シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

星撮影用としてのsmc PENTAX-DA 35mm F2.4AL

はい。

というわけで、星景撮影に使うレンズを星撮影用としてレビューしていくコーナー。今回4レンズ目ですね。第4弾。

 

今回は、特にこの記事を書こうと思って年末年始、DA35での撮影を意識的に増やしてみました。まだ若干データが足りない気がしますが、まあ足りないところはのちのち書き足す方式でエントリーとしては起してしまおうかと思います。

 

まずは、公式ページ。

www.ricoh-imaging.co.jp

特徴的なのは、このレンズ、以前は、カラーバリエーション展開をしていたのですが、残念、2017年末でそのサービスが終了しています。今は新品は黒のみ。

私は、終了半年した頃に、公式アウトレットに、ゴールドのDA35が出されてきて、当時、金色のKPカスタムグリップをつくった後だったので、これは逃せないと思い、5分間一応悩んだんですが、色が決め手で買ってしまいました。

 

その時のエントリー。

shironagassu.hatenablog.com

 

先日… デジカメウォッチの記事で、ペンタックスの歴代50mmF1.4を比べるという企画があったのですが。

dc.watch.impress.co.jp

そこでも、一つの性能比較として星の撮り比べをしております。

星は点光源なので、収差の影響が分かりやすく、確かにテスト向きではあると思います。私は星撮影用としてしかレビューを書けないというのが大きな理由で、星撮影用としてのレンズという記事になってはいるんですが、実は、レンズの性能テストとしては星を撮るというのは王道なのかもしれません。いや、どうだろう。

 

【目次】

 

星撮影用としてのDA35mm

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というわけで、DA35mm。見た目で買ってしまったわけですが、私に買われた以上は、それはもう等しく星撮影に使われるわけです。それはしょうがない。

APS-C用の標準画角で、フルフレーム換算で53.5mmの焦点距離(画角は44°)になります。人間の視点に対して、ほぼそのままを写し取るような画角です。スナップ撮影などには最適かもしれません。ただ、星景を撮るにはこの画角はやはり少し狭く、使いづらいということで、これまでこのエントリー作成がのびのびになってきました。

 

一般的には、HD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limitedと比較して安いということで「35安」と呼ばれたりしますね。50mmF1.8と並ぶいわゆる撒き餌レンズのひとつです。

ただ写りには、割と定評があり、また、フルフレームでも実は使えるという話もあります。

ということで、今回も星撮影用としてどうなのか、ということをわかる範囲で書いていこうと思います。

 

長所

というわけで、いつものように、まずは長所から行きましょう。

f:id:shironagassu:20190104184756j:plain
 

①コマ収差のなさ

これは、特筆すべきレベルで、開放で撮ってもコマ収差がない。それほど強くコマ収差が出ないレンズでも、周辺の星像をよく見ると三角形になってたりするものですが、このレンズについては端まで星像が丸い。これはエクセレントな長所です。

 

②開放の明るさ

開放がF2.8よりも若干明るいF2.4というのは、プラス査定。HD 35mm Limitedが基本的には、DA35mmの上位互換(コーティングも最短撮影距離も、質感も、クイックシフトフォーカスなどの機構も)なんですが、唯一まさっている点がこの若干の明るさだと思います。

星撮影にとって開放値が明るいというのは、撮影時間とそれに伴う星の移動ブレにダイレクトに響くので、重要な点です。

もちろん本当はもっと明るい方がいい。シグマに35mmでもっと明るいのがある気はする。Kマウントにも。私は純正原理主義ではないのだが…ただ同じ焦点距離のをもう一本買う余力はない(笑)

 

③コンパクトさ

いや、このあたりのPENTAXのDA(APS-C用)レンズというのは、とにかく、コンパクト。太さ63mm×長さ45mm、重さは124g。常時持ち運ぶこともやぶさかではありません。

 

④フィルターワークのしやすさ

49mmのフィルター径で取り回しがしやすく、比較的安いので購入もしやすい。また49mmというのは、PENTAXの小型のレンズに多い径なので、使いまわしができます。ステップアップリングなどで、他の径と共用も可能。

 

⑤アストロトレーサーとの相性

53.5mmの焦点距離は、固定撮影で星が点で写る時間の目安となる500ルールに照らしてみると、500÷53.5で9.3秒アストロトレーサーの最短設定時間が10秒なので、ほぼこれに適合します。

ということはアストロトレーサーを使わずに10秒で固定撮影もできますが、逆に使ってごくわずかに星を追尾させて星を完全な点像にさせつつ、ほぼ地上の景色はブレないという使い方が出来るということでもあります。(なので、もっと長い焦点距離になると、アストロトレーサーで地上景をブラさずに撮るのは困難になってしまいます。)

 

実感としては、倍の20秒くらいまで、露光時間を伸ばしてアストロトレーサーをしてみても、意外に地上がブレません。が、ここら辺は、カメラの向き(どのあたりの星を撮るか)にもよると思います。というのは、35mmの画角で地上を入れようと思うと、必然空の低い位置になる場合が多く、一番星の移動量が多い「天の赤道」の方を向かないという事情もあるのかな、と。

いやまあ、とはいえ、高い建物などを仰いで撮ることもあり、そういう場合は、20秒設定にすると星の移動量が多くなり地上はブレる…ような気がします。(要追加検証) 

 

⑥月撮影との好相性

月は目で見ると意外と大きく見えるんですが、写真にすると小さく写るという被写体でもあります。換算53.5mmというのは、そういう意味で、月を月らしく撮るには好適です。ただ、後述するように、月を撮るとその縁にフリンジが目立ちますので、開放ではなくF4程度かそれ以上に絞って撮影するべきではないかなと思います。

 

短所

というわけで、次は短所に行きましょうか。

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①フリンジ

フリンジは強い光源の周りには結構強く出てしまいます。前述の月とか、街灯とか。

ただ星にはそれほど目立たないかもしれません。加えて、星強調用のソフトフィルターをつけることで、ほぼ、星のフリンジについては問題はなくなってはしまいます。

 

②単体で買うとフードがない 

夜、日差しがないのに、星を撮るのにフードいるの?と思われるかもしれませんが、いるんです…!やはりフードは欲しい。

というのは、夜間は街灯などの強い光が周辺にある場合が多く、そういう強い光が、斜めから照射するとたいていゴーストやフレアを生じてしまいます。

これはフード買えば、良い話なのですが(笑)、純正の角型フードがかっこいいと思いつつ、数千円するので今のところ、様子を見ています。いや、早く買うべきですが(笑)

 

これ↓

…角型で見た目もかっこいいし、機能性もあると思うので、安い買い物だと思うんですが…いやまて。11-18が発売されて、無事に入手出来て自由の身になったら買いたいと思います。

 

③画角の狭さ

端的に言って標準画角での星景というのは難しい。

何を題材にして何を撮るべきか?

特に、地上の風景と合わすと前述したようにほぼ水平方向を向ける形になって、そこに目立つ星座が入る可能性はかなり少なくなります。沈む時(西向き)か、昇る時(東向き)くらいのものですね。いやそこを狙うというのは、良いかもしれません。事前の想定が大事になりますね。

ただ星座にこだわらず、地上景と星で、若干地上景よりに重きを置いた比重で撮ると作品としてまとまる気もします。

広角よりもパースペクティヴも出しにくいですね。写真が平面的になるのをどう避けるか…。何を地上景にするか…ふむふむ…悩ましい。

 

④周辺光量落ち

開放で撮るとやはりそれなりに周辺光量が落ちます。しかし、それは、上のデジカメウォッチの記事によると、最新レンズDFA50mmにしてもそうらしいので、まあ、欠点というほどでもないかもしれません。

 

総評とギャラリー

というわけで、星撮影用としてはコマ収差がほぼないのが素晴らしい特徴なので、星だけ撮る星野なんかでも活躍できるのではという気はします。

 

が、私は星景メインなので、星景としてどう使うかを模索しながら、と。

コマ収差がないことも合わせて、細い月と金星を同時に撮るにはベストのレンズかもしれません。あれは夕方か朝方か必ず低い空に見えるので。

ただ、あえてこれ一本で星景を撮ろうというのは修羅の道だと思いますが…、これを持っていて、たまには星も撮ってみようかなというのであれば、それはおすすめできます。

そして、あえてこれにこだわって撮り続けるという生き方も、それはそれで私は嫌いではありません。

この写真時代に、一枚一枚撮られゆく写真たちがその総体としてあなたという存在の輪郭を決めていく…。そういう意味で写真を撮るというのは、畢竟、生き方の問題なのです。(謎の名言ぽいことをいう。迷言。)

 

最近は、HD DA 15mmと、10-17mmフィッシュアイズームと、このDA35の三つを持って星撮影に出ることが多いですね。

なかなか出てくる場面は少ないですが、頼れるサブという感じです。

 

以下作例。ですが、余り撮影枚数がないので作例が少ないかも。(今後足していきたいと思います。)

やはり月を撮るのに使っている場合が多いですね。

 

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うーむ。ではまた! 

 

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2019年星景的展望

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年末にクロスフィルターでとった室戸岬灯台と星空を。

2019年が多くの人に光が届く年になりますように。

 

さて。

あけましておめでとうございます。

えー。しぶんぎ座流星群の極大日(1/4)がさっそく終わったわけですが…。

うむ、明け方起きたら撮りに行こうと思って寝たんですが、

…起きれませんでした!

終。

 

いや、関西から移動した日だったので、まったく、移動疲れで起きられる感じがなく、普通に朝目覚めました。

 

うん。今年の年間3大流星群のうちで、一番条件が良かったのが、このしぶんぎ座だったのですが、うん。まあね。そうね。起きられないかもしれないなと思いながら寝たので、もう、しょうがない。

あと、2日の明け方に、西日本で巨大火球が見えたようですね…。ううーん。そうか、三脚を置いて行っていたのでまったく可能性がなかった。無念。

年初からさっそく運を逃しまくってる気がしますが…。

 

【目次】

 

2019年展望

とりあえず、今年の星景的展望を書いておきましょう。

参考

 

1月

6日(日)明後日に、部分日食が見えます。食の最大が10時前後ということで、そのあたりで見てみると良いかも。

そして、日食グラスがどっかにあったはずなのにどこを探しても見当たらない。直接太陽を見るわけにもいかないので(危険なので直接太陽を見るのは絶対にやめましょう)、段ボールに穴をあけて、ピンホールを通した太陽光を地面に写してみるという奴で行こうか。晴れてれば。

これはしかし、星景的には写真が撮れるものでもない。地面の影は撮ってみましょうか。

1月の間にちょっと頑張ってDA35㎜F2.4での作例を増やして、星撮影用としてのDA35㎜を書きたいと思います。

 

2月

1日(金)の明け方、金星と月齢25.8の細い月が並びます。

これは、何かと絡めて撮りたいところ。さて…ちゃんと起きられるかな。

18日(月)の朝にも、金星と土星が並びます、金星が明けの明星になっているので、ここら辺の惑星接近が明け方に集中してしまう。…撮れるだろうか。

 

3月

3日(日)の明け方、今度は月齢25.9の月と金星、土星木星が並びます。このころは何かと明け方が多い。これも何かと撮りたいが…さて。何が良いだろう…。いろいろロケハンしておきます。

 

4月

23日(火)の午前9時ごろ4月こと座流星群が極大。うーむ。ということは、この23日の夜半過ぎから明け方にかけてが見頃か。しかし、月が大きく22:40頃から朝まで出ていまして、条件は悪い…。

むしろ3月末あたりから4月頭にかけていろいろな花が咲くので、その星景を撮るのに忙しいかもしれない。

 

5月

6日(月)23時ごろ、みずがめ座η(エータ)流星群が極大。月の条件は5日が新月で、ほぼベストな状態。そんなに流れるものでもないけど、写ればラッキーくらいのつもりで、何かしらの星景を撮りにいかねば…。

また、このころの夜明け前には土星木星が南の空で輝いているようです。

 

6月

引き続き、木星土星が南の空で見頃。5月より早い時間で見えるようになってきますので、夜半くらいが撮りごろかも。6月の新月は3日(月)なので、この周辺なら、夏の天の川と2惑星を絡めて撮れそうです。

また、夕暮れ時、西の低い空に水星と火星が並ぶようです。…かなり高度が低そうで、星景としては何か難しいか…どうか。

 

7月

17日(水)部分月食で、そのまま月が沈む、月入帯食。ちょうど高知県あたりを境にしてそこより西日本では見えるようです。月の入りが5:06ほどのようです。日の出は5:07とのことなので、かなり明るい中で月が沈む。

撮りたいが…撮れるか…難しそうだ。

 

8月

13日(火)17時頃、ペルセウス座流星群が極大。しかしほぼ満月(15日が満月)で月明りが強い。それでも、晴れればいかないといけないですけど…。

12日(月)の明け方2:10に月が沈むので、そこから夜が明けるまでの方が良いかもしれませんね。

 

9月

13日(金)が中秋の名月。去年はあまり月を撮っていないので、今年は撮っておきたい。月は何と撮るのが良いだろう。ここはよく考えてみなければ。

 

10月

22日(火)午前9時ごろ、オリオン座流星群極大。

半月過ぎの月があり、あまり期待はできなさそうですが…さて。

 

11月

上旬におうし座流星群が極大。6日(水)が南群、13日(水)が北群の極大ですが、まあ、このころならそこそこ流星が流れているので、写るか写らないかはともかく、何かを撮りにいかねば。18日(月)にはしし座流星群が極大。うーむ、月の巡りはこのころ下弦前、曜日の巡りもあまりよくないですね。

 

12月

何はともあれ、15日(日)午前2時ごろ、ふたご座流星群が極大。ほぼ満月の月がありますね。うーん。15日の未明に行くのか、その晩に行くべきか。15日の晩なら20時頃まで月がないですが、…18時ぐらいから月が昇るまでというのはありか。未明にいって、晩にも行くが、正解な気がする。日曜日なら昼間寝られる可能性もある。

 

と、こんな感じでしょうか。

これに花の季節や、天候を加味して、前景を決めながら、また頑張って一年星を撮っていきたいと思います。

今年は、ただ去年ほどは撮りにいけないかもしれないな…。去年は非常に順調だった。今年は、もう少し、忙しい…かも…。

 

機材的展望

うーん。…これは、なんといっても、DA☆11-18mmが出るということなので、これをゲットしないといけません。

 

PENTAXAPS-Cで星を撮るならばマストなレンズになるだろう、と大きな(待たされている間に余計膨らんでる気がしますが)期待をしています。

値段はいくらになるんだろうか…。それが心配の種。

年末のペンタックスリコーファミリークラブの会報誌にも、11-18の影すら出てなかったので、どこで情報が出てくるものか。

この発売をにらみながら、資金を貯め続けるという日々になりそうです。

 

↓これは去年の年頭に書いた記事。この時は、まだ延期されるとは思っていなかった。…いや、なんとなく、そうじゃないかという気はしていたとしても。 

shironagassu.hatenablog.com

 

いやー。それでも今年は出るだろう?出ますよね。出るはず(フラグ。 

 

本読みとしての展望

本読みとしては、サイエンスノンフィクションを基調としながらも、写真論の本も読んでいきたいところ。日本の写真史が全く欠落しているので、どこかでまとまったものを読みたいが…良いのがあるかな。

サイエンスノンフィクションとしては、宇宙関係で行くと、マルチメッセンジャー天文学について扱ったものがあれば、読みたい。また、生物学系もやはり抑えておきたい。これは最新の奴も読みつつも、古典的な奴も含めて読んでいきたいですね。

ただ、年間70冊も読めたらいい方なので、写真論とサイエンスノンフィクションと仕事の本とをうまくバランスさせていかねば。

 

というわけで、2019年展望でした。

うむ。いい年になればよいけど、まあ、初詣のおみくじは末吉でした。運なさそー。

11-18さえ出てくれれば…。もう…。

高望みしません。

 

 

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