シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

秋の夜長に星を撮る【星景写真の撮り方=入門編】

というわけで、9月15日夜現在、台風18号が近づいてきております。おそらく17日に四国に最接近する模様です。

週末は、なるべく星を撮りたいのですが、完全に台風とかぶりました。フラストレーション。

 

なので、ここはいったん落ち着いて、秋の夜長に備え、星景写真の撮り方をまとめておこうかと思います。

秋の星座は地味ですが、気候的には、暑くもなく、寒くもなく晴れてさえいれば星を撮影するにはよい季節です。

夜半過ぎにはオリオン座なども登ってきて冬の星座も楽しめます。 

 

季節もいいので、星を撮る人が増えるといいなということで、一度、まとめておくことにしました。

 

事前準備(必要なもの)

とりあえず、デジタル一眼レフカメラで撮ることを想定しています。(別にミラーレスでもいいですし、そこは自由に)

ので、

デジタル一眼レフカメラ

・レンズ(広角でF2.8くらいならばベスト、F3.5でもF4でも撮影は可能、もしくは広角じゃなくても可)

・三脚

 

とりあえず、これだけあれば、撮影することが出来ます。

 

加えてあったらいいもの

・レリーズ…直接カメラに触ってブレさせないために必要ですが、ないならないで、カメラの2秒タイマーなんかを使うことで対応可能。

・ヘッドライト…暗いところでの作業になるので、ヘッドライトが欲しいです。

・テープ…パーマセルテープやマスキングテープなどがあるとピント位置が固定出来て便利です。

・レンズヒーター…長時間撮影していると夜露がついてレンズが曇ることがあるのでそれを防止する。まあ、ぶっちゃけ、無くても、曇らない場合も多い。

・星空を表示するアプリを入れたスマホ…アプリは無料であると思います。スマホを向けた方向の星座が分かるのであると便利です。

・ソフトフィルター…プロソフトンAというのが入手しやすくていいです。これがあると1等星などが目立つようになります。

O-GPS1PENTAX用。20秒くらい露光すると星が流れて写ってしまうのを防ぎます。アストロトレーサー機能で、星を点像のまま撮ることができます。デメリットとしては、その分は地上の風景がぼやけて写ってしまいます。

shironagassu.hatenablog.com

 

ピント合わせは慎重に綿密に

何はともあれ、星にピントを合わさなければなりませんが、これが少し面倒くさいです。ミリ単位で調整する必要があります。

ここさえクリアすれば、だいたい、星景写真は撮れると思います。

 

ピントは、ライブビューを使い、無限遠にマニュアルで合わします。レンズについている指標はあまりあてになりません。

・遠くの街灯などで、ピントを合わす場合。

遠くに街灯が見える場合は、それを利用して、無限遠にピントを合わすことが出来ます。

街灯をライブビューの中心に入れ、最大倍率に拡大。

無限遠付近でピントをミリ単位で微調整すると、街灯の明かりの大きさが、大(ボケ)→小(ジャスピン)→大(ボケ)と変化すると思います。一番シャープで小さな像になるところがジャスピンです。

小技的な感じなのでは、クロスフィルターを装着して、そのクロスが一番するどくなるところを探すという方法でもジャスピン位置を決めることが可能です。

 

・どこにも街灯などがない場合。

どちらかと言うとこちらがより基本です。

明るい星(これは、ライブビューの倍率にもよりますが、一番明るい星=例えば惑星だと明るすぎる可能性もあります。暗めの一等星~二等星くらい…北極星とか、オリオンの三ツ星とかがちょうどいい感じかもしれません)でピントを合わせないといけません。

少し難易度があがりますが、やることは同じです。

星をライブビューで中心に入れて、最大倍率にし、上と同様に無限遠付近を調整してみて、像が一番シャープになるところがジャスピンです。

 

で、1枚撮影してみる。

1枚撮影してみて、撮れた画像を拡大して確認してみるのが大事です。

ジャスピンのつもりでも、うまくいってない時もあります。

 

上手くいってない時は、撮れた画像を最大に拡大して星を見たら、だいたいドーナツボケ状の星像(下の画像参考)になっています。これは、最大倍率じゃないと判断できません。普通に画像表示しただけだと撮れてるように見えます。家に帰って後悔しないためにも、ここはしっかり確認しておきます。

ボケてたら、もう一回、ピント合わせを微調整して、撮影→確認してみます。

ピントがきまったら、テープなどでピントリングを固定しておくと、ピントがずれません。

 

【ピンぼけの例】

一見普通の星空ですが(光源でゴーストが出てるのはともかく)

f:id:shironagassu:20170915200717j:plain

これの一部を拡大すると↓ (あ、あと、ウォーターマーク(透かし)を新しくつくりました。屋号はYFHです。)

f:id:shironagassu:20170915200805j:plain

こういうドーナツ状にボケています。

背面液晶画面では、パッと見わからないのが、完全に罠なので、ピントは現場でしつこいくらい確認しましょう。

 

まあ、でもぶっちゃけると、若干ボケてても、SNSで公開するのが主なら、実のところ、あまり判別できません。

 

撮影時の構図など

これは、人に教えられるほど極められていません。分かってたら教えてほしいくらいです。

が、あえていうならば。

・星以外に前景に何かポイントになるモノを入れる。そうすることで、写真に奥行きと立体感が出ます。

でも、絵になるモノがない場合も多いです…。そういう場合は、人物のシルエット(自分が写る)とかいれると、なんらかのストーリーを感じさせる写真になると思います。とかいいながら、あんまりやったことないので、自分でもやってみないといけません。

※やってみないといけないなあと思いつつ、人物のシルエットを入れると主張が強くて、難しいですね。それで伝えたいことが表現できるならありですね。私は…試行錯誤してますが、どうだろう…人物がいない星景の方が自分の伝えたいものに近い気はする。

・星座はなるべく全体を入れて、途中で途切れさせない方が無難です。途切れた星座は、少し残念な感じになります。(何か意図がある場合は、除く。何事も例外はあり得ますよね)

・基本は、水平を出して撮ります。水平は、カメラについている水準器などで出すといいと思います。基本は水平なんですが、場合によっては、あえて水平を外すという選択肢もありです。

・月や惑星の運行具合を確認しておく。月と惑星や惑星同士、惑星と1等星などが近づくタイミングは、それを主題にした星撮影のチャンスです。

・後で編集が効く(ホワイトバランスの調整など)ことも踏まえてRAWで撮っておくのが無難です。 

・ISOは、自分のカメラに合わせて800~3200くらいの間で、20秒くらいで撮ってみて明るすぎるならISOを下げるか時間を短くする、暗すぎるなら時間を長くしてみてください。ある程度暗いところだと、ISO3200でF2.8、20~30秒くらいで適正露出になるかもしれません。まさに闇みたいなところだとISO6400で90秒くらい行っても構わないかもしれません(星追尾の有無にもよる)。

 

という感じで、大体、星空の撮影ができると思います。

ぜひ、秋の夜長に星撮影を楽しんでみてください。

 

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