シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

【書評】遺伝子の川

まず、本題に関係ないんですが、京都水族館で撮影したものをいくつか。

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サメ。(メモがまったくないので本当にサメかわからない)被写体ぶれした。ISOをもっとあげておけば…後悔(わなわな。

 

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エイ。かわいい。

 

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ケープペンギン。水浴びをしていました。

 

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イルカのジャンプ。アンダー気味。写真技術の低さが深刻。もっと精進せねば。ということで閑話休題

 

サイエンスライト界にこの人あり

さて。

リチャード・ドーキンスサイエンスライト界にその名を轟かすダーウィニズム(進化論)の巨人である。1941年生まれ。彼の著作は20年の時を経ても、色あせない。

 

 

文庫版のドーキンス著「遺伝子の川」。文庫版になるにあたっていくつか、訳の見直しもされているようだ。

原著が、日本語訳されたのが1995年。ちょうど20年前になる。

本来ならちゃんと20年前に出会っておきたかった本だ。その時のまだ10代の私が読んだら、この著作はもっと新鮮で、鮮明だった…のではないだろうかとなんとも複雑な思いになる。

 

ドーキンス

ドーキンスの言い回しというのは、非常に独特のものがあって、少し難解になるきらいがあるように思う。

いや、イメージや比喩などは非常に巧みで、まさにサイエンスライトかくあるべしという感じなのだが。

彼の性格的なものなのか、それとも著作が啓蒙的で説得的なものだからなのか、読み進めていくと、本筋ではない脇道にいったんそれて(後から見直すとそれは必要な寄り道なのだが)いくということがよくある。

 

彼の文章を読みなれてくると少しずつ違和感がなくなってくるし、読み直すと1回目よりもずいぶんと読みやすくなる。そういう意味では、ドーキンス節は癖になるというべきか。

まさに味のあるサイエンスライトである。

 

遺伝子の川というイメージ

読者に、巧みなたとえ話で、進化論の概念をわかりやすく伝えるドーキンス

この著作では、川というイメージで、生命の40億年の連なりをたとえる。

そこに流れているのは、遺伝子である。

この本では、遺伝子中心の生命観を啓蒙的に、そして説得的にかみ砕いて説明する。

 

訳者のあとがきにもあるし、私自身もそう感じたが、ドーキンスの著作の中でも読みやすい部類なのではないかなと思う。

 

生命が真に最大化するのは、遺伝子の生存なんだという点が、この本の要点だろう。これは、今では、進化論の定説になっているといってよいのだと思う。

遺伝子の生存という観点から、個々の動植物の進化を見直して、説明されるのは、パズルが組みあがるのを見るようで、そこには知的な興奮がある。

 

読みやすいが侮りがたい一冊だといえる。

 

そして、探していたドーキンスの最大の出世作利己的な遺伝子」が、この前珍しく立ち寄ったブックオフで普通に売られていた(しかしなぜか天文学のコーナーにあった)ので、速やかにゲットしてきた。

このマストなやつをまだ読んでないというのが、あれだったのだが、また読んだらレビューしたいですね。

 

いやあ、生物学は面白いなあ。