シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

PENTAX K-1 Mark II フリートライアル感想 おまけ

ゴールデンウィークが始まった…ということで良いのか、一応、三連休だったのですが、その前日の仕事が度を越えてまして、休み初日はほぼ昏睡、あとは、天気が良くなかったですね。

春になると、この雨に悩まされる。

そして、近年、やたら早く、そして長く梅雨に入る…。

今年も戦々恐々としています。

さて、チャンスを見たら撮りに行かねば…。

 

というわけでK-1Ⅱのフリートライアルは先週頭に終わり返送したのですが、最後に試したGrad ND機能について書いておきます。

 

Grad NDとは

PENTAXはこの間、ソフト的なアップデートも意外と頑張っていて、限定カスタムイメージとか、K-1系統へのアストロトレーサーType2+3の搭載とか色々としています。

Grad NDというのも、ソフト面で追加されたもので、グラデーションNDフィルターを疑似的に再現できる機能です。

露出の違う2枚の写真を合成して、NDフィルターをかけたような1枚の写真(RAWも可)として吐き出してくれます。

HDR機能と似ていますが、HDRが全体の露出を適正にするように調整されるのとは、また違う調整が入ります。

せっかく入っているK-1Ⅱが借りられたのだから、試しておかないといけないな。と。

https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/support/download/digital/_pdf/gradnd_manual.pdf

リコーイメージングのGrad ND説明PDF。

 

月のある風景

Grad NDなし。

これはGrad NDなし。

これは、これで、露出は合ってるとは思います。普段はここから調整します。

 

Grad NDノーマル。

こちらは、Grad NDノーマル

ノーマルは、ソフトなグラデーション部分(※)を挟んで、下から上(あるいは逆)に一方向にND効果なしから効果ありになだらかに変化するバージョンですね。一番暗いところ(つまりこの場合は、一番上。)は、-2.0の露出に設定しています。境目は街並みのあたりです。

※正確には、このグラデーションの幅を調整することで、グラデーション部分をソフトにしたり、ハード(つまりグラデーションではないハーフND)に近づけたりできるようです。

 

Grad NDリバース。

こちらはGrad NDリバース

リバースということで、真ん中に一番暗い領域が来て、上下に向けてグラデーションが入っていきます。

日の出などを撮るときに使うんでしょうかね。今回は、街の灯りにフォーカスして、ND効果を出すのに使いました。

上のノーマルと比べて、グッと街明かりが、暗くなっています。

こういうシチュエーションは結構多いので使いどころ多いかもしれません。

 

3種類とも前景のツツジの露出は、ほぼ差がないと思います。

これは面白い。

 

今回、魚眼で撮っているのは、魚眼だと出目金形状のため、NDフィルターがつけられないんですよね。なので、このGrad ND機能と相性が良いのではと。

確かに良い。

魚眼でND効果を出せるのはありがたい。

 

残念なのは、どうもバルブ撮影と両立しないということでしょうか。(多分。バルブにするとGrad ND機能のアイコンが、グレーアウトするので、おそらくですが…)

バルブ撮影と両立しないということは、アストロトレーサーと併用できないということ。

なので、この撮影はマニュアルモードで行いました。

まあ、月がある夜は、それほど長い露光はしませんので、マニュアルモードで十分と言えば十分ではあるのですが…。

 

ふーむ。

以前、宣言したように、今レンズ貯金中なのですが、レンズを買ってもし資金が残っていたらこの機能導入しても良いかもしれませんね。(いや、ノイズ除去ソフトも新調したい欲もある)

 

shironagassu.hatenablog.com

 

 

というわけで。

3回にわたってK-1Ⅱについて、書いてきました。

ふーむ。使用感は大変良かったです。星を撮ることに対しては、完成度は高いと思います。

このままの方向性で、Ⅲも出てほしいなぁと思います。

Ⅲの話は、噂すら出てきませんが、どうでしょうかね…。

 

ではまた。

 

shironagassu.hatenablog.com

 

shironagassu.hatenablog.com

 

 

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PENTAX K-1 Mark II フリートライアル感想 後編

というわけで、前回に引き続き、K-1Ⅱフリートライアルの後編です。

瞬く間に2週間が過ぎまして、返却をしなくてはいけない。

一応、星の撮影には(近場含め)2回出ることができたので、上出来でしょう。

 

(前回の記事)

shironagassu.hatenablog.com

 

 

今回は、K-1ⅡとHD DA10-17mmの組み合わせです。

 

と、その前に、前回、書き忘れたので、先に書いておきますが…。

K-1Ⅱ搭載のグネグネ動かせる背面液晶=フレキシブルチルト…便利だわ…(しみじみ)。

身体の方が、K-3Ⅲのノンフレキシブル液晶(不動)に慣れ過ぎていて、チルトができるのを忘れて、かがんでしまうのですが、三脚に据えて星を撮るときには、やはり、背面液晶は、動いた方が良い。というのを思い出しました。

 

と、では、10-17mmとの相性です。

 

K-1Ⅱと10-17mm

10-17mm、smc版からHD版にコーティングが変わった以外にも、大きく変化したところが。

それが、フードが組み込みから着脱式に変わったこと

これによって、面白い絵を撮ることができるようになっています。

 

丸く円周魚眼風に撮れた天の川の写真

フードをとったHD10-17mmとフルサイズセンサーを組み合わせると、こういう感じで、ぐるりとふちを囲む丸い円周魚眼風の写真を撮ることができます。

 

10mmの超々広角で撮れているので、相当に広い範囲を捉えています。

天の川が中心から左側にかけて見えていますが、その終端は、デネブを捉えて、夏の大三角をおさめています。

 

北から南まで捉えた比較明合成。北極星からさそり座まで。

その画角の広さはかなりのもので、左上に北極星が、右下には南に昇っていたさそり座が捉えられています。(30分の比較明画像、もっと長く比較明しても面白そう)

この広さで、流星群の流星を待つというのはありかもしれませんね。

相当の火球が流れないと小さくしか写りませんが。

 

17mm側で撮影、対角魚眼に。

17mmの望遠端で撮ると、対角魚眼に戻ります。

例によって、減光はかなりありますが、一応、四隅まで、ケラレなく撮れていると思われます。

ただ、少し戻すと、ケラレるので、ケラレなしで撮るなら、この17mm一択ですね。

 

フードをつけた写真。

フードをつけると、完全にケラレます(10mm)。

このフードをはずせるように企画した方は、英断ですね。

機構も良くできていて、フードカバーをつけたまま、回すと取れるようにできています。ワンタッチ。そして、そのフードカバーを嚙合わせる突起があることで、フードカバーの脱落事故もかなり減っています。一石二鳥。

 

2週間は、かなり短く(そして年度初めの仕事も忙しく)、実は、HD DA70mmもケラレないはずなので、色々撮ってみたかったんですが、時間がとれませんでした。

一応家の中で、壁飾りを撮影したものを。

ドライフラワーの壁飾り

これも減光はありますが、ケラレてはないですね。

十分撮れると思います。もっと撮ってみたかったな。

 

というわけで、前、後編と書いてきて、今回で終わるつもりで書き始めたんですが、先日撮影した、Grad NDの写真を現像する暇がなかったことを思い出したので、次回、おまけというか、アディショナルタイム的な感じで、もう少しだけ、続きます。

 

ではまた。

 

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