はい。
春の天の川が昇る季節になってきました。先日、撮ってきたので、また、そのうち更新しようと思います。
今日は、PENTAX機にある「構図微調整機能」の使いこなしが、一つ増えたので、まとめておこうと思います。
構図微調整機能おさらい
まず、構図微調整機能についておさらい。
KPの製品ページから引用してみましょう。
自動水平補正・構図微調整
構図にこだわった撮影が短時間でできる、撮影アシスト機能
手ぶれ補正機構SR IIを活用した、PENTAX独自の先進機能を搭載しています。自動水平補正は、電子水準器の情報に基づいてイメージセンサーが回転し、画面の左右の傾きを自動補正。手持ち撮影での水平出しをカメラがアシストします。構図微調整は、イメージセンサーを上下左右・回転方向に動かして構図を調整できるもので、三脚にカメラを固定してのライブビュー撮影時に有効です。
※自動水平補正の補正可能角:SRオン時は最大約±1°、SRオフ時は最大約±1.5°
※構図微調整の上下左右シフト調整範囲:±1mm(回転時は±0.5mm)、回転調整範囲±1°
もとは、PENTAXのお家芸ともいえる、イメージセンサーを動かすシェイクリダクション(手振れ補正)機構の応用です。
PENTAXはなんでも、イメージセンサーを動かして解決しようとしてしまう傾向があります。アストロトレーサーもそうですね。
説明によれば、上下左右1mmセンサーが動かせるということ。実際使ってみるとわかるのですが、KPだと、±16メモリ分、上下左右に振ることが出来て、それなりに大きく構図が動きます。
三脚を据えての撮影に便利な機能です。多少の構図変更なら、もう一度、雲台操作が必要ないということですね。
前回の記事
以前、この記事でも取り上げたんですが、この構図微調整機能を使うことで、上下にセンサーをシフトさせ、シフトレンズによるシフト撮影を疑似的に再現することができます。
センサーを上に動かせば、広角によるパースペクティブを強調しない方向に、つまり、被写体が下に向けて末広がりではなく、スリムに。
逆に下に動かせば、パースペクティブを強調して、被写体を末広がりに大きく映すことが可能です。
上の記事の時は、上側のパースペクティブを強調しない機能が、 あまり機能しないと思ったんですが、今回11-18mmの広角端でやってみたら、見事に機能しました。(その写真はまた何かの時に出します)
構図微調整機能によるパースペクティブのコントロール…これは使える。
が、今回は少し別のお話。
今回の発見「ゴースト抑制」
今回は、構図微調整機能を使うことでゴーストを抑制するという話です。
まずは写真でみていきましょう。
ゴーストが出るのはこういう場面。
右からゴーストが3本線状にでています。謎の三連街灯があった(笑)一灯でいい気がするのだが。こういうゴーストを消したいわけです。(ゴーストを強調するのに、明瞭度アゲアゲです)
で、検証用に、比較画像を撮ってきました。ので、以下、写真的には何ということはない写真です。
分かるでしょうか。
右の中ごろに、画角外からの街灯の光でゴーストを生じています。下はその拡大画像。
このゴーストを消したい。
単純にゴーストを消すだけなら、もう少し、左に振ってやると、おさまります。
それが下の写真。
少し左に振ったことで、ゴーストが消えました。
そして、ここからが構図微調整機能の本領発揮で、構図微調整して右に戻します。
そうすると一枚目とほぼ同じ構図で、ゴーストが生じない写真を撮ることが出来る…。
すごい。
いや、わかっています。何がすごいのか伝わってない気がひしひししてます。
今、YFHだけ、盛り上がってる状態です。わかってますよ。
解説
これはつまり、ゴーストが生じない位置関係をまず、決めてから、構図を追いこめるということを意味するわけです。
私は、今期、ハーフNDフィルターを買ったので、「暮らしの中の星空」というテーマを貫くために街中での星景を増やしていきたいと思っているのですが、その時に有効になるのではないかと。
街灯などの強い光源は、微妙な位置関係によって、ゴーストを生じます。
これを回避するには少し動けばいいのですが、そうすると、街中であれば、別の建物の屋根や木の枝など、いらないものが画角内に微妙に入ってきたりするわけです。それを回避しようとして、カメラを動かすと、今度はゴーストが…とジレンマに陥る。
このジレンマを解決できるわけですね。
まず、ゴーストの出ない構図を決める、そして、構図微調整で、構図を追いこむ。
こういう使い方。何気に面白い機能です。
ただ、惜しむらくは、センサーを動かすアストロトレーサーと、この構図微調整機能は両立しません。どちらかです。しかし、街中などの明るい場所で撮るときはアストロトレーサーでひっぱるほど、秒数を長くできないので、やはり、有効かな、と思います。
構図微調整したままインターバル撮影は可能なので、比較明とは相性が良いです。
さあ、この記事のニッチっぷりが半端ないのですが、PENTAX使いの都市星景リストに届くといいな…。(なので、星空の写真タグ、つけときます)
もう、気づいて使っているかもしれないけれど。
ではまた。