シロナガス/星景と科学本のブログ

受信者としてのサイエンスブログ。星景写真、スタータイムラプスと、ポピュラーサイエンス/サイエンスノンフィクション(一般向け科学書)の書評。

書評

準惑星になった冥王星はそれでも太陽を回っている

優れたサイエンスノンフィクションというのはどんなものか。 もちろん、いくつも条件はあると思うのだが、…、ひとつは、ある分野の科学の知見について、わかりやすく的確にかかれていること。二つめは、それを進める科学者の姿が見えること―できれば生き生き…

書評を書かなすぎ問題

さて。このブログは一応、星景写真と科学本のブログと銘打っていて、書評を書かねばならないのだが、最近、サボりすぎて書評を書かなすぎなので、ツイッターで本の感想をつぶやいたのを備忘録として張り付けておきたい。 そして、ちゃんとこの中からいくつか…

悠久の星々の息遣い

本書は、星の和名の収集で名高い「星の文人」野尻抱影の随筆集である。 今は亡き(準惑星となった)プルートに和名「冥王星」と名付けたのも著者とのこと。 星の情景の表現が非常に豊かで、詩情深い。 野尻抱影 星は周る (STANDARD BOOKS) 作者: 野尻抱影 出…

小石から地球の歴史を見る

ウェールズ地方の小石を拾い上げ、小石に記された地球の歴史をひも解いていく。 地球の歴史を語る本は数あれど、「ひとつの小石」から描き出される地球全史は、なかなかにユニークで興味深い。 著者のヤン・ザラシーヴィッチは、地質学と古生物学を専門にす…

ダーウィンの宿題に答える

ダーウィンが示した自然淘汰の考え方。 生物は世代を超えながらわずかに変異をしつつ、環境適応に有利な変異を得た個体は生き残り、そうでないものは淘汰されていく。これが進化だ。 では、環境に適応する「最適者」はどうして生まれるのか。 それは「種の起…

一般相対性理論101年目

アルベルト・アインシュタインが、重力の理論である一般相対性理論を発表したのが1915年。本書は、100年を節目に、宇宙論の発展や観測に大きな影響を与えてきたこの理論の歴史を振り返りながら、近未来を予測する。相対性理論の残した最大の宿題、重…

数理生物学の世界へようこそ

数学。 様々な科学的分野で応用され、特に物理学とはその進歩を一体のものとしてきた。物理学と数学は「共生進化」してきたといっても過言ではない。 一方で、生物学が扱う生命現象は、数学とはなじまない、と長い間、思われてきた。本作では、生物学の研究…

2016年天文現象と科学本読みの抱負的な

というわけで、あけましておめでとうございます。 とはいっても、すでに1月も10日が過ぎました。 年間三大流星群のひとつ、しぶんぎ座流星群が1月4日にピークを迎えましたが、なんと風邪で寝込んでたっていうね。 すでに今年の流星撮影のチャンスをがっつ…

2015下半期ベスト、ダーウィンへの道しるべ

本書は、ダーウィン著「種の起源」の解説本だ。 なるほど、一言でいってしまえば、それはそうなのだが、解説本という言葉の響きが含む軽めのニュアンスからは、良い意味で裏切られる本格的な進化論=ダーウィニズムの総論といえる。 とにかく、重厚。軽めの…

まず雲を知る

いやあ。 曇ります。おうし座流星群のピークである今日も曇り。 と思って、先に今日の明け方がチャンスかなと思っていってきたんですが、そこも曇り。 とりあえず、散歩がてら朝焼けを撮って帰ってきました。 ◆朝焼け 高知市筆山公園からの朝焼け。夜が明け…

野生動物写真の魅力

表紙のかわいらしいイイズナ(これは本文を読んで知ったのだが)の写真にひかれて読んでみた野生動物撮影ガイドブック。 ガイドブックと銘打たれているが、中身は超実践的。 むしろ、著者の撮影紀行としての側面も面白い一冊。 野生動物撮影ガイドブック: 機…

ジュラ紀は意外に多彩

ジュラ紀。 たしかに、一番有名な地質年代だろうと思う。 なんとなく、恐竜の時代という印象がある。もちろん、恐竜の時代にも違いないのだが、本書を見ると、哺乳類を含むそれ以外の生物もかなり多様に進化していたようだ。 ジュラ紀の生物 (生物ミステリー…

変わる恐竜の実像

科学的知見というのは、どの分野でもそうだと思うが、絶えず新しい発見によって書き直されながら、日々、磨かれている。磨きあげらた新たな知見は、それまでのものとは大きく姿をかえてしまう(それこそ、革命的に)ということはよくあることだ。 本書は、そん…

Y染色体は消えゆけども

Y染色体。 哺乳類の性決定に重要な役割を果たす遺伝子であり、父系からのみ受け継がれ、これを受け継いだ者はオスになる。 この重要な遺伝子が、時とともに小さくなり退化しつつある、という。 果たして、Y染色体とオトコはどうなってしまうのか? 消えゆくY…

古くならないドーキンス流

まず、本題に関係ないんですが、京都水族館で撮影したものをいくつか。 サメ。(メモがまったくないので本当にサメかわからない)被写体ぶれした。ISOをもっとあげておけば…後悔(わなわな。 エイ。かわいい。 ケープペンギン。水浴びをしていました。 イルカの…

人間の善悪観を探るガイドツアー

なぜ、サイエンスライトを読むのか、理由は人それぞれあるのかもしれないが、多くの人が納得する理由のひとつは、自らの認識を広げたいからだ、もっと平たく言えば知らないことを知りたいからだといえるのではないだろうか。 そういう意味でこの本は、その欲…

身近だけれど謎な生物カタツムリ

梅雨の季節、カタツムリを見る機会が多いが、実は、彼らは身近にいながら謎の残る生物なのだという。 カタツムリの謎: 日本になんと800種! コンクリートをかじって栄養補給!? 作者: 野島智司 出版社/メーカー: 誠文堂新光社 発売日: 2015/06/05 メディア: 単…

科学の「限界」に学ぶ

科学とは、何だろう?と考えたときに、「科学の無限の可能性」などといった言葉に象徴されるように、一般的にその「万能性」がもてはやされる場合がある。 しかし、科学の本質がどこにあるかは、おそらく逆から見たほうがよいだろう。つまり、科学は、それ自…

犬研究の現在から見えてくるもの

人類の歴史に寄り添い、パートナーとしてともに歩んできた「犬」たち。 本書は、犬の起源や、犬たちの認知能力の研究、また、現在における動物愛護運動まで、犬にまつわる話題を幅広く取り上げる。 犬が私たちをパートナーに選んだわけ 最新の犬研究からわか…

今年上半期のベスト:極限生物たちの魅力が詰まっている

熱泉が吹き上げる深海から、氷点下の極域の海洋まで、また、百年を超えて生きる海洋生物や、その圧倒的増殖力で海の覇者ともいえる微生物など、極限環境で生きる生物種の生態をつぶさに紹介する。 私が、今年に入って読んだサイエンスライトの中でも、ベスト…

ブレーンワールド理論の超入門書

宇宙の謎に挑む ブレーンワールド(DOJIN選書26) 作者: 白水徹也 出版社/メーカー: 化学同人 発売日: 2009/09/10 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 1人 クリック: 14回 この商品を含むブログ (2件) を見る 超ひも理論(調弦理論)の予測する宇宙モデル…

カンブリア紀の不思議な生物

エディアカラ紀・カンブリア紀の生物 (生物ミステリー (生物ミステリープロ)) 作者: 土屋健,群馬県立自然史博物館 出版社/メーカー: 技術評論社 発売日: 2013/11/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 4億8500万年以前。 カンブリア…

備忘録 進化の存在証明 R・ドーキンス

進化の存在証明 作者: リチャード・ドーキンス,Richard Dawkins,垂水雄二 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2009/11/20 メディア: 単行本 購入: 14人 クリック: 112回 この商品を含むブログ (23件) を見る ダーウィニズムを受け継いだもっとも有名な生物学…

現代宇宙論入門に最適の書といわざるをえない、たぶん

人類の宇宙観の進展は、非常に目覚ましいものがある。 本書は、いまや、ゆるぎない定説となった「宇宙はビッグバンから始まった」という宇宙論について、古代の宇宙観から、解説していく。 ビッグバン宇宙論 (上) 作者: サイモン・シン,青木薫 出版社/メーカ…

SFコメディ作家は絶滅動物の夢を見るか

現在、年間4万種の生物が絶滅し続けていると推定されている。生物というのは誕生すれば絶滅するもので、自然の成り行きの中でも当然、絶滅する。のだが、もちろんここでいう年間4万種の絶滅が、人間の活動による環境の急激な変化をその主な原因としていると…