シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

新年早々、しぶんぎ座流星群2018を反省する

あけましておめでとうございます。

今年は、去年おちいった半年間のブランクというようなことをできるだけ回避して、細く緩やかにコンスタントに行きたいと思う年初め。

まあ、どうなるでしょうか。

あまり負荷をかけず、うまいこと回るといいんですけど…。

 

今年は、なんといっても、夏に発売予定と言われるレンズDA★11-18mmをめざして、貯金をしていくことになりそうです。

そして、できれば、書評ももう少し書きたい。

書いてみると(読む方はどうかわかりませんが、書く方は)面白いんですけどね、読んだら書くくらいの気持ちで、行きたいと思いますが、そんなこと言いながらなかなか書かないんだろうなと思います。

 

天文的には、1月31日の皆既月食があり、7月31日を最接近に夏には火星の大接近もありつつ、もう一回月食(7月28日)もありますね。ペルセウス座流星群ふたご座流星群も、月は、それぞれ好条件のようです。ペルセウスは、月がほぼ新月でベスト、ふたご座の方は極大日が土曜日と重なって日取りもよい感じです。

2018年も色々と撮りたいテーマがありますね。ぼちぼちと撮っていきたいと思います。

 

しぶんぎ座流星群を反省する

というわけで、しぶんぎ座流星群です。

1月4日未明に、極大を迎えましたが、何せ、今年一番近い(明るい)というスーパームーンの満月を過ぎた明るい月が一晩中照らす中でしたので、かなり観測条件はよろしくない。

そして、輻射点がのぼってくるのも23時過ぎと遅く、翌日は仕事初めとも重なってあまり長時間の観測も出来ないということになってしまいました。

 

結論としては、明け方にかけて3時半~5時頃までの約1時間半の二台体制で、2つしか流星を捉えられませんでした。

うーむ。残念な結果ではあるものの、ボウズを回避したので、まあまあ、それだけでもよかったかなあ、と。

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両方PENTAX KP レンズHD 20-40mm Limited 焦点距離20mm

ISO1600 SS15秒 F2.8

2018.1.4 日高村にて

 

一応両方とも、上はまずまずですが、下のは極小、しぶんぎ座輻射点から来てるように見えますね。

10-17mmで広く獲ったK-50の方は捉えられず。もしかすると精査すると薄く捉えている可能性はないことはないですが、一見目視できないということはその程度の大きさということ…。

 

まあ、しかし、これは…捉えたのが二つ(極小含む)では…。

今回は、とにかく観測時間が短かったのが敗因ですね。曜日の日取りもあまりよくなかったし、時間が伸ばせなかったので致し方ない。

 

そして、いよいよ、表面化してきたのは、二台体制にすると(当たり前ですが)レンズヒーターが2つ必要だという問題。今回は、外気温0度で、カバンや草むらに霜が降りるような状況でしたが、ヒーターがある方はくもっておりませんので、やはり、あるとないとでは違う。

 

秋口から、寒い時期にかけては特に曇りやすいですね。夏場も湿度によっては曇るので、通年で必要なものではある。何もしなくても曇らない時も確かにあるとはいえ、曇る時基準で考えないといけないでしょうね…。

ヒーターしてなかったフィッシュアイズームの方は天然のソフトフィルターがかかったように後半ボケてしまっていました。露というよりはこの寒さだと霜ですね。秋の湿度の高い日は露がうっすらつく感じですが…。

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 こういう感じにぼやけてしまう。うーむ。…困るな。

 

うーん。今年も、流星群を中心になるべく二台体制を組むつもりですが、タイムラプスをやるなら尺的に二台で撮った方が良い時もありそうなので、どうだろう…どれくらい二台体制をするだろうか…。費用対効果的にどうだろう。

今年は貯金が最優先ではあるけれども、…やはり、二個目のレンズヒーター(とモバイルバッテリー)は必要かも…。

 

しょうがない。

そこそこの出費にはなりますが…二台体制に必要なコストかもしれませんね。

検討してみます。

気になっているレンズヒーターもあるし…。

 

モバイルバッテリーは2ポートのものにした方が、いざという時のスマホの充電に活用できるかも…、どうしようかな…。 

 

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【書評】科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?

地球外に生命を探す「アストロバイオロジー宇宙生物学)の分野が、今、盛り上がっている(ような気がする)。

 

本書は、そのアストロバイオロジーにかかわる研究者18人に、1、研究内容について、2、「生命の定義」について、3、地球生命はどこから来たのか、4、地球外生命が発見されるのはどんなところ、5、どうすれば地球外「知的」生命体を発見できるか、6、知的生命体が見つかった時にどうするか、7、知的生命体がいる世界にはどんな社会があるか、8、人類は、太陽系を超えて天の川銀河に広がる生命か、と8つの質問を投げかけ、その答えを聞いていく。

 

この設問だけを見ても非常に多岐にわたる知見が必要とされるアストロバイオロジーの世界への入門編として、本書は最適な一冊といえる。

 

 

アストロバイオロジー

アストロバイオロジーの分野は、これまでの枠組みを超えて、多様な研究者が集ってきているのが、特徴といえる。

天文学、惑星科学、生化学、地球物理学、微生物生態学、地質学、分子進化学、地球化学、比較生物学など、様々な分野の研究者があつまりつつある、非常にホットな研究対象といえる。

 

最新の科学は、ひとつの専門分野で取り扱えるものを大きく超えて、分野横断的な性格が強まっているともいえるが、アストロバイオロジーはそれを体現する研究分野の一つだといえるだろう。

 

そもそも、宇宙に生命を探す、ということが、「まとも」な科学的命題になっていることが、ひとつの科学の進歩を示しているともいえる。

あいつぐ系外(太陽系外の)惑星の発見、地球以外の太陽系内の星(火星やエンケラドゥスなど)への生命存在可能性への期待の高まり、また分子生物学の進展や、探査機や観測機器など宇宙探査技術の向上など多くの進展があいまって、宇宙に生命を探す機運が高まっているといえる。

アストロバイオロジーは、これからも注目を集めていく分野のひとつであることはまず間違いない。

 

宇宙に生命を探す意義

宇宙に生命を探す方法は一つではない。

系外惑星の光を観測によって分析し、その大気の中にバイオマーカーを探す方法。

バイオマーカーとして有力視されているのは、酸素や有機物だ。そして、もし、葉緑素を使って光合成をする生物が存在するとすれば、その葉は、赤外線を強く反射し、系外惑星からの光に赤外線が強く表れるレッドエッジとよばれる特徴を示すというのも有力なバイオマーカーとされている。

 

また、伝統的(!)にはSETI(Search for Extra-Terrestrial Intelligence)と呼ばれる宇宙に地球外生命からの電波を探す方法もある。

知的生命体が存在するならばその交信方法として電波を利用する可能性が高いという点に注目し、それを探すという方法だ。

これは、1960年にアメリカの天文学者ドレイクが提唱したもので、これまで、100以上のSETIプロジェクトが実施をされているが、まだ、可能性のある電波は受信ができていない。

しかし、受信ができない、というのも重要な科学的意義を持つわけで、今後もこのSETIは続けられていくだろう。

 

太陽系内の星ならば、直接探査機を送って調べることも可能になるだろう。

このように、地球外に生命を探すと一口で言ってもそのやり方は多様だ。そして、それぞれが日々進歩をしていて、いつか、地球外に生命の痕跡を見つける日が来るかもしれない。

 

そして、地球以外に生命を探す意義というのは何か。

人類は、あくまで、地球で生まれ自分も属する一つの生物体系しか知りえていない。その中で、生物学が発展し、生命とは何かを深く探求しているわけだが、地球外に生命が見つかれば、その在り方から、生命とは何かについて新たな知見を得ることになるだろう。

また、前述の天文学者ドレイクが提唱した有名なドレイクの式というものがある。

天の川銀河に存在する電波を使う高度文明の数

天の川銀河で1年に生まれる恒星の数×恒星が惑星を持つ割合×1つの惑星系のなかで生命に適した環境の星の数×生命に適した惑星に生命がうまれる割合×誕生した生命が知的能力を持つまでに進化する割合×電波による通信を行う文明を持つ割合×文明の継続期間 

 ドレイクの式は後になればなるほど、不確定な要素が強くなる。

観測することで、知的生命体がすぐには見つからないとしても、この値が少しずつ埋まり、ドレイクの式の解の範囲が決定されていくことが重要だ。はたして、この銀河系に文明はいくつあるのか?500万という研究者もいれば、1(つまり人類のみ)という研究者もいる。これを少しずつ観測事実に基づいて埋めていくことがこれから必要になる。

 

それは、最後の文明の継続期間(L)にどのような値が入るのかという点によっても大きく変わってくる。

それは人類はどれだけの期間存在しうるのかという問いとも一方では同義でもある。

宇宙に生命を探すことの意義は、人類とそれをはぐくんだ地球生命について深く知ることにもあるのだろう。

 

 

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