シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

真実に向かおうとする意志とK-3 MarkⅢの話

ふーむ。

今日は、別のことを書こうと思っていたんですが、…ちょっと、PENTAX K-3 MarkⅢのことについて、書いておこうかと思い立ちまして。

 

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とりあえず、サムネイル用に、星の写真を貼っておきます。

 

K-3 MarkⅢ

昨日まで、CP+2021が開かれておりまして、去年は全面中止になってしまったんですけど、今年は、オンライン開催ということで、いくつか、動画を見ることが出来ました。

 

PENTAXは、FA LimitedのHDコーティング化や、K-1ⅡのJ limited化=J limited 01など割と話題があった気はしますね。

www.yaotomi.co.jp

J limited 01については、もう準公式と化した、八百富写真機店さんのブログが詳しい。むしろ、公式より詳しい。

今回は、4色展開するらしく、トップカバーが2枚付属し、1枚は真鍮からの削りだしというこだわりよう…。

KP J limitedは好評のうちに、生産終了していまして、こちらのK-1Ⅱベースの01も刺さる人には刺さるでしょう。

会社としては、製品寿命を伸ばすマーケティング的なこともあるんでしょうが、それはそれとして、製作チームが、全力で遊んでいる感じは、やはり素晴らしい。本当に、面白がってやっているなというのが伝わってきます。

CP+2021でも配信があったんですが、私見れてないんですけど、このJ limitedチームのものはアーカイブされないらしい。なるほど、アーカイブに残せるようなおとなしいものではなかったんでしょう(笑)いつものことではある。

 

とそれは、それとして、今日はやはりK-3 MarKⅢのことを話しておきたい。


K-3 Mark IIIのご紹介

 

こちらは、すでに、公開されています。企画担当の若代さんによる、K-3 MarkⅢの紹介動画。

うむうむ。私、実のところ、結構このK-3 MarkⅢについては、スルーしようかと思っていたんですけどね…色々見ていると興味がわいてきてしまった…。

 

K-3 MarkⅢは、本当は、このCP+の時期には発売している予定でしたが、詳しくは分かりませんが、諸事情で発売が延期されています。

news.ricoh-imaging.co.jp

K-3Ⅱから待ち続けている勢に対しては、あまりに酷な仕打ち。早く出してあげてもらいたい。私は、今回は、発売日ゲットしようとは考えてないので、あれなんですけど、いやー、本当に11-18mmの時は、待たされた待たされた。あれは、いやー、待ったなと。あれを体験しているので、気持ちはよくわかる。早く出して差し上げて…ほんと…もう…。

 

で、話を戻すと、私、K-3 MarkⅢに俄然興味がわいてきておりまして、今、心境的には、これに向けて貯金していこうということになってしまっています。

ジョジョの奇妙な冒険第5部に「今にも落ちてきそうな空の下で」という名エピソードがあるんですけど、そこに出てくるセリフがまさに今の私の心境にぴったり。

「そうだな・・・ わたしは『結果』だけを求めてはいない。
 『結果』だけを求めていると、人は近道をしたがるものだ・・・
 近道した時『真実』を見失うかもしれない。やる気もしだいに失せていく。
 大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている。
 向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は犯人が逃げたとしても、
 いつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな・・・違うかい?」

向かおうとする意志さえあれば、いつかはたどり着く…。

 

というのも、このK-3 MarkⅢ、以前、動画で社長が表明した限りでは、20万円台後半の価格になるとのことらしく、高い。

普通に、フルサイズ一眼レフのK-1Ⅱよりも高い。何なんだ一体。

「それなら、フルサイズ買った方がいいじゃない。」

確かに、そう思っていました。

だから、次のボディ更新はK-1Ⅱなのかなと漠然と思ってきたのですが…。

 

でも、ずっとひっかかっていたのは、11-18mmというレンズを軸に星景写真をとっていきたいということなんですよね。

shironagassu.hatenablog.com

星景用としては、PENTAX光学系の一つの到達点だろうな、と。やはり、このレンズがAPS-C用である以上、できることならPENTAXAPS-Cシステムで行きたいという気持ちが、くすぶっていました。

今回、改めてそれが、また静かに燃え始めたという形…。

 

本当は、このK-3 MarkⅢはファインダーに注力していて、星景のようにモニターメインで撮るカメラではない…のかもしれない。

しかも、モニターは可動しないので、星へのピント合わせという意味では、少し億劫にもなる…。

加えて、GPSを内蔵しないので、単体ではアストロトレーサーはできない。KPと同じようにO-GPS-1が必要(K-3Ⅱは単体でアストロトレーサーできる)。

と、そういう諸々の条件は、星景メインの私には、ジャストフィットというわけではないんですよね。

 

さらに、先日、「アストロトレーサーに対応しない」というヤバい情報が流れて、かなり憂慮していました。

結果からいうと、誤情報だったようで、中の人に、しっかり対応している旨を教えてもらいました。

この点は、ヨシ。

 

K-3 MarkⅢが、アストロトレーサーに対応してなかったら、アイデンティティを失うところでした(笑)

危ない。

 

ここで、ちょっと話を、横にそらして、回り道しましょう。なぜ私が星を撮るのか。

 

星景写真を撮り続ける意味

私が星を撮るのは、なぜだろう、というのを、昨年、コロナ禍の中でよく考えた一年になりました。

ひとつは、人の暮らしと自然との関わりを、強く内包したテーマだから、ということ。

そして、もうひとつは、より実際的な理由ですが、実のところ、私のライフサイクルの中で、今、自由になるのは、子守りしなくて良い夜中くらいしかない、ということ。

この2点ですね。

 

後者の方が、超えられない壁になっていまして、昼間写真を撮る時間はほとんどないんですね。なので、夜中から明け方にかけて撮るしかない。

これは私のライフサイクルを考えると、もうしばらくは、このままだろうなと。少なくとも10年くらいは、こういうスタイルが続くでしょう。

なので、どうしても、星景写真がメインにならざるをえない。で、テーマとしても、暮らしと自然との関わりという私の関心が強い部分に重なってもいて、物理的に規定されてもいるし、テーマとしてもしっくりきているということなのです。

なので、メインは、星景でいく、と。

 

で、そうなると、PENTAXアストロトレーサーが、非常に重要な比重を帯びてきます。

カメラと小さなGPSユニットさえあれば星を追尾するという機能。もっと広まればいいのにと思いながら、使っていますが、大変便利です。

なので、カメラはPENTAXが良い。

 

そして、11-18mmというレンズ

このレンズ、2019年の2月に発売されて、丸2年使ってきました。ようやく、使いこなせるようになってきたかなと思い始めていますが、使えば使うほど、星景写真用として、最適な機能性と光学系が詰め込まれているなと感じています。

いやー、このレンズを100%フルスペックで使い星景を撮りたい

この思いが、どうしてもぬぐえない。

ならば、カメラはAPS-Cが良い…と。

 

普通に考えれば、APS-Cの方がフルサイズより安くて、矛盾をきたさないはずなんです。なのですが、今回のK-3 MarkⅢは、まだ正式な値段が出てないとはいえ、おそらくK-1Ⅱの新品価格より高くなりそうなのは間違いない。

ここで、頭を抱えるわけです。明らかな矛盾。

フルサイズの方が、星景という必ず三脚に据えて撮るシステムには向いている。

 

しかし、今回公開された動画では、K-3 MarkⅢの高感度性能の一端が示されているんですが、K-1Ⅱを凌駕してきているんですよね。それも、明らかに。

いや、APS-Cなのに?という。

実際、センサーも新しい方が、ノイズにも強いんでしょうけど、新開発したというアクセラレータユニットⅡも効果を発揮するのでしょう。いや、K-3 MarkⅢの高感度160万は伊達じゃない。

 

これが、天秤をぐらりと傾けてしまいました。

いや、APS-Cで行けるのならば、APS-Cでいくべきじゃあないのか?と。

あえて、APS-Cを選び、あえて、星景写真を撮る。

そこに、PENTAX DA★11-18mmというレンズがあるというわずかながらの優位性。

私が何かしらを賭けて写真を撮らないといけないとすれば、こここそが賭け所ではないのか、と。

ここで、11-18mmに拘ることで、見えてくるものがあり、撮れるものがあるのではないかと。

それは、被写界深度の深さや、11-18mmの持つ星景向きの機能性など実際的なこともあるんですが、それよりも、より深い部分で、気に入ったレンズで撮り続けるんだという、そういう意志が重要なのかもしれない。

真実に向かおうとする意志。

未だ撮れていない可能態としての一枚の写真を追い求める意志の向う側に、進むべき道があるのではないか。それは、簡単には、たどり着かないかもしれないけれど、向かおうとする意志があれば、いつかはたどり着くのかもしれない。少なくともその可能性を常にはらみ続けて写真行為が続いていく。

そういう意志。

 

写真…別に義務ではないのだから、撮らなくてもいいはずなのに、時間がとれない中、夜中、起きだして撮りに行く。義務ではないし、仕事でもないからこそ、そこに自らの意志が必要になる。

だからこそ、自分に正直に、自分のやりたいことを良く見つめて、それに従って進むしかない。

 

K-3 MarkⅢ。

PENTAXの放つAPS-Cフラッグシップに向けて、進んでみようか。

というのが、今の偽らざる私の意志…。

 

怒らないから、早く値段を出してほしい。

 

発売日ゲットは、絶対にできないと思います。いつかはたどり着く、そういう気持ちで行こうと思います。

 

という、謎の決意。超長期の貯金によってこの気持ちがなえるのか、あるいは逆に強化されるのか…。

まあ、ゆっくりと進んで見ようと思います。

 

ではまた。