シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

星はすばる

先日の撮影から、1枚出して、更新としておきたい。

 

星はすばる

木のシルエットとすばる

PENTAX K-3 MarkⅢ レンズ HD DA☆11-18mm  焦点距離 11mm

ISO6400 SS15秒 F2.8 アストロトレーサーType2使用

2024.08.15 高知県にて

 

タイトルは、有名な、清少納言の一節から。

星は、すばる。彦星。夕づつ。よばひ星、すこしをかし。

すばるとアルタイル、金星、流星が良いとのこと。

なるほど。

清少納言がどれだけ星空を見ていたかわかりませんが、なかなか、趣味が良い

あえて、アルタイルを上げるのは、何かを重ねていたからでしょうか。

 

通い婚が通例であった当時、天にも同様の営みがあると見て流星をヨバイボシと呼んだのでした。

流星は、かつて、不吉の象徴とされながらも、一方では、願いを託すものとして、矛盾した二重の意味で捉えられていました。

日本の星名事典には

星空は、山や海と同様、生活と密着した日常的な景観であり、山や海へのおそれ、願いと同様、流星に対するおそれ、願いが育まれたのではないだろうか。(北尾浩一著『日本の星名事典』より)

とあります。

この生活と密着した星空という考え方はすごく好きですね。

 

現代はもうずいぶん、星と生活が離れてしまっていますが、それでも、コンテクストとして星には、暮らしに関わる色々なものが仮託されています。その文化的なものは、途絶えていない。だからこそ、プラネタリウムがあるし、こうやって写真も撮られるのだろうと思います。

 

この写真は、先日、ペルセ群を撮りに出たころのモノ。もう夏の夜遅くには、冬の星々であるすばるも昇ってきます。

上の写真では、木のシルエットの横に、明るい星が2つ連なっています。惑星、木星と火星ですね。そして、牡牛の頭、ヒアデス星団も。

 

私が、星は…ということなら、

星は、ベガ。カニみそ(プレセペ星団)、カシオペヤ、オリオンのミツボシ。でしょうか。

見た時に何か、ハッとするもの。

カシオペヤは、北極星のありかを示すものとして、進むべき方向を教えてくれるようですし、オリオンのミツボシを見ると冬に向けた厳しさを感じます。カニみそこと、かに座のプレセペは、見つけると何か嬉しくなりますし、ベガに関しては、そのシーズン初のベガは、なぜか格別の思いを感じながら見上げます。

 

清少納言の時代から、1000年を超えて、夜空に同じ星を見るというだけでも、随分と意味のあることだと思います。

 

ではまた。

 

 

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