シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

自由雲台を新調してきた話

今週のお題「特大ゴールデンウィークSP」

 

とりあえず。一回休み的に雑記的エントリーを上げておきます。

というのも、全く星が撮れていない。GWは関西に行っていたので、その間は晴れてたんですが、星景用機材は重いので置いて行ってしまい、HD DA 15mm F4 Limitedだけで全日程を撮ってきました。カメラはKP、グリップはブルーグリップで。

謎の縛りプレー。

しかし、15mmは意外に寄れるし、室内でも広く撮れるので使い勝手は悪くない。ただ、最大の弱点は遠くのものは撮れないということ。もうそこは完全にあきらめて、足で近づける者は近づいて遠くのものは眺めるだけにしておきました(笑)

 

スクエア大阪と梅田界隈のカメラ屋さん巡り

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というわけで、旅日程の一日は、一人で、大阪をブラブラしておりました。

最大の目的は、長年の懸案事項になっている雲台を新調すること。雲台のクオリティが上がれば、撮影時の快適さがあがるなあともう1年くらい思い続けつつ、ごまかし誤魔化しで来ておりました。

 

目的は雲台なのですが、いったん、大阪に行ったのなら、リコーイメージングスクエア大阪に寄らないわけにもいかない。

(上の写真は、D FA85mmのモック。でかい。いつ発売かはよくわかりませんが、でもおそらくポートレート撮る方なんかは待たれているんじゃないでしょうか。)

 

ここに寄って、もう一つの目的、J limitedのトートバッグ(下に写真)をゲットしておきました。

J limitedというのは、リコーイメージングのデザイナーさんが公式KPカスタム他を展開するのに立ち上げた(立ち上げようとしている?)新ブランドの名称。

いや、うーん。そういえば公式にアナウンスはされていないので、この間の色々なメディアに乗ったのを統合するとそういうことらしいのだが、実のところはJ limitedが何なのかは、よくわからない。公式KPカスタム以外にも、キャップやグローブなども含めて展開していく感じのようです。なのかな?

公式KPカスタム、結構反応があるので、無事に製品化するといいなあ。

何回か言及しているように思いますが、デジタルカメラに対して、あえて性能ではなく、外観のカスタマイズで価値を提案しようというアプローチは大変面白いと思います。デジタルカメラの製品サイクル非常に短いように思うのですが、こういう形で新しい価値を提案していくのは、実に興味深い。まあ、私がもう一台KPが買えるかはそれは予算との兼ね合いがあるので別としても、応援しています。

スクエア大阪で少し話になったんですが、K-1Ⅱの時のように、有償アップグレードサービスが提供されると最高ですね。うーむ。それが来たら予算を何とかして、何とか…何とかしたい。何とかなるかな(笑)

 

と、スクエア大阪のあとは、梅田周辺に出て、カメラ屋さん巡り。

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雲台が欲しくて色々見ていたんですが、大量の三脚が林立する魔境ヨドバシカメラ)に足を踏み入れ、良い三脚が欲しくなりつつ。

良い三脚も欲しいんですが、まあ、いや、現状で撮れてるので、見るだけでグッと我慢をしておきました。かなり眺めまわしましたが。

 

と、3時間歩き回って、中古カメラ屋さんを5軒ほどはしごして、雲台を見つけてきました。でもレンズはいっぱいおいてるんですが、雲台(と三脚)の中古は意外にみつからない。

が、最終的に、予算の60%くらいで、良い感じにボール径の太い雲台、BENROのBH2というのがあったので、ゲット。本当は、クイックシュー部分が、アルカスイス互換品だとなおよかった気もするんですが、縦位置がピタリと決まるなら特にこだわらなくて良いかな、と。

そもそもアルカスイス純正の雲台が買えるなら何も問題がないのですが、明らか過ぎるほどの軽やかな予算オーバー。今回は、とにかく低予算でボール径40mm以上を狙っていきました。無事良い出会いがあった。

www.widetrade.jp

(アルカスイス純正。…高嶺の花すぎる)

 

帰って試したところBH2のボール径44mmなら、KPバッテリーグリップ+11-18mm(約2㎏弱。たぶん1800gくらい)を縦位置もスムーズに固定できました。いやいや上出来。私は望遠レンズを使うわけではないし、三脚とのアンバランスも出てくるので、これくらいがちょうどよいか。

ちなみに、クイックシュークランプの部分を換えられないかなと思い、ネジを回してみようとしましたが、接着されているようでビクともしないのであきらめ。まあ、縦位置問題なさそうだしいいや。

残った予算は、スターリーナイトフィルターのために、貯金することに。

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というわけで、J limitedマークのトートと、雲台と、ついでに、クロスフィルターを買ってかなり満足げ。82mm系のフィルターが順調に増えていく。やばい。

(それと、ビッグイシューの販売員さんに梅田でちょうど行き当たったのでビッグイシューもゲット)

www.bigissue.jp

 

15mm縛りで撮ってきた色々

と。15mmだけでいろいろ撮ってきたのでそれを最後に載っけておきます。

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うむ。

 

というわけで、一回休み的記事でした。

次回は、星の写真を上げたい。

チャンスを待たねば。

新雲台も試したいですしね。

 

ではまた。

 

【書評】ヒトはなぜ宇宙に魅かれるのか

「天からの文を読み解く」との副題がつけられた本書は、最も古い学問のひとつとしての「天文学」が、その長い歴史の中でヒトをどう変え、そしてどう変えようとしているのかを、わかりやすく解き明かす。

天文学の歴史を踏まえつつ、最新の宇宙探査や開発の発展にも触れながら、宇宙と人とのかかわりを考えていく。そして、著者の専門であるサイエンスコミュニケーションについて、その取り組みの目指すべき意味を示していく。

 

科学とヒト

著者の縣秀彦氏は、自然科学研究機構国立天文台准教授として、天文学アウトリーチ(普及活動)に携わるサイエンスコミュニケーションの専門家である。

 

本書は、最新の宇宙のトピックスに触れるということも、大事な要素としているが、何よりも、サイエンスコミュニケーション論としての側面から、非常にユニークな一冊になっているように思う。

 

国立天文台アウトリーチ活動において、重視されている考え方にPUR(Public Understanding of Reserch)があるという。これは、PUS(Public Understanding of Science)という考え方と対をなしている。

20世紀まで主流だったPUSが、市民は科学の知識が欠けているという「欠如モデル」のもとに、科学の「結果」のみを市民に伝えようとする啓蒙活動的な側面を持つのに対して、PURは、科学の結果だけではなくその研究過程を含め、科学そのものについて市民が考えていく材料を提供するという点が異なっている。

それはつまり、少し飛躍をして結論からまず述べるならば、科学に民主主義を結びつけるということのように思える。科学者だけでなく、市民も科学の主体になることが求められているし、それは可能なのだということではないだろうか。

 

現在の科学は、どの分野も国際的なビッグサイエンス(多大な予算を必要とする研究)になってきていて、その予算をどう確保していくのかということが、大きな課題にもなっている。その時、市民が科学に対してコミットすることが、実は決定的だ。なぜなら、世界の主流は民主主義国家であり、その中において市民のコミットが得られない(民意が得られない)科学では、予算は確保できないからだ。予算のつかない研究は、絵に描いた餅にすぎない。

そして、さらに重要なことは、市民のコミットという要素が入ることで、その科学がはたして人類のためになるものなのかどうかが問われていくという点だ。

だからこそ、市民の科学へのコミットをすすめるアウトリーチ活動は、市民社会の中に、科学を埋め込んでいく作業なのだといえる。

 

私は、これまで、サイエンスコミュニケーションを、単に「科学を、市民に伝えていく」取り組みなのだろうと漠然と捉えていた節がある。

それも大事だろうが、科学→市民という一方通行の回路だけではなく、市民→科学の回路をも持つということが、これからのサイエンスコミュニケーションには重要だろう。

 

科学は、ともすれば、環境を破壊したり、あるいは、そもそも人間の生活とミスマッチをおこし、科学に人間が従属するような事態も起こりかねないし、歴史を見ればそういった例は枚挙にいとまがない。例えば、これからのAI(人口知能)の発展は、真に人類のためになるものとして受容されていくのか、それとも、さらに格差を広げる手段になってしまうのか、今、岐路に立っているのではないだろうか。

市民が科学にコミットすることは、こうした科学の負の面を抑制していく手段になるのではないだろうか。

 

国立天文台アウトリーチ活動の実際も紹介されていて非常に興味深い。例えば、アストロノミー・パブをはじめ、科学者と市民の双方向的なコミュニケーションの場の提供など、様々な取り組みが行われている。

こういった取り組みが、社会の隅々で行われるとき、科学は真の意味で、人間が人間らしく生きるための英知へとなっていくのではないか。

サイエンスコミュニケーションのこれからの取り組みに大いに期待したい。

 

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