シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

比較明合成の継ぎ目を埋める(未完)

うむ。

今年は、比較明合成を研究してみようかと思い立ち、色々と試しているのですが…。

先に結論から申し上げますと、あまり成果は得られていません。

が、とりあえず、途中経過を書いておこうかなということで筆を執った次第。

 

比較明合成。

星景写真における比較明合成とは、連続撮影した写真の明るい部分を重ねていく(つまり比較明合成していく)ことで、星の軌跡を描くという手法です。

これまでも勿論やったことはあるのですが、まだ、私自身、撮影法として完全にはマスターしきっていない感じもしています。

実は先日のペンタックスリコーファミリークラブの会報誌で、比較明使いとして素晴らしい山岳星景を撮られている村田一朗先生の特集があったので、触発されたというのもあるのです。(リンクは一枚撮りの作品ですね)

pentaxofficial.com

そして、知らなかったのですが、比較明合成は、どんなにシャッター間のインターバル間隔を短くしても、原理上、星の継ぎ目が生じるのだそうですね。先日、インターバル間隔のほぼないような状態で、連写モードで撮影してみたのですが、やはり、比較明合成すると途切れていました。

 

なぜか?…は、ちょっとよくわかっていないのです。ははは。

おそらく、星は点光源とはいえ、さすがに1ピクセルにおさまるわけではないので、その輝きの広がりが濃淡をつくりだし、比較明した時に比較的暗い部分が、途切れになるの…でしょう。すがすがしいほどに憶測。(私は今年は定量的な人間になりたいと思っているのですが、やはり定性的です。)

 

ソフトフィルターを使うと、星像が肥大するので、この継ぎ目(途切れ)は1、2等星などに関しては見えなくなります。しかし3等星以下は途切れが出てしまいます。

 

この途切れをなんとかしたい、というのが、今回の記事の趣旨です。達成できてないけどな!

とりあえず、この数日色々と試したので、実験結果を載せておきたい。

 

 

色々な合成方法を試してみる

まずは通常比較明合成

f:id:shironagassu:20200117231707j:plain

f:id:shironagassu:20200117231723j:plain

まずは、これが、基本の何の手も加えていないPhotoshopでレイヤーで開いて比較明合成したものです。実験用に20枚だけの比較明合成をしたもの。

スピカとからす座が写っていますね。

下はトリミングしたもの。明るい星はこの時点でもつながっていますが、暗い星(4等、5等、6等くらいでしょうか)には途切れが見てとれます。
 

ガウスぼかし法

f:id:shironagassu:20200117232120j:plain

f:id:shironagassu:20200117232139j:plain

次は、こちら。 先ほどの通常のものに、ガウスぼかしをかけたうえで、アンシャープマスクをしています。

一度ぼかして、シャープ感を上げるという処理ですね。

うん。

継ぎ目消えましたね。

これだけ見ると良い感じなのですが、要は、意図的にピンボケ(ピントが甘い)状態を作り出しているわけですね。

それをどう評価するか。

それと、この上の写真は、境界線が簡単なので、マスク作るのが簡単だったんですが、星にだけガウスぼかしを適用しないといけないので、複雑な…例えば、木の枝とかになると、処理がめんどくさい。できなくはないか…めんどくさいな…という(笑)。

とりあえず、この方法が、1パターンということです。

 

覆い焼きリニア加算法

f:id:shironagassu:20200117232559j:plain

f:id:shironagassu:20200117232612j:plain

奇数と偶数を別々に比較明した後に、最後に、加算して合成すると、途切れが消えるという情報を教えてもらったので、やってみた図。

うーむ。細かい星には途切れがありますね。

3等くらいの星には効果が少し出てるようにも見えます。

これ、何が起こって、結果が生じているのか、さっぱりです。何の理屈もわかっていない(笑)

加算ということで、最後合成した時に全体の明るさが倍になります。2枚を加算するので。それを後の現像処理で1段減光しています。

覆い焼きリニアって何なんですかね。

いや、説明も読んだんですよ。わからん(笑)

ハハハ。(笑ってごまかす)

 

StarStaxのギャップフィリング

f:id:shironagassu:20200117233129j:plain

f:id:shironagassu:20200117233151j:plain

ここでフリーソフトStarStaxを導入。

markus-enzweiler.de

こちらで、ダウンロードできます。

 

このStarStaxには、ギャップフィリングという機能があり、比較明時の途切れを埋めるということが想定されています。

効果のほどはどうか。

星を滲ますような効果でギャップを埋めているように見えますね。

しかし、細かな5等星クラスはやはりまだ途切れる。

うーん。

 

StarStax&覆い焼きリニア加算法

f:id:shironagassu:20200117233523j:plain

f:id:shironagassu:20200117233532j:plain

まず、StarStaxのギャップフィリングを使って、奇数、偶数それぞれ2枚の比較明画像を作ったうえで、Photoshopに移して、覆い焼きリニア加算しています。

 

お?少し、埋まったかな。

この方法が、もう一つの回答かもしれない…。

最も暗い星(6等クラスか?)には途切れがまだ見えますが、その上くらいまでは、かなり効果が出ているように見えますね。

 

うーん。ガウスぼかし法の前景マスクをつくるのが、めんどくさいけれども、良いのか。このStarStax覆い焼きリニア加算法(長いな名前が…!)が良いのか…。

ケースバイケース。

 

ただ、この方法で、他の奴も合成してみたんですが、副次的な効果で、何か彩度があがります。星の色は良く出るかもしれません。それは良いかも。

 

結論は出ず

ということで、確たる結論は出ないという何とも煮え切らない記事。

 

そして、これ、WEBで出す分には、ほとんど意味のない処理です。等倍でじっくり見れば途切れてますが、スマホやパソコンモニターで見る分には、さほど気になりません。

また、おそらくですが、経験則的に、A4程度の引き伸ばし印刷でも、印刷の過程でギャップが埋まってしまいます。

だから、意味があるとすればそれ以上の大物の印刷…。

つまり…、私でいうと、県展ですよね。

まあ、前回、比較明合成出して、落ちてますのでね。今年は、比較明での勝負は避けたいという明らかなトラウマを抱えていますが(笑)

今年は県展、3枚は出そう。お金かかるけど。その中の一枚になら、比較明をいれるのもやぶさかではない。

 

そして、20分長秒露光なら星は途切れない。

ので、そっちも活用しつつ。

shironagassu.hatenablog.com

 

というわけで、何か、実りのない記事を書いてしまった。

労力だけはかかっているのですが。徒労。

 

今年、比較明を探究していくという決意だけはあるということで。

比較明用にK-50を稼働させて、なるべく二台体制で撮影しようかなとも思っています。

KPはアストロトレーサーを使って撮って、その脇で、K-50が比較明用の撮影をしているという感じで。運搬が重いですけどね。

 

比較明を携えて建築星景というジャンルに踏み込んでいきたい…。

街中で撮る星景。かっこいいと思うんですけどね。

 

というわけで。

ではまた。

 

にほんブログ村 写真ブログ 星景写真へ
にほんブログ村


星景写真ランキング