というわけで。
前回の記事でも書いたように、この間、京都へ行ってまいりました。
夏の京都は暑かった。
高知も南国土佐といわれるだけあって暑いとは思うんですけど、京都、さすがは盆地というべきか、何か質の違う暑さですね。
そして、夏の京都といえば、そう…古本まつり、です。
下鴨神社で、行われる公称80万冊の古本が集う、大古本市。下鴨納涼古本まつり。
ちなみに2017年の様子は記事にしています。
毎年汗だくになりながら、本を探し求めるこの古本市ですが、いやー、今年も暑かった。途中なにかやばいレベルで喉が渇いて水を一気飲みしました。
こんな感じで、とてつもない数の本が並んでいるわけですね。
これを見て回るのが、楽しくもあり、そして、大変でもある。
実は、今回は、先に、京都の本屋さん恵文社によって、新刊本もゲットしていたので、古本も、あまり数は求めず、質で行こうと心に決めておりました。
この本屋は、コンセプトを持ってやっている感じで、いつも面白い本を置いてくれているので、古本屋に行くのと合わせて、大体寄るのです。買うか買わないかは五分五分。こういう本があるか…と納得して帰る時もある(笑)
ここで買ったのは、
池内了氏の科学エッセイ集「ねえ君、不思議だと思いませんか?」。前の前の記事くらいで言及してますね。言及した割に未読だったので、いい機会だと思ってゲット。池内了氏は、科学者としてはもちろんですが、こういうサイエンスノンフィクションの著作や、日本の軍事研究の広がりに警鐘を鳴らす取り組みなど精力的にやられていて、尊敬をしています。
思えば、この日は科学エッセイの当たり日だったかもしれない。
というのは、古本市でみつけたのが、スティーヴン・ジェイ・グールド著の科学エッセイ「がんばれカミナリ竜 上・下巻」セット。
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うむー。ハードカバーで状態も悪くない。見つけた瞬間、値段を確認する前にまずすばやく確保。
とはいえ、そんなにライバルいないかもしれませんけど(笑)そして、特段高いわけでもなかった。楽天よりは高いけど…。まあ、それは場所代というか雰囲気代というか。
たぶん80万冊のうちサイエンスノンフィクションといえるのが、体感で、そうですね…3%くらいじゃないかと思うんですよね。え、それでも2万4000冊になるな。そんなないな、実感だと1000冊くらいだろうか…。5000冊…はないような、あるのかな?うーん。
まあ、なんにせよ、それほど、幅をとってる感じはないんですよね、この分野。
やっぱり、小説とかは多いし、貴重ぽい古文書的な奴とか、あとは、芸術系の本は非常に多い気がしますね。写真の方でも何かいいのがないかなと思いながら見てたんですが、あまりいいの見つけられませんでした。
とにかく老若男女、たくさんの人が来ていて、皆さん、それぞれ思い思いに、自分の求める本を探しています。私のようにサイエンスノンフィクションを求めている人はどれだけいるだろう。いないことはないと思いますが、どうでしょうね。
と、閑話休題。
で、「カミナリ竜」。いや、見つけた瞬間、こいつのまわりがほのかに光って見えましたね。おお、ここにあったのか…という。
グールドのエッセイ集は沢山出ていて私も全部読めてないんですが、「マラケシュの贋化石」なんかは読んだことがあります。グールド、カンブリア紀の生き物を扱った「ワンダフル・ライフ」で有名ですけど、エッセイの分野もライフワーク的に取り組んでいたようで(多分、新聞や雑誌に定期的に寄稿していたんでしょう)、非常に面白い。多様な題材を進化論研究者としての視点から見るというのが一貫していて、全体としても統一感というか、グールドらしさが出ていて、良いんですよね。
「カミナリ竜」の冒頭が、サイエンスノンフィクション論から始まっているのがまた、素晴らしい。ツイートでも書きましたけど。
グールドのがんばれカミナリ竜の冒頭がまずサイエンスライト(ポピュラーサイエンス)論から始まっていて素晴らしい。「だれもが近づける科学という名誉ある知的伝統を回復しようと、われわれみなが心に誓わなければならない」うむ。
— YamamotoFHironaga (@fourier2010) 2018年8月12日
私も、ここらへんの用語の用法というか、かなり試行錯誤であれなんですけど。基本的には、サイエンスノンフィクションという呼び方をしています。サイエンスライトという時もある。
いわゆるポピュラーサイエンスの方が、一般的だと思うんですが、ポピュラーというと大衆に開かれたという意味は伝わる反面、何か軽い感じがして。この分野、必ずしも軽いやつばかりではないし、私が好きなのも軽いやつではないので、ちょっと抵抗があるんですよね。
書いてる方も、科学者ではない一般の読者に、知的な驚きを与えたいと思って書いていると思うので、まあ、実は何と呼ぶかは大事な気もするんです。
グールドが言うに、フランスでは、この分野の本は、ヴュルガリザシオン(啓蒙書)と、敬意をこめて呼ばれているとのことで、このフランスの感覚はいいなと思うんですけどね。
科学が、どんどん高度化し、ブラックボックス化していく中で、こういう一般市民と科学をつなぐ本の役割は今後も(いや、これからこそ)非常に大きなものがあると、私は、思っています。
それがひいては、科学の最前線に還っていくのではないかと。というのも、やはり、最新の科学は、非常に多額の資金を使うビッグサイエンスになってきてもいて、この民主主義の世の中で、そのビッグサイエンスを進めようと思えば、市民がそれに理解を示して、賛同していかないと、結局は、進まないだろうと思うからです。
だから、科学は科学者だけのものではなくて、人類全体の財産なんだという、サイエンスノンフィクションのあり方というのを、広めてほしいし、少しでも広まるといいなと思って書評を書いたりもしているわけです。
…。まあ、今年はすでに3本書いているので(昨年は年末になんとか一本)、ちょっと余裕をかましてますが、もっと書かないといけませんね。
読むのは読むのだが、書評は書くの疲れるんですよね(笑)あと、最近、社会学の本の割合も増えてきていて、とても乱読気味。
写真は写真で、時間取られるんですけど、まあ、なるべくいろいろな本を読んでいきたいですね。
ということで、これをまた書評カテゴリーで公開しておくという。
いや、頑張って、また、書評書きます。すいません。
最近、ブログを3年やってきてようやくというか、このブログがどういう検索で発見されているのか分析しているんですが、基本、写真、それも星景写真、さらに加えればPENTAXで星景写真を撮っているということで検索をされてるぽい。
逆に言えば、書評では検索されていない(笑)
もっと、がんばります!
shironagassu.hatenablog.comこれとか、けっこういい書評書いてる気がするんだが……(と謎の自画自賛)。
いや…あれですね、たぶん、本のタイトルを、記事の題名に入れとかないと検索があまり機能しないんじゃないですかね…。そんな気がしないでもない。SEO対策不足。
そう思えば、本のタイトル下手したら本文にも書いてないので、書評で検索しても出てくるはずがない…。
うーむ。…これは…困ったな。全部タイトル付け替えかな(笑)今度時間ある時にやってみます。
※あまり数がなかったのですぐに直せた。基本タイトルを本の題名に変えてみました。検索されるだろうか(半信半疑