シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

Lightroomテクスチャと星景写真の日常性

さて。

Adobe Lightroomで、先日、新しい機能が実装されました。

テクスチャ。

このスライダーを上げ下げすることで、明瞭度とはまた違った形で、肌理を強調できます。星景用途としては、微光星の持ち上げや、天の川の強調処理などに効果を発揮しそうです。

結構幅広くレビューされておりまして、改めて機能面で書き足すことはなさそうですが、私なりの使い方を考えてみたいと思います。

 

数えきれない星の中で

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PENTAX KP レンズ   HD DA 15mm Limited 焦点距離15mm

ISO4000 SS30秒 F4 アストロトレーサー、ソフトフィルター使用

2019.02.02 高知県室戸市にて

 

以前、HD DA15mm Limitedで撮影していた星空をテクスチャ機能を利用して再現像しました。 

室戸市の空は暗く、F4でも細かな星まで良く写っていましたが、そこをさらに持ち上げて強調しています。

 

これは、レンズプロファイルをあて、周辺光量落ちを補正した上で、空部分にフィルターをかけて、明瞭度をいったん下げ、テクスチャを上げることで微光星を持ち上げています。

今まで、微光星の持ち上げは、明瞭度を中心に処理していたんですが、明瞭度は、明暗も強調してしまうため、周辺光量落ちも強調され周りが暗くなりがちでした。明瞭度をいったん下げることで、この明暗を均すことができます。

いや、周辺光量落ち=ビネット効果は、もちろん、それはそれで使い用はあるんですが(視線の誘導効果とか)、あえてフラットな画面構成にすることで、日常性を加味していくスタイルをとりたい。

 

私がずっとテーマにしているのは、「暮らしの中の星」ということでして、日々の暮らしの傍らにあるものとして星を写したい、と思っています。日々星を見上げるという文化を。だから、ドラマティックになるよりは、むしろ、日常的ななんでもない、いつもそこにあるような景色として仕上げたい。

 

なので、このレンズプロファイルによる周辺光量補正、明瞭度下げ、テクスチャ上げというスタイルは、この日常的な写真という現像方針に合致して非常に良い。かもしれません。

 

11-18mmのレンズプロファイルも

そして、もうひとつ、重要なことに、とうとう、PENTAX DA☆11-18mmにLrのレンズプロファイルが提供されました。

かなり周辺光量が補正される。

それと、広角端がこれまで糸巻き型の収差があるのではないかと思ってきたんですが、プロファイルをあててみるに、中心部はほぼ補正されない。ふーむ。本当に糸巻き型の収差があったのか、ちょっと自信がない。今後、要調査です。

ちなみに、テレ端18mmは間違いなく糸巻き。あれは糸巻き。

 

以下、いくつかこの間11-18mmで撮影したものをレンズプロファイルをあてて現像しなおしてみました。

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PENTAX KP レンズ   HD DA☆11-18mm アストロズーム 焦点距離12mm

ISO6400 SS30秒 F2.8 アストロトレーサー使用

2019.4.6 高知県香美市にて

 

天の川をテクスチャで強調しつつも、空部分は、明瞭度を下げて明暗をならしつつ、微光星を持ち上げています。

また周辺光量が戻ることで、全体として減感処理(露光量を下げること)できることになります。減感処理すると、ノイズについても、実質的に低減していく効果も得られます。特に私のような一枚撮りスタイルには、恩恵が大きい。

レンズプロファイルがなかなか効果的ですね。

 

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PENTAX KP レンズ   HD DA☆11-18mm アストロズーム 焦点距離12mm

ISO5000 SS40秒 F2.8 アストロトレーサー、ソフトフィルター使用

2019.3.14 高知県土佐市にて

 

レンズプロファイル。

真ん中は本当に、ほぼ動きません。そういう意味で、あまり歪曲がかかってないのか。ただ、端は結構動きます。

でも、ここに出したのは、だいたい12mmですね。私が、12mmで撮り始めるスタイルを定着している証拠ですね。

ただ、とうとうパーシャルソフトフィルターも完成したので、11mmの作品も増やしていかねばなりません。

 

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PENTAX KP レンズ   HD DA☆11-18mm アストロズーム 焦点距離18mm

ISO6400 SS20秒 F2.8 アストロトレーサー、ソフトフィルター使用

2019.5.7 高知県大豊町にて

 

これとかも、レンズプロファイル+明瞭度下げ(空のみ)+テクスチャ上げ(空のみ)という処理をすることで、むしろ、遠くに見える右手の町明かりに照らされた白い霞が、強調された仕上がりにできました。

西から北西方向を向いて、あまり目立つ星がないのも含めて、ある春の日の山あいの一風景の日常性を引き出せ…ていればいいなあ。

 

テクスチャと11-18mmレンズプロファイル。

なかなか、良い機能が実装されました。

「暮らしの中の星」というテーマに沿った現像へと生かしたいと思います。

うーむ。

 


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