シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

星景サルベージその81 Nostalgia

うむうむ。

とりあえず、色々と撮りたい案件はあるのですが、撮影時間が取れないので、サルベージをしておきたいと思います。

サルベージということで、今回も無事に選外でした。よしよし、いいってことよ。

 

Nostalgia

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PENTAX KP レンズ HD DA☆11-18mm アストロズーム 焦点距離12mm

ISO200 SS1200秒 F2.8  20分長秒露光

2019.10.04 高知県土佐町にて

 

撮影は10月。秋の実りの季節を迎えた田の上に、星が巡ります。

20分長秒露光の一枚撮り。

遠くの山には雲がたなびく原風景的な棚田の眺めです。

ノスタルジア、郷愁を誘う光景…。

 

これを出してから三カ月、現像処理方法も少し変化したので、今回サルベージするにあたって現像し直しました。

全体として少し明るさを上げました。

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この上のが、応募した奴です。ここからさらに1/3段ほど明るく…。

全体に青被りした(させた)んですが、そこも今回出すにあたり調整し直しました。

サルベージの本来の意味である【沈没船の引き上げ】…まさに、沈没したものを引上げる再現像作業ですね。それも大事なことです。

 

編集過程

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実は、撮ったものを、何の現像もかけずにそのまま出すと、このような感じになります。非常に暗い。逆に言えばこれだけ暗くても、RAWファイルの中には、情報としては、記録されているということですね。

なので、現像は、基本的に、そこにないものをつくり出すというよりは、既に情報としてはあるものを、その中から取り出してくるという感じです。

 

ここから全体の露光を持ち上げていきますが、全部同じように持ち上げると、空が明るくなりすぎるので、前景と空とを分けて、トーンカーブで調整します。

 

Lightroomで基本的な調整をした後、Photoshopで、部分的に編集していきます。

1、まず、Lightroomで必要ならばレンズプロファイルかすみの除去などをあてておきます。今回は、レンズプロファイル当てませんでした。レンズプロファイルを当てると周辺減光が解消されて,、それだけで、画面全体がぐっと明るくはなります。ただ過補正のきらいがあるので、その後、手動で、周辺光量を下げるようにしています(-15~-25ほど)。

2、Photoshopで開いて、まず地上部を囲んで、境界線をぼかし(ぼかし120くらい)た後、トーンカーブでぐっと持ち上げます。だいぶ暗いのでかなり強めに。

3、そのまま、今度は空の部分を囲んで境界線をぼかし(ぼかし170くらい)、トーンカーブで緩いSの字をつくるようにして、コントラストを高めつつ、少し露光を落とします。この時、ブルーだけを調整して、少し青みを足します(好み)。

4、左側の光が当たっている雲の所が、ひとつキーポイント(視点の向かう先)なので、この部分だけ囲って境界をぼかし、露光を上げ、ナトリウム灯の色味をむしろ強調します。

5、Lrに戻って、ホットピクセルをスポット修正機能でポチポチつみとります。ISOが低いので、輝度ノイズはほとんど出ていないのですが、20分露光したので、赤や青のホットピクセルは無数に出ます。それを手作業で除去していきます。約20~30分の作業。これが地道。

で、もう一度、Lrで各種パラメータを調整して全体を整え、完成。

 

 

応募した段階の現像は、プリントで見ると、全体として少し暗かったですね。時間なかったのでそのまま送ってしまいましたが。

モニターだと透過光で見るので、あまり気にならないし、少し暗い方が黒が締まる感じはあるのですが、プリントだと反射光になるので、暗さが増すように感じてしまいます。

ここら辺は、ちょうどいい加減を、探っていかないといけません。

いやまあ、そこが選外にどう影響したかは定かではないのですが…。根本的に、何か決定的に足りてないな、とも思いつつ、それでも続けていくしかないですね。

 

というわけで、サルベージでした。

ではまた。

 

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春の天の川が昇る季節

うむうむ。

さて、先日の2月の新月期、ひと月前の新月期にさぼった春の天の川を撮影してきましたのでアップしておきます。

 

春の天の川の季節

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PENTAX KP レンズ HD DA☆11-18mm アストロズーム 焦点距離12mm

ISO4000 SS40秒 F2.8  ほぼ固定撮影

2020.02.23 高知県四万十市にて

 

朝、4時過ぎ、南東の空から、天の川中心部が、昇り始めます。

写真は5時ごろのもの。

もう、5時には、天の川は、すっかり昇ってきていますね。

 

昨年は、もう、一サイクル早い2月の頭に撮影をしたようです。

shironagassu.hatenablog.com

 今年は、このタイミングから、約一カ月、月の周期一周分、遅れました。

 

春らしく、少し、水平線上に水蒸気があったのか、霞がかって、柔らかい印象に写りました。

肉眼では良く見えて、途中には、写らなかったけれども、大きめの流星も確認。

なかなか、良い夜になりました。

これから、また、天の川がよく写る季節が始まります。

 

そして、それは、さそり座が昇り、冬の巨人が西の空に追われて、オリオンの季節の終わりも意味します。

今年の冬は、シーズンを通じて、暖冬気味で、オリオンとの対峙も、例年に比べて、厳しさが足りなかったですが、このシーズンもオリオンを色々と撮りました。

また、次の冬までお預けですね。

 

この時間には、東、北東からは、夏の大三角が昇ってきています。

ベガのあること座は、いつ見ても、非常に端正な星座で、四季を通じて、もっとも好きな星座のひとつです。

 夏の大三角の中には、キツネ座のアレイ星雲がある、ということで、双眼鏡で探していたんですが、どれが、アレイ星雲かわからず。

や座は良く見えたので、近くにあったんだろうと思うんですが、また挑戦してみないといけません。

 

というわけで、春の天の川でした。

今回は、ごく短めに。

 

ではまた。

 

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