シロナガス/星景写真と科学本のブログ

「暮らしの中の星空」=星景写真+サイエンスノンフィクション書評。PENTAX使い。

PENTAX K-1 Mark II フリートライアル感想 後編

というわけで、前回に引き続き、K-1Ⅱフリートライアルの後編です。

瞬く間に2週間が過ぎまして、返却をしなくてはいけない。

一応、星の撮影には(近場含め)2回出ることができたので、上出来でしょう。

 

(前回の記事)

shironagassu.hatenablog.com

 

 

今回は、K-1ⅡとHD DA10-17mmの組み合わせです。

 

と、その前に、前回、書き忘れたので、先に書いておきますが…。

K-1Ⅱ搭載のグネグネ動かせる背面液晶=フレキシブルチルト…便利だわ…(しみじみ)。

身体の方が、K-3Ⅲのノンフレキシブル液晶(不動)に慣れ過ぎていて、チルトができるのを忘れて、かがんでしまうのですが、三脚に据えて星を撮るときには、やはり、背面液晶は、動いた方が良い。というのを思い出しました。

 

と、では、10-17mmとの相性です。

 

K-1Ⅱと10-17mm

10-17mm、smc版からHD版にコーティングが変わった以外にも、大きく変化したところが。

それが、フードが組み込みから着脱式に変わったこと

これによって、面白い絵を撮ることができるようになっています。

 

丸く円周魚眼風に撮れた天の川の写真

フードをとったHD10-17mmとフルサイズセンサーを組み合わせると、こういう感じで、ぐるりとふちを囲む丸い円周魚眼風の写真を撮ることができます。

 

10mmの超々広角で撮れているので、相当に広い範囲を捉えています。

天の川が中心から左側にかけて見えていますが、その終端は、デネブを捉えて、夏の大三角をおさめています。

 

北から南まで捉えた比較明合成。北極星からさそり座まで。

その画角の広さはかなりのもので、左上に北極星が、右下には南に昇っていたさそり座が捉えられています。(30分の比較明画像、もっと長く比較明しても面白そう)

この広さで、流星群の流星を待つというのはありかもしれませんね。

相当の火球が流れないと小さくしか写りませんが。

 

17mm側で撮影、対角魚眼に。

17mmの望遠端で撮ると、対角魚眼に戻ります。

例によって、減光はかなりありますが、一応、四隅まで、ケラレなく撮れていると思われます。

ただ、少し戻すと、ケラレるので、ケラレなしで撮るなら、この17mm一択ですね。

 

フードをつけた写真。

フードをつけると、完全にケラレます(10mm)。

このフードをはずせるように企画した方は、英断ですね。

機構も良くできていて、フードカバーをつけたまま、回すと取れるようにできています。ワンタッチ。そして、そのフードカバーを嚙合わせる突起があることで、フードカバーの脱落事故もかなり減っています。一石二鳥。

 

2週間は、かなり短く(そして年度初めの仕事も忙しく)、実は、HD DA70mmもケラレないはずなので、色々撮ってみたかったんですが、時間がとれませんでした。

一応家の中で、壁飾りを撮影したものを。

ドライフラワーの壁飾り

これも減光はありますが、ケラレてはないですね。

十分撮れると思います。もっと撮ってみたかったな。

 

というわけで、前、後編と書いてきて、今回で終わるつもりで書き始めたんですが、先日撮影した、Grad NDの写真を現像する暇がなかったことを思い出したので、次回、おまけというか、アディショナルタイム的な感じで、もう少しだけ、続きます。

 

ではまた。

 

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PENTAX K-1 Mark II フリートライアル感想 前編

うむうむ。

ペンタックスリコーファミリークラブのフリートライアルで、PENTAX K-1 Mark IIいわゆるK-1を借りられることになりまして。

K-1Ⅱというのは、言わずと知れたPENTAXのフルサイズ機ですね。

基本的に、APS-Cでずっとやっていますので、対応するフルサイズ用レンズがないのですが、いくつか試したいと思っていたことがあったので、ちょうど良かった。

 

フリートライアルですが、ペンタックスリコーファミリーのプレミアム会員(しか今、会員制度がないと思いますが)なら、毎月の申し込みをすることができます。

返送料はかかりますが、機材を無料で試せるので、会費を払っているので活用しないともったいないと思い、毎月、申し込みをしています。

前回D-FA21mmが借りられたのが、11月のことでしたので、結構早く2回目が回ってきた。結構借りられるぞ…これ…。

 

shironagassu.hatenablog.com

 

shironagassu.hatenablog.com

 

話をK-1Ⅱに戻しますが、フリートライアルで、特に、星景撮影機として試してみなければいけないと思っていたのは、2つ。

一つは、HD DA11-18mmとの相性。

もう一つは、HD DA10-17mmフィッシュアイズームとの組み合わせですね。

 

先週土曜日の深夜、良く晴れたので(疲れてはいたのですが)、何とか撮影に出てきました。

 

ちなみに、K-1Ⅱ、発売してからだいぶ経ってはいるのですが、今年1月のアップデートで、アストロトレーサーType2とType3が入っているのですが、借りた機材は、まだファームウェアのアップデートがされておりませんでした。残念。

勝手にアップデートしてしまうわけにもいくまいと思い、今回はType2は諦めることに。

www.ricoh-imaging.co.jp

 

HD DA11-18mmとK-1Ⅱとの相性

HD DA11-18mmは私が、星撮影に愛用しているレンズですが、基本的にはAPS-C用のDAというカテゴリです。

ただ、望遠端側ならフルサイズのイメージサークルをカバーしているらしい。

これ、ずっと試してみたかったのですが、これまで試す機会がありませんでした。

 

実際に撮影をしてきましたのでさっそくいってみましょう。

天の川。K-1Ⅱ+11-18mmの18mmで撮影。

望遠端18mmです。ホワイトバランスなどは編集しましたが、周辺光量は手を加えていません。

これは…どうやら…行けてますね。ケラレていない。

 

かなり周辺光量落ちはありますが、ケラレではありません。

星像自体はかなり良く、特に中心部は、文句ない出来。周辺部もコマ収差は出ていますが、18mmでこれなら及第点のように思います。

18mmなら、十分、フルサイズでも使える、と言えるのでは。

 

そもそも私の作風が普段から黒すぎて、周辺光量をあまり持ち上げないので、落ちていても気にならないというのはあります。

今回はテストなので補正していませんが、現像ソフトで補正するのは、良いと思います。

 

天の川。K-1Ⅱ+11-18mmの16mmで撮影。

続いて、16mm。並んでいないと上の写真との違いが良く分かりませんが、星をよく見ると、18mmよりも広い画角になっているのがわかります。(左の明るい星=アルタイルの位置とか、さそり座のさらに右側の星の一群とか)

 

周辺光量落ちはさらに強くなっていますね。

ケラレているかケラレていないかでいうと、ギリギリケラレていない判定だとは思います。思いますが、もうケラレているといっても過言ではないほどの光量落ち。

16mmまでが、フルサイズ機で使える最広角端だと言えます。

これ以上は間違いなくケラレる。

 

天の川。K-1Ⅱ+11-18mmの14mmで撮影。

そして、14mm

あー、これは完全にケラレましたね。フレーム(枠)のように、周囲が黒く覆われてしまっています。

ただ、左の光の位置を見るに、この少し外の辺りでトリミングすると、ケラレず超々広角で撮るということもできるかもしれませんが、やはり、想定された使用範囲を超えてしまっていますね。

 

ちなみにK-1Ⅱが1010g(カード+バッテリー含む)+11-18mmが704gですので、足すと2㎏には届かないですが相当重いです。

確かに、フルサイズ用の広角レンズ15-30mmは1040g(K-1Ⅱより重い)ありますので、それと比べれば、一回り小ぶりではあります…が…。うーむ。

 

雲台がそこそこがっちりしていないとストレス貯めそうです。

私の手元には、以前、超格安で手に入れた老朽個体アルカスイスがあるので、K-3Ⅲで撮影している時と、そんなにそん色なく固定できたと思います。

やはり一家に一台アルカスイス雲台ですね。(手に入ったのは、つくづく幸運だった。たまにキタムラを覗くといいことがある。)

 

結論

というわけで、結論的には、K-1Ⅱと11-18mmの組み合わせは、確かに16mmからギリギリ使えることは使えるけれど、ほぼほぼ18mm限定の運用になりそうです。

 

また、はじめて、GPS内蔵機を使ったのですが、これ、便利ですね。GPSユニット(O-GPS2)をつけなくても、本体のスイッチでGPSをONにすれば、準備ができるというのは、とても手軽です。

で、アストロトレーサーType2も入っているとなると、星景を撮るには、かなり便利だと思います。

↓2年半前のあの時K-1Ⅱと迷ってK-3Ⅲを購入したのですが、おそらくK-1Ⅱを購入していても後悔はなかったのではないか、と。ただ、レンズをどうしようか、困ったかもしません。(そして、フルサイズの広角レンズ問題は、現段階でも結論の出ない問いかもしれない……。D-FA21mmは良いレンズですが、星を撮るというベクトルとはまた違う気はします)

 

shironagassu.hatenablog.com

 

あ、そういえば、プレミアム機能のGrad NDという、NDフィルター再現機能が入っているのですが、これバルブ撮影とは両立しないのかグレーアウトして選択できなかったので星撮影では使えておりません。

どこかで返却するまでに、使えるかな。使ってみたいな。一応起動はしてみなければ、備忘メモ。

www.ricoh-imaging.co.jp

 

というわけで。

フリートライアル前編でした。

次回が後編になるか、中編になるかは現時点で不明ですが、次は10-17mmとの組み合わせになります。

 

ではまた。

 

 

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