ジュラ紀。
たしかに、一番有名な地質年代だろうと思う。
なんとなく、恐竜の時代という印象がある。もちろん、恐竜の時代にも違いないのだが、本書を見ると、哺乳類を含むそれ以外の生物もかなり多様に進化していたようだ。
本書は、以前紹介したエディアカラ紀・カンブリア紀の生物の同シリーズで、図解が豊富にあるのが特徴。なかなか読みやすく、全体のイメージをおさえるのにとてもおすすめのシリーズだ。
プチ恐竜ブーム
実は、私は、これまであまり恐竜関係の本は読んでこなかったので、不明を恥じつつちょっと恐竜ものを積極的に読んでいるところ。
最近の恐竜イラストというのは、非常にカラフルになっていて、直系の子孫である現生の鳥類のカラフルさに近いものがある。
まだ、想像の域をでないものも多いだろうが、化石を分析して色を推定する手法が発達してきていて、かなりリアリティのあるものになってきているようだ。
以前は、化石からは色はわからないといわれてきたので、なかなか、隔世の感がある。
恐竜以外も多彩
この本は、恐竜のことを読もうと選んだのだが、実は、読んでみると、恐竜以外の生物が意外に多彩だということに驚かされる。
海棲爬虫類としては、巨大な目を持つイルカのようなオフタルモサウルスも特徴的だ。
4mのからだに、直径23cmの眼球をもつオフタルモサウルス。現在の最大の眼がシロナガスクジラのもつ15cmのものだから、クジラの巨体との対比を考えると、際立って巨大な眼球だ。
これだけ大きい目を持つとすると、おそらくはかなり高速で泳ぐ捕食者だったのではないだろうか。現生魚類としては、メカジキが高い視力を持つ海中の高速捕食者として有名だ。
また、恐竜のいた当時は哺乳類は小さなねずみのようなものだった、というイメージに反して、意外と、現生哺乳類に似た多様な形態に進化していたというのも興味深い。
モモンガやカモノハシに似ているが、実は、現生の種とはつながりがないというのも進化の不思議さを表しているように感じる。
あとは、ワニ類というのも恐竜とともに栄えたようで、こちらも非常に現生種にそっくりなものや、海棲に特化したものなど多様だ。
そして、ジュラ紀といえばいわゆる始祖鳥も有名なようだ。
これも図解をたっぷり使って詳しく解説してくれていて、非常に読みごたえがある内容だ。始祖鳥の羽の形もよく保存されている化石標本が収められていて、なかなか見事。
恐竜を学ぶということでいうと、同シリーズの白亜紀のものも読んでみないといけないですね