シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

リアレゾ星景という可能性

全国のPENTAXユーザーの皆さんこんにちは。そうでない皆さんも、ようこそ、PENTAXワールドへ。

色々と変な独創的な仕掛けを搭載しているPENTAXカメラの中でも、最大の「飛び道具」との呼び声が高いリアル・レゾリューション・システム(RRS)。

 

↓公式ページの説明はこちら。

www.ricoh-imaging.co.jp

CMOSイメージセンサーを1画素ずつ動かし、4枚の画像を連続撮影。24M×RGBの圧倒的な色情報から1枚の超高精細画像を生成するのがリアル・レゾリューション・システムです。解像力と色再現性が向上し、静止物の撮影時に高精細な画像を得ることができます。高感度ノイズも大幅に低減し、理論的には色モアレ(偽色)が発生しません。撮影には電子シャッターを採用してカメラブレを抑えます。 
※撮影時は三脚などでしっかり固定してください。

主に静物や風景撮影などに、無類の威力を発揮して解像を大幅にあげるとされていますが、やはり、皆さんの関心は、このRRSが、星の風景写真たる星景にも、使えるのかどうか!ということだと思います(関心がなくても聞いてください…)。

果たして、リアル・レゾリューション・システム・スタリー・スケープ、略してRRSSSが撮れるのかどうか。

 

K-50にはなかった機能ですが、KPには搭載されているRRS、新しいメカを手に入れたら試さずにはいられない…ので、昨日の晴れ間を利用して行ってまいりました。

本当は、今日は、しし座流星群極大日なので撮影にいきたいのですが、高知はあいにくの雨でございます。ので、ブログでもアップ…と。

 

試行回数が少ないので、まだまだ、確たることは言えませんが、一応検証してきました。

 

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カメラはPENTAX KP、レンズは古いSMC 50mm F1.4、ソフトフィルターを使用しています。本当は、解像に定評のあるレンズとかもってたらいいんですけど、私の手持ちで一番解像するのはたぶんタムキュー272Eで、これだと焦点距離が長すぎるんです…。

 

まずは前提

RRSは、1回の撮影で4枚撮影するということで、4倍の時間がかかるというのがネック。

なので、4倍(2段分)ISO感度を上げることで、同じ露光量を得ようと考えました。

同じISOでなら効果ははっきり出るでしょうから、時間を4倍に伸ばせたらいいんですが、問題なのは、星の日周運動でして、じわじわとながら意外に星は動く…。一般的には、星が球形で写るのは、500/焦点距離(フルサイズ換算)・秒まで、といわれています。つまり50mmの標準レンズだと約10秒以上露光したら星が線形になって写ってしまうということです。

これ以下に、総露光時間を抑えないといけない…ということで、ISO感度を上げなければならない、と。

 

ちなみに、同じISOで撮ると当然ながら、上の説明分に書かれている通り、ノイズの低減や解像アップの効果が得られます。

ということで、問題になるのは、果たして感度を4倍にあげたときに起きるノイズ増加などのデメリットを、RRSの効果で覆すことができるのか、ということになります。

 

ちなみにこのRRSは、4枚画像を重ね合わせることから、RAWファイル1枚で120メガバイトくらいの巨大なものになります…。

 

検証の結果

ツイッターで、画像を交互に表示した方が比較しやすいと思い、そのまま引用しています。

 

うーむ。できれば、PCで見ていただいて、どうなのか、ご意見をいただけると助かる。

 

私が見るに、星の像自体のシャープさは3200のRRSオフのものが一番なのかなという気がするんですが、背景の輝度ノイズ(黒いザラザラ)が一番少ないのが、12800のRRSオンではないかな、と見えるんですが…どうだろう。

背景のノイズがすくないとすれば、現像処理でより追い込めて、結果的に星もシャープにすることも可能かもしれないと思います。

 

ちなみに、3200のオフは、8秒露光しています。なので12800では、2秒露光(を4枚で8秒)、25600は1秒露光です。1秒でここまで写るのもすごいといえばすごいですが。50mmレンズをAPS-CのKPで使って75mmなので、この8秒というのが、星が線形にならないギリギリのところです。(正確にはギリギリでアウト)

 

昨日帰ってきてすぐに等倍で見たときは、星のシャープさから3200のオフが一番かなと思ったんですが、背景のノイズを見比べてみると、そこにRRSの効果が出ているかなと…。

 

うーん。どうなんでしょう。

いや、まあ、悩むくらいの差なら、普通にとっても問題ないというのが、まともな結論だと思いますけどね(笑)

せっかくついている機能を、自分のフィールドである星景でいかしたい。といういささか無茶な要求。

うーむ…。果たして、この道に可能性はあるのか…?

 

あと、月に使ってみるとどうなんでしょうね??

 

 

 ↑一番最初にRRSが搭載されたK-3Ⅱ。後継機が出てくるのかも。

これ自体はかなりお買い得になってきていますね。

 

追記 Twitterモーメント 「PENTAXのリアルレゾリューションシステムで星景を撮ってみた」

 

 

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