うむー。
そういうことです。前回、最後にご紹介したグリップベースを元に、三度グリップ職人化しておりました。
またひとつ新たなるカスタムグリップを生み出してしまいました…。
【目次】
ブルーグリップモデル feat. F Limited
F Limitedというのは、私にグリップベースを授けてくれた、3Dプリンターを駆使する自作グリッパーFさんのプライベートブランド(?)…。
公式が今、J Limitedということで、オフィシャルカスタムを準備していまして、それに触発されて、この自作グリップ界隈が、にわかに活況を帯びているのです。
(多少の誇張を含みます)
作成記録
なので、ここは、ぜひ、自作グリッパーが増えるように、今回は真面目に作成記録を記しておこうと思います。
材料と道具
まず材料から。
①グリップベース
今回グリップ基部には、こちらを使いました。
②エポキシパテ
タミヤエポキシ造形パテ(速硬化タイプ)というのを使っています。これは100gとなっていますが、25gずつ4セットになっていまして、A材とB材を混ぜ合わせると硬化が始まります。速硬化ということですが、固まるまで一晩くらい(6時間)はかかります。なので、粘土感覚で造形する時間は十分にあります。今回は1セット分のさらに半分、つまり全体量の1/8を使いました。
③耐水ペーパー(紙やすり)
これで、磨いていきます。水につけて砥石のような感覚で研ぎます。紙の砥石みたいなイメージ。色々な粗さのものがセットになっている奴が良いでしょう。粗削りから、仕上げ磨きまで使います。
これを塗布することで、傷、へこみなどを見やすくして修復したり、塗装の下地に使ったりします。灰色のもの。番号が大きいと粒子が細かいらしい。とりあえず1000をチョイス。
⑤カラースプレー
今回は、タミヤカラーのTS19メタリックブルーというのを使いました。前回の色もタミヤカラーでした。ゴールド。
色はお好みで。細かく多種多様な色があるので、気に入るのが必ずあるでしょう。ただ、実際の仕上がりの色はよくわからないので、そこらへんはもう勘とフィーリングとネットの情報を駆使してください(笑)
何にせよ自分が気に入るかが全てです。
⑥クリアラッカー
ニッペホームプロダクツ ミニホビー用スプレー(透明クリヤー) 100ML
- ジャンル: 花・ガーデン・DIY > 日曜大工・作業用品 > 塗料・補修材・各種素材 > 塗料
- ショップ: 楽天ビック
- 価格: 597円
最後に吹いて、塗装面の保護をします。私の使ってるのはこれですが、色々なのがあるので、探してみてください。特にこれがベストなのかはよくわかりませんが、とりあえず、これで問題ありません。
余談ですが、これで、疑似ソフトフィルターをつくることも可能です。
その話は、こちらに↓
⑦ネジ(六角穴付きボルト細目ピッチM4-0.5x8)
六角穴付きボルト細目ピッチM4-0.5x8【ステンレス(SUS304相当材)/生地/1個入】(頭部径7頭部厚み4六角二面幅3)
- ジャンル: ボルト
- ショップ: ジャパネジ楽天市場店
- 価格: 194円
取り付け用。M4という太さの、細目0.5mm間隔のネジ山の、8mmのサイズのものが適合します。
Tipsとして、これ発注するときに送付方法をメール便にしないと、宅配便になってしまい、後から変更のお願いをしないといけませんのでご注意ください。ネジ一個なのでメール便で十分です。
何軒かまわったのですが、地元のホームセンターにはこの細目ピッチというネジがありませんでした。
また、グリップベース前面に、M3通常ピッチ用のネジ穴がありまして、ここにネジをつけることで、パテの食いつきアップと、だいたいの盛りの高さのイメージができます。これはホームセンターで購入可能。私は、家に転がっていた何かのネジを適当に差しました。
⑧その他
後は、だいたい100均でそろうものや、家にあるものです。
【100均にて】
・粘土細工用ヘラ…なんでも良いと思うんですが、ヘラがあった方が造形しやすいです。私は形状の違うヘラが3本入っているものを見つけてきました。
・ヤスリ…ダイヤモンドヤスリという小さなものを使っています。細かいところを粗く削るのに便利です。これででっぱりを大まかに均したりします。何かしら細いヤスリを。これも3本形違いのものが入っているのを見つけて使っています。
あとは、薄いゴム手袋(パテこねる用)、新聞紙、粘土板(何かしらのプラスチックの板なんでも代用可)、耐水ペーパーにつけるための水の容器、雑巾、などなどがあれば…道具は全部揃いましたか??
では、作成にかかりましょう。
作成手順
①構想
まず、最初に、一応の完成形をイメージします。だいたいで構いませんが、一番最初に作った時にこれをあまりに適当に決めたことで、その後2週間、ヤスリで削り続けることになりました。最初のイメージが肝心です。
仕上げたい形を絵に描くなり、頭でイメージするなり、構想してみてください。
②パテ工程
では、パテを盛ります。
今回は上でも述べたように、4セット入っているうちの1セット分のさらに半分のみの使用でした。ここら辺は、造形によって違ってくると思います。だいたいの完成形を見据えて、盛って、形を作ってください。
クラフト系の趣味がある方などは得意かもしれませんね。
袋に分けて入れられている2種類のパテの材料(上の白いのと、黄色いの)を混ぜ合わせます。残ったのは、ジップロックにでもいれて、保存しておいてください。またいつか使いましょう。なあに、またしばらくしたら、グリップを作りたくなる…。
速硬化タイプでだいたい6時間で硬化とのこと。
この時に、なるべくホコリが混入しないようにすると後の細かな仕上がりが変わってくると思うんですが、私にはそんな環境は整えられませんでした(笑)
造形したら、最後、水を付けた指でなぞって、表面をなるべくすべすべにしておくと後からヤスリかけの工程が多少楽です。
そして、一晩寝かす。
②耐水ペーパーとヤスリがけ
表面を処理して、形を整えます。少し大きく削らないといけない場合は、上で挙げたダイヤモンドヤスリなどでガリガリと。上の写真はまだやすりがけの前の一晩おいて、固めた段階です。この時点ですでにある程度形を作っているのがわかります。
耐水ペーパーは、水で濡らして、スリスリと研ぎます。目の粗い奴からかけてください(数字の小さなものが目が粗い。いや、見た目でもわかります)。仕上げは、目の細やかな奴でスベスベに。
この工程を納得がいくまで、ひたすらやり続けます。場合によっては、少しずつ何日間かにわけてやってもいいかもしれません。余り詰めすぎると疲れ果てます。
根気です。グリップ職人に一番必要なのはめげない心。
ここで納得のいく形ができたら次の工程です。
③サーフェイサーを吹く
新聞紙の上にグリップを置いて、サーフェイサーをまんべんなく吹きます。スプレーは、一方向に動かしながら、2~3回、シュー、シューという感じで薄く塗っていきます。写真はサーフェイサーを吹いた状態、やすりがけをへて、曲線のエッジが磨かれています。
1時間も待てば、サーフェイサーは乾きます。
乾いて見ると、それまで、気付かなかった細かい傷やヘコミなどがあります。
それを、またヤスリなどをかけてきれいに修復していきます。
場合によっては、①の工程に戻ってパテを盛り直します。こうなるとまた工程が一日延びますが、大丈夫です。完成に向かおうとする意思があれば、いつかはたどり着きます。
根気です。グリップ職人に一番必要なのはめげない心(2回目。
修正作業が完成したら、もう一度サーフェイサーを吹いておきます。これが塗装の下地になります。
④塗装
いよいよ、塗装工程です。ここが一番緊張します。
サーフェイサーの時と同じく、新聞紙の上にグリップを置き、スプレーを動かしながら、短くシューっとを2~3度繰り返します。全方向からまんべんなく。
焦りは禁物です。薄く塗りつつ、場合によっては、少し乾燥を待って、何回も繰り返して、塗装を少しずつ厚くし、しっかりと塗装していきます。
乾燥は、良く晴れた日なら外に出してしまえば早いですが、室内でも丸1日(24時間)も置けば、乾燥するでしょう。換気などに十分注意してください。いっそのこと外でやるのもありです。
乾いていないのに焦って触ってしまうとアウトなので、もうここはじっくりと待ちます。
根気です。グリップ職人に(3回目、以下略。
⑤保護仕上げ塗装
塗装が完了したら、最後の工程。クリアラッカーで保護用の仕上げをします。
この時も、スプレーは、動かしながら、短くです。
私は、以前、最後のこの工程で失敗して(一度に厚く塗りすぎて気泡が出た)、ヤスリがけで塗装をはがして、再度、④の塗装工程に戻ったことがあります。
トラウマ的な緊張を伴いますが、自分を信じて。そして、失敗したとしても何度でもやり直すという強い心を。
根気です。グ(4回目、以下略。
数時間もおけば十分乾燥しますが、大事をとって一晩寝かせておきます。
そして一晩経ったものがこちら。
あなたの手元にも、きっと素敵なカスタムグリップが出来ていることでしょう。
完成
#PENTAX KP ブルーグリップモデル feat. #F_Limited
— YamamotoFHironaga (@fourier2010) 2019年3月13日
PENTAX KPは三度装いを変える。
今こそ、あの古き言い伝えを贈ろう。
「その者、蒼き衣を纏いて金色の野に降りたつべし」と。 pic.twitter.com/2VVdN1KuNp
というわけでこうなります。
青と銀は非常によく合いましたね。また、金のレンズも意外にマッチしました。
撮影はK-50で。RAWで撮っておいて銀残しで現像。その際に少しずつパラメータをいじって彩度を戻したりしています。
実物よりも少しかっこよくなるように(笑)
削るタイプも
削るタイプのグリップベースも公開されています。
こちらは、パテがいらない、もしくは一部造形を出すにしても少量でかまいませんね。
こちらもそのうちに挑戦してみたいところです。
2色塗装みたいなことができないだろうか、と。…グリップ職人の道は、はてない。
グリップ職人への道は誰にでも開かれています。良きグリップ職人ライフをお楽しみください。
作品をお待ちしています。
ではまた。
以前のグリップ関連記事
ツイッターで教えてもらったんですが、以前カラバリ展開していたDA35mm。私のはゴールドですが、八百富さんにまだ何色か少しだけ残っているようです。…。ううーむ。危険なのであまり見ないようにしよう(笑)