シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

DA☆11-18mm正式発表前夜に

いやはや。

衝撃のリークから(といってもさすがにそろそろ出るはずだとは思ってはいましたが)、一夜が過ぎました。

 

HD PENTAX-DA ☆11-18mmF2.8ED DC AWについての情報がようやく。

リーク情報によると、1月31日(つまり明日)に正式発表して、2月22日に発売ということらしい。かなり信ぴょう性は高いでしょう。

 

その正式発表を前に、一言述べておかねばならないと思いまして、筆をとった次第です。いやまあ、別に述べなくても良いんですが、ちょっと言わせてください。

 

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とりあえず、夜明け前の高知城と月を一枚。

夜明けがくるぞ…!

 

【目次】

 

おさらい

さて。11-18mm。

当ブログを長くご覧いただいている方がいれば、このレンズを私がずっと待ちわびていたことはもうすでにご承知の通りだと思います。

shironagassu.hatenablog.com

 

一応、簡単に説明しておくと、DA☆11-18mmは、PENTAXが満を持して送り出す星撮影用の超広角APS-C用レンズです。昨年夏発売予定が伸びまして、今回の発表になっています。

私は、(家族以外は)ほぼ星しか撮らないので、このレンズは、外せないな、と。

 

で。

問題は、値段ですね。

今出ているリーク情報内の「量販店価格」なる数字が18諭吉ということでして、上の記事で予想した本命価格よりもエクスペンシィヴなんですね。いや、さてどうすべきか。うん。

よし、ここで、いったん話をわき道にそらします。ついてくる奴はついてきてくれ!

(レンズへの思いがほとばしっているので、気を付けてくれ!)

 

物象化

私は、良くカメラの話題を扱う時、物象化が起こってるな、というのを感じています。

 

物象化というのは、商品社会(つまりこの現実社会)において、人と人の関係がモノを通して結ばれることで起こる現象で、写真を例にすると「高いものを使うと良い写真が撮れる」という気分を起こします。

最高に物象化しているものはマネーでして、お金を持っていると能力が高いように感じてしまう。これが物象化です。逆に、「あんな高い機材使ってるのに、その程度ですか??」というのも物象化を反対から見てるわけですね。実のところ、商品社会が(つまりモノを媒介した関係性が)、生活の隅々にまで、あまねく浸透しているので、この物象化、すぐに起こります。私もすぐに起こします。

 

何が言いたいかというと、「11-18mmがあると、良い写真撮れるだろうな」と思ってしまうわけです。いや、物象化してますよね。

高いレンズがあれば良い写真が撮れる。うむ、一見もっともらしいですが、モノが高いか安いかは、それにかけられた労働力の量と需給関係できまるわけで、性能に対してばっちり価格が比例して決まっているわけではありません。

なので、大事なのは、それをどう使うか(どういう使用価値があるのか)ということです。言い換えれば、私のニーズをこのレンズは満たしてくれるのか。と。

 

100万円の軽自動車も、300万円の普通車も、200万円分の性能差があるのかどうかはなんともいえません。しかもどういう乗り方をするかによって、軽自動車の方が使い勝手が良いということも十分ありえます。例えば4駆の100万円の軽自動車が、300万円の2駆の普通車より悪路走破能力は高いかもしれない。用途次第です。

 

用途次第。

いや、となると、ですよ、星撮影用としてPENTAXが出してきたこのレンズを、星を撮り続ける私が買わない理由はない、ということになります。

ドンピシャすぎる。

行くしかないじゃないですか…。

 

自己の拡張としての道具

しかし、まあ結論を焦らないでほしい。まだ懸念もある。

それはこのレンズを私は使いこなせるのかという疑問です。

道具というのは、人間の色々な能力を拡張する目的で作られているわけですが、レンズというのはさしずめ、眼(視覚)の拡張でしょうか。カメラ本体は、そうなると記憶能力の拡張といえるかもしれません。

 

私は、果たしてこのレンズを使いこなせるのか。

それは、言い換えるなら、レンズによって拡張される視覚を、私は自己の範疇のものとして受容できるのかと。

 

これは、自己認識にもかかわる部分です。

人間誰しも(いやそうでない人もいるかもしれませんが)、自己認識が、社会的な評価や自分の本来の持っている力(しかも、それは本来数値化できるようなものでもない)との間で、揺れるものだと思うのです。

自信過剰に陥ったり、逆に、自己否定に陥ったり、そこを過不足なく自己認識として捉えられるか。驕らず、そして卑屈にもならず。

これは仕事や社会生活でもそうなんですが、写真を撮るという行為についても同じだろうと思うのです。

「少しはうまくなったな」と思う自分と「まだまだ下手くそだな」と思う自分との間で揺れるわけです。その時々に、肯定と否定を繰り返しながら、自分のあるべき姿を定めていく。揺れ幅を収めていく。

 

そう考えていくと、私は、少なくとも、この間、歩みを止めずには来れたのかもしれない。

いや、…実をいうと、そうでもない…。

このブログのある時期を振り返ると、半年間ほど更新がされていない時期があります。その期間は、完全に、マイナスに落ち込んで、膝をついた状態だったように思います。

だから、いやいや、ポジティブになって、頑張れば素晴らしいという話ではなくて、ちょうど良い自分の在り方を見つけられるかどうか、ということが大事だと思うのです。

 

「写真とはその本質としてデモクラティックであり、写真を撮るという行為を通して撮影者に主体性が育まれる」、という私の現時点での写真の捉え方が、なにがしかの意味を持つものだとすれば、まさに、写真を撮り続けてきたことが(そして、一方で休まざるを得なかったことが)今の私につながっている。

その自分を基礎にして、では、このレンズを私は受け入れられるか。私にとってこのレンズは果たして「ちょうど良い」のか、どうか?

 

うむ。確かにすぐにはうまくはいかないかもしれませんね。レンズに撮らされる時期もあるかもしれません。

しかし、少なくとも、私自身の視覚の延長として、このレンズは、重要な役割を果たしてはくれるのではないか。

使いこなすか、こなせないか、それは難しい問題ですが、少なくとも使ってみることはできる。そして、その行為が、私をそのレンズにふさわしい自己としてパフォーマティブに生成していく。そしてちょうど良い所に馴染んでいく…そんな気はします。

 

ならば…行くしかないだろう、と思うわけです。

 

量販店価格と実売価格?

ということで結論は出てるんですが、問題はそこに至る過程でして。

はっきり言おう。高けぇーー!!!!!

 

ということで、実は、私は、例のリーク情報のサイトを見て、そのサイトで11-18mmと同じように「量販店価格」と書かれていた事例を探し出して、価格コムで初値を検索してみたわけです。

 

似たような値段の奴をピックアップしました。

明日を待てば値段が出てくると思うのですが、待ちきれない(笑)

 

キヤノンのEF85mmというのが量販店価格194,400と書かれていましたが、初値は172,805でした。その差21,595円。

ソニーのFE70-300mmというのが、量販店価格167,000でしたが、初値は146,582円。その差、20,418円。

 

 

うむ…。あくまで推測にすぎないと強く断ったうえで、しかし、そこに希望はある。

2諭吉。

もしかして、実売価格がリーク価格より2諭吉安いのであれば、私が(上に貼り付けた記事で)予想した16万円ドンピシャということになる。

 

いや、まあ、それでも高いんですが(笑)

まあまあ、もうしょうがない。もう後年度負担で何とかするしかない。

 

そして、一つ考えているのは、この半年間苦楽を共にしてきたHD DA15mmF4 Limitedを下取りに出すかどうかということ。

それほど高く売れるわけでもないですし、この半年使い続けて、思い入れもあるのですが、背に腹は代えられない…という思いもあります。

どうなんでしょう。

上の写真も15リミで撮ってまして、…良い青を出すんですよね。

 

ああ、すべては明日の正式発表次第。

心して待ちたいと思います。

いやあ、レンズ発表に乗じて、よくわからないことを書いておきました。

入手した時はもっとうざいと思いますのでよろしくお願いします!
 

※ちょっと追記

リーク通り本日1/31に予約始まりました。

結果的に上の記事で一年前に予想した値段でした~。

うーむ。頑張った。

そして、私もおもむろに手続きをすませておきました。

後は、心静かに待つのみです。

 

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春、香るオリオン

さて。

私事ですが、これまでどれをサルベージにして、どれをサルベージにしないのか、基準があいまいだったんですが、何らかの試練をくぐりぬけた奴(つまり選外)をサルベージにして、それ以外はサルベージにしないという方向で整理してみようかと。

そもそも、サルベージというからには、何かしら掬い揚げるような要素がないといけない気がする。というか、当初、お蔵入りになっている写真を出していくためにつくったのだが、やっているうちに基準があいまいになってきた感はある。

ただ、今までのナンバリングを直すのは超絶めんどくさいので、ここから先その基準でナンバリングしていこうかと思います。

なあに、選外だらけなので、またすぐに増える。

 

なので、今回のはサルベージではありません。

 

春、香るオリオン

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PENTAX KP レンズ  HD DA 15mm Limited  焦点距離15mm

ISO2500 SS30秒 F4 アストロトレーサー使用 

2019.1.25 高知県四万十市にて

 

うむ。

ご覧の通り、菜の花がすでに咲き誇っています。四万十市は高知の西部。有名な入田の菜の花というのもあるのですが、今回、そこはまだかなと思い足をのばさず。名もなき路傍で撮影してきました。

 

いや、本当はシラスウナギ漁と星を撮ろうと思っていたんですが、あまり獲れないのか、出ている漁船が少なく、しかも雲が多いので星が写らずということで、その途中で見つけた菜の花にターゲットを切り替えました。

今年から高知のシラスウナギ漁は、漁期の開始を遅くしているようですが、どうでしょうね。密漁対策に、写真付き許可証の携帯も必須になったようです。悪いことではない。しかし…去年は極度の不漁だったような記事を読みましたが…。

 

ウナギ、減ってますよね。

シラスウナギ漁も、それ自体は、冬の四万十川の風物詩ではあって、川面に明かりを灯して浮かぶ無数の船はなかなか美しく、景観としては残してもらいたい、…とは思うものの、ウナギがいなくなるのでは、そうも言ってられないのが難しいところ。四万十川の天然ウナギは、かなりレアものになってしまったかもしれません。まずは、なんとか資源量回復に力を尽くしてもらいたいと思います。

 

ともかく、あたりは菜の花の香りで、すでに春の気配でした。ただ、この次の日は高知の平野部でも積もらない程度に雪がチラチラしていましたので、まだ本格的な春には早いし、もう何回かは寒波がくるようにも思いますが。まだしばらくオリオンの季節ですかね。

 

この菜の花は、観賞用に植えられているというよりは、食用の奴がなぜか収穫されず花まで咲いた感じに見えました。

どうなんだろう。

菜花、おひたしにするとおいしいですけどね。

 

これはパンフォーカス星景にせず、15リミで、そのまま無限遠で撮って、前側の菜の花はぼかすことにしました。

雲が出なければ、色々試してみたかったのですが、この後すぐ厚く雲が出てしまい、撤退。

 

まあ、春の足音が聞こえる写真が撮れたので良しとしましょう。

星を撮るということは、移ろいゆく季節の一瞬を撮る、ということでもありますね。

 

夜空の明るさ調査

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そうそう。

夜空の明るさ調査に、今回初めて参加してみようということで、やってみました。

 

Mモードで、ISO800、30秒、F5.6、長秒ノイズリダクションのみON、RAW保存で、真上を向けて一枚。ホワイトバランスはオート、カスタムイメージはフラットにしておきました。画面上が北、下が南、左が東、右が西。ですね。それほど厳密に向き合わせはしていませんが。

20-40mmの23mm(換算でだいたい35mm)で撮影しました。

 

1月26日(土)~2月8日(金)までで、日没後1時間半から3時間半の間に撮影したデータを送ります。おおむね、この期間ですと19-21時の撮影ということになります。

 

hoshizora-kansatsu.astroarts.co.jp

上記のサイトから、RAWデータを送ることができます。撮った場所も地図で選択するだけなので非常に簡単でした。

 

高知も私以外にも何人か、調査されているようです。

今日は、残念ながら曇りですので、また晴れた日を狙って、もう少しデータを送りたいとは思いつつ。

意外と19-21時というのが、私の生活リズムからすると早い(いつももっと夜中から撮り始める)ので、調整して臨みたいと思います。

まだ期間はしばらくありますので、お近くで一枚撮ってぜひご参加を。

 

というわけで、また。

 

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