしれない)。

とにかく、K-3markⅢの「最短」はちゃんと使えそう。

ということで、設定。

これも、現場で少しずつ詰めていってみます。

 

ユーザーモード3=INTERVAL_COMPOSIT

ISO6400、F2.8、30秒、

カスタムイメージ・風景、ホワイトバランス・蛍光灯W

2秒セルフタイマー、インターバル合成(撮影間隔・最短)・途中画像保存(元画像)

アストロトレーサーOFF

ローパスフィルター強

各種補正、ノイズリダクションはOFF

RAWファイル保存

 

比較明合成用の設定。

おそらく、ローパスフィルターレスのため、星の軌跡にモアレが起こるだろうということで、ローパスセレクターを「強」で設定。

アストロトレーサーもしっかり切る。ここら辺を忘れないのがこのユーザーモードの役割ですね。

K-3markⅢから、設定できるようになった、途中画像保存=「元画像」を選択。

「合成後」保存が良いのか、「元画像」保存が良いのか。「元画像」にしておくということは、より柔軟に、PCでの編集が可能になるということ。

最終比較明合成画像が、それでそのまま使えるならそれでもいいし、Adobe PhotoShopで編集しても良いしという2段構え…。

これは…良いのでは(妄想)。

 

ユーザーモード4=LONG_EXPOSURE 

ISO160、F2.8、1200秒(20分)、

カスタムイメージ・風景、ホワイトバランス・蛍光灯W

2秒セルフタイマー

アストロトレーサーOFF

ローパスフィルター強

各種補正、ノイズリダクションはOFF

RAWファイル保存

 

私が良く使う20分長秒露光用の設定。

基本的に、KPの時のものを踏襲していますが、基本ISOを6400に上げたため、対応するようにISOを160に。ここら辺も、現場で調整してみないといけないですね。 

ローパスセレクターの入れ忘れがないことと、アストロトレーサーをしっかり切ることが、このユーザーモードを設定する一番大事なところですね。(まあアストロトレーサーがONだと、20分露光できませんが)

 

shironagassu.hatenablog.com

 

というわけで、設定だけ詰まってしまった。

今日は、月曜であるが、出なければならないか??

 

そうそう、K-3markⅢ、ダブルスロットでカード2枚挿せるので、最安な64GBのものを2枚買い増してみました。スロット1はUHS-Ⅱに対応していて、連写をするなら欲しいところですが、私はむしろ、シャッターユニットの耐久がもったいないので、連写しないと思います(笑)ので、UHS-Iのもので当面は行けそうです。

カード2枚挿しは、容量増加の意味もありますが、カード不具合が万が一生じた場合の物理的バックアップという意味合いの方が大きい気がしますね。KPもバッテリーグリップの中に一枚予備が仕込めるのですが、意味合いとしてはそれとほぼ同じです。

 

うむうむ。

ではまた。 

 

にほんブログ村 写真ブログ 星景写真へ
にほんブログ村


星景写真ランキング