シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

星現像用としてのNik Collection Color Efex

うむうむ。

今年は、ペルセ群はあきらめてしまった。

天気も悪く、月も満月過ぎで大きいということで、残念ながらノーチャンスでした。

うーむ。

 

今日のところは、表題の通り、Lightroomプラグインソフト群Nik Collectionの中で、特に私の星景写真現像仕上げに大きな比重を占めるColor Efexについて、書いておきたいと思います。

 

実は、今、Nik Collectionは5が出ているんですが、私は、とりあえず、何が進化したのかよくわからず資金もないので、4のままで使っています。

何が変わったんだろう。(ひとまず、公式サイトのリンク)

nikcollection.dxo.com

 

NiK Collectionには8つのプラグインが含まれています。多彩。特に星景の編集に有益だと思えるのは、表題のColor Efexの他、ノイズ除去のDfine、モノクロ化のSilver Efex、また、出力時のディテール感をコントロールするSharpener…あたりでしょうか。

 

Color Efex

まずは、Lrで基本的な補正のみかけた画像から。ここから、編集をしていきます。

天の川のある風景。

「ほぼ固定撮影」による撮影、加えてRAWで記録しておくことで、暗部のディテールが保存されています。

 

shironagassu.hatenablog.com

 

この前景部分に保存されているはずの河原のディテール感をあぶり出していくのに、Nik Color Efexを使います。

 

とりあえず、Lrでのパラメーターはこんな感じです。全体的に、まずは、色温度を下げつつ、露出も少し落として、最暗部を締めている感じですね。

ここから、Nikを起動し、Lr調整をコピーを選んで、Color Efexで編集していきます。

Color Efexは、大変多様な編集機能が詰め込まれていて、正直全部を使いこなせているとはいいがたい。なので、今回は、経験則的に、色々当たった結果、使う機能を絞ってきたので、その最小構成的なものを示したいと思います。

これが、正解というわけでは全然なく、使う人によって、千差万別の編集が可能だと思います。

 

私が、使うのは、①偏光、②輝度/色温度、③サンライト、④リフレクター。この4つをまずかけます。これは私は、レシピにまとめていて、「月明り」というタイトルをつけています。

擬似的に月明りのある星空を再現しようというコンセプトです。

 

まずは、偏光を適用。

コントロールポイント+を選び、これは写真全体をぐるっと囲う感じで、かけていきます。偏光は、いわゆるCPLフィルターを疑似的に再現するもので、適用すると画面全体が気持ち落ち着きます。

 

そして、次は、輝度/色温度

これで空の青みを出していきます。

暖かさの項目をマイナス側に大きく振っています(これで青くなります)。

 

コントロールポイント+で、空部分を囲っていきます。ちなみにこのDxOのコントロールポイント技術は、自動でオブジェクトを認識して適用範囲を決めてくれるので楽ですが、微調整して位置合わせをして、一番良いかかり具合の範囲を探してみてください。

 

続いて、サンライト

これも、青みを出すのですが、こちらは、地上部分の露出アップと合わせて、地上に青みを出す目的で使います。ここでは、ライティング温度を右側の青い方に振ってますね。

こちらは地上部を囲んで適用。

パラメータは大体上の感じですが、微調整する時もあります。

 

そして、リフレクター

これは、レフ板を当てたような効果を与えます。

シルバーの他に、ゴールドもあるのですが、ゴールドだと文字通り少し黄色い感じの色味で光が当たります。私は、基本的に青みを出すという編集方針なので、シルバー一択。

これは、地上の暗い部分を明るくするのに使います。コントロールポイント+を使って、いくつか円をつくり、必要な部分だけ明るくしていきます。

 

ここまで(レシピ「月明かり」の適用)で、基本的には、空も青く、地上もだいぶディテールが出てきているのですが、さらに、地上のディテールを出すために、トーナルコントラストを使います。

トーナルコントラストは副作用的に、ノイズ感が一段増すので、無条件に多用できるわけでもありませんし、ノイズ感を見ながらかけ具合も微調整しないといけません。

コントラストタイプのところが、色々と選べるのですが、今回は、ハイパスを選んでいます。これは、全部試してみて、一番イメージに合うやつにします。フィーリングです。

実のところ、ハイパスとは何を意味しているのかもわかっていない。輪郭にシャープネスをかける処理のことでしょうか。

 

特にシャドウのスライダーを動かすことで、前景が浮かび上がるちょうどいい具合を探します。今回は33%でした。中間色のスライダーで天の川あたりが反応します。正直なところ、ハイライトのスライダーは、動かしても、あまり変化がなく、謎のパラメータです(どこか変わっているんだろうけども、わからない)。

 

今回は天の川にも効果が出るので写真全体に適用しましたが、空にかけたくない場合は、例によって地上部だけ選択してかけるということも可能です。トーナルコントラストでは、副作用で星空のノイズ感も増し気味になりますので、あえて星空にはかけず地上のみ、はありな選択肢です。

 

ということで、下の画像のようになります。

地上部の河原のディテールが浮き出てきました。

Color Efexの後に、いくつか、Lrで部分補正を重ねた、最終調整バージョンの画像ですが、全体の青みと、地上部分のディテールという大枠は、Color Efexの段階でほぼ完成しています。

真ん中の白くトビ気味の明るい建物(津波避難タワーなのですが)の明かりを受けて、河原の石が、光っている様子が暗い中に出てきています。

 

スライダーで比べるというこういう感じですね。

全体的に青くなり、地上部が浮かび上がってきました。

私は、青い星景写真が好きということで、こういう編集に落ち着いています。もう、これは好みの問題ですね。これこそ、何かしら正解があるというわけでもないと思います。あるいは、編集者の数だけ正解があるというか。

 

他のColor Efexの効果を使うことも勿論あるのですが、この5つの効果が、私の星景写真現像での基本です。

ただ、これは擬似的に月明りを再現するということなので、逆に月明りがある写真にそのまま適用すると青くなりすぎてしまいます。その場合は、途中の輝度/色温度やサンライトなどは適用しない場合もあります。元から青いですからね。

 

というわけで、何が正解かわからないけれども、試行錯誤しているColor Efexの使い方一例でした。

本当に、多様な効果が揃っていますので、色々と試してみください。

 

ということでした。

ではまた。


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伝統的七夕とベガ

ふーむ。

なかなか、すっきりと晴れる夜がありません。今日も、妙に雲が多い。

先日、雲の多い中でしたが、何とか撮影に出てきました。

雲が流れる星景というのも、情緒があって良い。

のですが、今回は、伝統的七夕(今年は8/4だったらしい)に合わせて、ベガの写真を載せておきたいと思います。

 

www.nao.ac.jp

伝統的七夕、梅雨を抜けて比較的安定した夏の気候になって、星が見える時期に行われていた…のでしょうが、この気候変動時代になると、梅雨は、超絶短いわ、その後は逆にすっきり晴れない日が続くわで、何とも天気の傾向が変わってきている感は否めませんね。

今回は、東北の方で強い雨が降り続いたようで、そちらの被害も心配です。毎年どこかで豪雨被害が起こりますね。

しっかりと、気候変動対策をしていかないといけないとともに、治水の重要性を感じます。

 

ベガとこと座

PENTAX K-3 MarkⅢ レンズ Tamron 90mm Macro 焦点距離 90mm

ISO3200 SS20秒 F2.8 アストロトレーサーType1使用

2022.08.01 高知県にて

 

お相手の、アルタイル(彦星)を撮っていないのですが、そちらは若干雲が多く、撮れそうにありませんでした。ので、ベガ(織姫)のみ。

もちろん、一番、大きく見える星がベガです。

ベガとこと座。こと座は、私見ではありますが、非常に、端正に形が整った星座ではないでしょうか。たぶん、一番好きな星座は?と聞かれるとこと座と答えると思います。

夏の夜半には、天頂付近にあり、少し撮りづらいですが、デネブとアルタイルの夏の大三角の一角としてよく見えますね。

 

今回は、タムロン90mmマクロで撮影。

換算135mmの画角が、こと座の大きさにちょうど良い感じでした。

 

この写真も少し、雲の影響があったのですが、そこは、もうLightroomの「かすみの除去」で無理やり何とかしております。

 

久しぶりに、北尾浩一著「日本の星名事典」からベガの項目も見てみましょう。

こと座、として、非常に多くの紙面が割かれています。

七夕と関係しているので、多くの伝承が、日本各地につなたわっているようです。

アルタイルより先に昇るということで、カミノタナバタ(上の七夕/新潟県)などと呼ぶようです。あるいは、岡山や香川での呼称として、メンタナバタ(ベガ)、オンタナバタ(アルタイル)が記録されています。

 

また、こと座の、四角い星の結びをまな板に見立てた、ウリキリマナイタ(瓜切り俎)、あるいは、ナキリボシ(菜切星/島根県)という呼び方もあるようです。

特に、瓜の方は、夏という感じがしますね。

 

うむうむ、たまには星景ではなく、星だけ撮ってみるというのも良いですね。

この日は、アストロトレーサーType3GPSユニットを使わないスタンドアローン型)を使おうと思っていたんですが、雲が多かったからか、あるいは、他社製レンズだったからか、あまりしっかり追尾できずType1にしておきました。

ふむふむ。

またType3は試してみなければ…。

 

ということでした。

ではまた。

 


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