はい。いよいよ、年の瀬も押し迫ってきました。皆さんにとって2018年はどんな年だったでしょう。
今晩、年内最後の星撮影を終えてきて、そのままの勢いでこれを書いています。いやはや、お疲れ様でございました。というわけで、今年最後のブログ記事として、星撮影について、振り返って置きたいと思います。
今年2018年は、順調に星撮影を重ねまして、撮影回数通算74回を数えることができました。54週で割ると1.37回/週、ということになります。うむ、コンスタントに撮り続けることができたのが、一番の収穫かもしれない。途中、ちょっと疲れ気味の時もあったけれど、星を撮ると、心が落ち着くというか、MPが回復するというか、そういう数値化できない効果もありつつ、今年はやり切った感がありますね。
【目次】
今年の5選
というわけで、今年の5選を選んでおきましょう。ツイッターでは4枚になりますが、とりあえずブログとしては5枚。
花咲く夕月
これをまず一番目に。完成度という意味では、今年一番よく撮れた写真がこれだと思います。
ツツジの花を前景に、暮れなずむ空には三日月と金星。
天候と時間、星の巡りと私の生活リズムが最大限にシンクロした一枚。
しかも、ごくごく普通の街並みにあるふとした風景を取り出せたということで、「暮らしの中の星空」を星を撮る際のひとつのテーマとする私としては、ここまでの集大成といえる一作となりました。
星景としては、異例のF20まで絞り込んでの撮影になっていて、深い被写界深度が欲しかったとは言え、我ながら良く思い切ったなと(笑)
なかなかF20まで絞って星撮らないですが、今後も必要な場面があるかもしれないので、覚えておきます。
春に去りゆく
そして、次はこれかな。これも、満足のいく出来になったと思います。
西に沈もうとする月に照らされた花桃と菜の花の前景に、シリウス(おおいぬ座)が長秒露光で写っています。これは天候と花の時期とが絶妙にはまりました。
一念発起して、高知県展に初応募した作品。無事に入選をいただいて展示してもらったという意味でも思い出深い一枚になりました。
右にあるアンテナ上の物体をトリミングするかしないかで、かなり悩んだんですが、しませんでした。というのは、上でも言ったように「暮らしの中の星」がテーマですので、こういう人工物が残ることもそれはそれで意味があるかなと思ったので。いやまあ、ない方が、写真としての完成度は高いというのもそうかなと思うんですが、それよりも、私の中でのテーマの一貫性を優先しました。
灯火(ともしび)
三番目にこれを入れておきましょう。
これも長秒露光の作品。
高知県内に残る沈下橋を前景にして、北天の円周運動を写しました。沈下橋は今も地域の生活道として使われています。ただ、修復が必要なものも増えてきていて、行政が予算をつけて、それを文化として残していくのも大事だなというのを痛感しています。
灯火という題名は、北極星を指すとともに、街灯を、このように中山間部で暮らしている人々の暮らしの象徴としてとらえて、名づけました。
ここはもう少し月があるときにもう一度いって、もっと集落が浮かび上がる形で撮りたいなという思いも持っています。
10万光年の孤独を想う
そして、4番目にこれを。
10万光年というのは、わたしたちの住む天の川銀河の差し渡しの距離になります。この写真には人工物は入っていませんが、銀河という宇宙的視野で、私たちの暮らす土台に目を向けた作品ということになります。話がでかくなるのは私の性分のようです(笑)
この日は空の条件が素晴らしく、天の川の照り返しで海が明るくなるというなかなかの一枚になりました。高知はいつも夜空は暗く星を撮るには条件が良いのですが、それでも、なかなかここまで空気が澄んでいる日は少ないかもしれません。
天の川は実は苦手な被写体なのですが、これは珍しく満足のいく出来になりました。
やがて立ち上がる者へ
そして、5番目にこれを。
ようやくたどり着いた初火球正面撮影。長かった…。これを撮ったのが、今はサブ機になっているK-50というのが、何かを象徴するようでもあり、題名へもその思いが込められています。
星景写真としては、流星以外には特に目立つものもなく平凡ではあるのですが、本当に、ここにたどり着くまで、何度流星群撮影の反省会を重ねたことかわからないので、インターバルが終わってこれが写っているのを確認した時の思いは感無量でした。
2018年のふたご座流星群は、月の条件も良く、目視できた流星もおそらく数百というレベルで、写っただけでも50を超える流星を捉えて、記憶に残る夜になりました。
また、流星群撮影頑張りたいと思います。さっそく年明け4日にしぶんぎ座流星群がありますね。晴れればいかねばならないですね。
と、以上5枚をシロナガス2018星景写真アワード5選として選出したいと思います。(今、適当に名前を決めたアワード)
今年のフォトコン
私は、フォトコンへの応募も、ライフワーク的に続けていまして、本当にありがたいことに、いくつか入選をいただくことができました。
主には、ペンタックスリコーファミリークラブフォトコンテスト(年4回)、高知新聞写真コンテスト(年4回)を基本に3か月で作品をつくって応募というサイクルを回しています。ただ、この2つはなかなか入選しない、いつか初入選したいですが、欲を出さずに、まずはコンスタントに出し続けるということを頑張りたいと思います。高知新聞の方は、最後の最後に佳作に一枚選んでいただきました。一歩前進です。
今年、入選したもの。
・第5回市民が選ぶ鏡川写真コンテスト2018 入選「花咲く夕月」
・第2回リコーイメージングとっておきPhoto 採用「10万光年の孤独を想う」
・〈公募展〉星のある風景写真 (南牧村) 入選「晩夏を連れて」
・第2回彼岸花フォトコンテスト(土佐山) 入選「彼岸花と冬の星座」
・第72回高知県展 入選「春に去りゆく」
・第132回高知新聞写真コンテスト 佳作「COSMOS」
以上6作品。(忘れてるのないな…?)
こうやってまとめてみると、思いのほか、良く頑張っている。いや、もちろん背後には膨大な選外があるわけですが。
私がフォトコンに応募するのは、WEB以外でも、展示されたり、審査員に見てもらったりして、私の写真に何かしらの文脈を見出してほしい、という思いがあるから、といえると思います。そういう思いがモチベーションになっています。
こうやってブログやSNSで展示するのも楽しいんですけど、またちがったチャンネルでプリントしてみてもらうというのも楽しい。物理的に会場に展示されて、見てもらうというのは、それはそれで、やはりいい。写真は、コミュニケーション手段としての側面も持つので、やはり撮影者と鑑賞者の間をつないでこそ意味が生まれるのではないかと思っています。
来年も、できる限り応募を続けていきたいと思います。
デモクラティック写真論
そうそう。
写真という意味では、今年後半は、自分なりの写真論を持とうということで、色々な写真論を読んだのも、大事な一歩になりました。
実は、ずっと、写真の撮り方については色々と読んできたんですが、どうも何か違うなと、しっくりこないな、と。
いや、これは写真をどう撮るかではなく、それ以前に写真というものがいったいなんであるのか、という「論」を持たないといけないのでは、…と、思ってしまったのが、始まりでした。
私が今の時点で考えている、「写真とは何か」、というのを短くまとめると、「写真とはデモクラティックな表現手段であり、写真を撮ることを通じて、撮影者が主体者として育まれていく」というものです。これが写真論として、妥当なのかどうなのかは、私の実践をもって示さないといけないと思っています。
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私にこの視点を与えてくれたのは、この本。これ、欲しいんですけど、重版がかかってなくて、手に入らない。電子書籍版はあるみたいなんですが…電子書籍リーダーがない。なので、とりあえず図書館で他館から取り寄せてもらって読みました。古本で出会えるとまたそれも運命的ですが…。夏によく行く京都の古本市なんかで出会わないだろうか。
後は、とりあえず、写真論の古典といわれるのもそれなりに読みました。ベンヤミン、ソンタグ、ロラン・バルト、ブルデュー…などなど、それぞれ大事なところはメモ化しているので、いつか何か書く時も引用できます!
いつの日か、デモクラティック写真論についての論文を書くのも、遠い遠い目標です(笑)
ふう。いやー。2018年。なかなかちゃんと写真を撮ったのではないかと思います。悪くなかったのでは。一歩進む年にできたかな、と。
2019年も、頑張りすぎない程度に、コンスタントに撮って、じわじわ前進していければと思います。
暖かいまなざしでお付き合いください。
今週のお題「2019年の抱負」
(せっかくなので、はてなブログのお題もつけておきます)
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