シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

書評

2017年下鴨納涼古本まつり

このブログは、一応、星景と科学本のブログということになっていて、サイエンスノンフィクション(ポピュラーサイエンス)の書評をのせなければならないことになっているのだが…! 全然、書いてないんですよね、書評。 困った。 読んでないわけではない。ち…

【書評】冥王星を殺したのは私です

優れたサイエンスノンフィクションというのはどんなものか。 もちろん、いくつも条件はあると思うのだが、…、ひとつは、ある分野の科学の知見について、わかりやすく的確にかかれていること。二つめは、それを進める科学者の姿が見えること―できれば生き生き…

書評を書かなすぎ問題

さて。このブログは一応、星景写真と科学本のブログと銘打っていて、書評を書かねばならないのだが、最近、サボりすぎて書評を書かなすぎなので、ツイッターで本の感想をつぶやいたのを備忘録として張り付けておきたい。 そして、ちゃんとこの中からいくつか…

【書評】野尻抱影 星は周る

本書は、星の和名の収集で名高い「星の文人」野尻抱影の随筆集である。 今は亡き(準惑星となった)プルートに和名「冥王星」と名付けたのも著者とのこと。 星の情景の表現が非常に豊かで、詩情深い。 野尻抱影 星は周る (STANDARD BOOKS) [ 野尻抱影 ]ジ…

【書評】小石、地球の来歴を語る

ウェールズ地方の小石を拾い上げ、小石に記された地球の歴史をひも解いていく。 地球の歴史を語る本は数あれど、「ひとつの小石」から描き出される地球全史は、なかなかにユニークで興味深い。 著者のヤン・ザラシーヴィッチは、地質学と古生物学を専門にす…

【書評】進化の謎を数学で解く

ダーウィンが示した自然淘汰の考え方。 生物は世代を超えながらわずかに変異をしつつ、環境適応に有利な変異を得た個体は生き残り、そうでないものは淘汰されていく。これが進化だ。 では、環境に適応する「最適者」はどうして生まれるのか。 それは「種の起…

【書評】ブラックホール・膨張宇宙・重力波 一般相対性理論の100年と展開

アルベルト・アインシュタインが、重力の理論である一般相対性理論を発表したのが1915年。本書は、100年を節目に、宇宙論の発展や観測に大きな影響を与えてきたこの理論の歴史を振り返りながら、近未来を予測する。相対性理論の残した最大の宿題、重…

【書評】数学で生命の謎を解く

数学。 様々な科学的分野で応用され、特に物理学とはその進歩を一体のものとしてきた。物理学と数学は「共生進化」してきたといっても過言ではない。 一方で、生物学が扱う生命現象は、数学とはなじまない、と長い間、思われてきた。本作では、生物学の研究…

2016年天文現象と科学本読みの抱負的な

というわけで、あけましておめでとうございます。 とはいっても、すでに1月も10日が過ぎました。 年間三大流星群のひとつ、しぶんぎ座流星群が1月4日にピークを迎えましたが、なんと風邪で寝込んでたっていうね。 すでに今年の流星撮影のチャンスをがっつ…

【書評】21世紀に読む「種の起原」

本書は、ダーウィン著「種の起源」の解説本だ。 なるほど、一言でいってしまえば、それはそうなのだが、解説本という言葉の響きが含む軽めのニュアンスからは、良い意味で裏切られる本格的な進化論=ダーウィニズムの総論といえる。 とにかく、重厚。軽めの…

まず雲を知る

いやあ。 曇ります。おうし座流星群のピークである今日も曇り。 と思って、先に今日の明け方がチャンスかなと思っていってきたんですが、そこも曇り。 とりあえず、散歩がてら朝焼けを撮って帰ってきました。 ◆朝焼け 高知市筆山公園からの朝焼け。夜が明け…

【書評】野生動物撮影ガイドブック 機材選びから撮影テクニック、動物の探し方まで

表紙のかわいらしいイイズナ(これは本文を読んで知ったのだが)の写真にひかれて読んでみた野生動物撮影ガイドブック。 ガイドブックと銘打たれているが、中身は超実践的。 むしろ、著者の撮影紀行としての側面も面白い一冊。 野生動物撮影ガイドブック 機…

【書評】ジュラ紀の生物 (生物ミステリー(生物ミステリー プロ))

ジュラ紀。 たしかに、一番有名な地質年代だろうと思う。 なんとなく、恐竜の時代という印象がある。もちろん、恐竜の時代にも違いないのだが、本書を見ると、哺乳類を含むそれ以外の生物もかなり多様に進化していたようだ。 ジュラ紀の生物 (生物ミステリ…

【書評】愛しのブロントサウルス 最新科学で生まれ変わる恐竜たち

科学的知見というのは、どの分野でもそうだと思うが、絶えず新しい発見によって書き直されながら、日々、磨かれている。磨きあげらた新たな知見は、それまでのものとは大きく姿をかえてしまう(それこそ、革命的に)ということはよくあることだ。 本書は、そん…

【書評】消えゆくY染色体と男たちの運命 オトコの生物学

Y染色体。 哺乳類の性決定に重要な役割を果たす遺伝子であり、父系からのみ受け継がれ、これを受け継いだ者はオスになる。 この重要な遺伝子が、時とともに小さくなり退化しつつある、という。 果たして、Y染色体とオトコはどうなってしまうのか? 消えゆくY…

【書評】遺伝子の川

まず、本題に関係ないんですが、京都水族館で撮影したものをいくつか。 サメ。(メモがまったくないので本当にサメかわからない)被写体ぶれした。ISOをもっとあげておけば…後悔(わなわな。 エイ。かわいい。 ケープペンギン。水浴びをしていました。 イルカの…

【書評】ジャスト・ベイビー 赤ちゃんが教えてくれる善悪の起源

なぜ、サイエンスライトを読むのか、理由は人それぞれあるのかもしれないが、多くの人が納得する理由のひとつは、自らの認識を広げたいからだ、もっと平たく言えば知らないことを知りたいからだといえるのではないだろうか。 そういう意味でこの本は、その欲…

【書評】カタツムリの謎 日本になんと800種!

梅雨の季節、カタツムリを見る機会が多いが、実は、彼らは身近にいながら謎の残る生物なのだという。 カタツムリの謎 日本になんと800種!コンクリートをかじって栄養補 [ 野島智司 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 絵本・児童書・図鑑 > その他ショップ: …

【書評】偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか

科学とは、何だろう?と考えたときに、「科学の無限の可能性」などといった言葉に象徴されるように、一般的にその「万能性」がもてはやされる場合がある。 しかし、科学の本質がどこにあるかは、おそらく逆から見たほうがよいだろう。つまり、科学は、それ自…

【書評】犬が私たちをパートナーに選んだわけ

人類の歴史に寄り添い、パートナーとしてともに歩んできた「犬」たち。 本書は、犬の起源や、犬たちの認知能力の研究、また、現在における動物愛護運動まで、犬にまつわる話題を幅広く取り上げる。 犬が私たちをパートナーに選んだわけ 最新の犬研究からわか…

【書評】海の極限生物

熱泉が吹き上げる深海から、氷点下の極域の海洋まで、また、百年を超えて生きる海洋生物や、その圧倒的増殖力で海の覇者ともいえる微生物など、極限環境で生きる生物種の生態をつぶさに紹介する。 私が、今年に入って読んだサイエンスライトの中でも、ベスト…

【書評】宇宙の謎に挑むブレーンワールド

【100円クーポン配布中!】宇宙の謎に挑むブレーンワールド/白水徹也ジャンル: 本・雑誌・コミック > 科学・医学・技術 > 地学・天文学ショップ: bookfan 1号店 楽天市場店価格: 1,512円 超ひも理論(調弦理論)の予測する宇宙モデル=ブレーンワールド仮説…

【書評】エディアカラ紀・カンブリア紀の生物

エディアカラ紀・カンブリア紀の生物 (生物ミステリーPRO) [ 土屋健 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 科学・医学・技術 > 生物学ショップ: 楽天ブックス価格: 2,894円 4億8500万年以前。 カンブリア紀とそれをさらにさかのぼるエディアカラ紀(5億…

【書評】進化の存在証明

進化の存在証明 [ リチャード・ドーキンス ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 科学・医学・技術 > 生物学ショップ: 楽天ブックス価格: 3,024円 ダーウィニズムを受け継いだもっとも有名な生物学者による、進化論の証拠を提示。 欧米で影響のある創造説に対し…

【書評】ビッグバン宇宙論 上・下

人類の宇宙観の進展は、非常に目覚ましいものがある。 本書は、いまや、ゆるぎない定説となった「宇宙はビッグバンから始まった」という宇宙論について、古代の宇宙観から、解説していく。 ビッグバン宇宙論(上) [ サイモン・シン ]ジャンル: 本・雑誌・コ…

【書評】これが見納め 絶滅危惧の生きものたち、最後の光景

現在、年間4万種の生物が絶滅し続けていると推定されている。生物というのは誕生すれば絶滅するもので、自然の成り行きの中でも当然、絶滅する。のだが、もちろんここでいう年間4万種の絶滅が、人間の活動による環境の急激な変化をその主な原因としていると…